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2013年6月10日月曜日

「フライト中緊急Dr.コール応需問題」日本以外でも同様な議論

 商用飛行機フライト中緊急医療事態のアウトカム 2013/05/30



 これに関連した話だが、MedPage Todayの解説に対して、意見が寄せられたそうだ。

 フライト中のいわゆる「Dr.コール」への対応を問うたもので、2766名の回答者中、66%は応答すると述べたが、22%は「No!」で、11%は未定とのことであった。
「アンケート内容を理解せずに答えた」という読者の意見が複数寄せられた。
「実際の救急要請時」ではなく、「搭乗時に医療従事者との報告をするかどうか」 という内容の質問だったことを避難しているとのこと。

 よきサマリア人法は、どの程度「現実的」に申し出た医療従事者を守れるか というのが曖昧。米国州法であり、明確性を欠いている現実。医師会などがこのよきサマリア人法についてかなり深くセッションを開いて議論すべき

 実例として、「メリーランド国道 270号線での若い女性の交通事故にでくわし、心肺蘇生は成功したが、ブラジャーを破壊し、肋骨を骨折したとが、その後、夫に訴訟をおこされた」という当事者の報告もあった。よきサマリア人法がどこまで範囲が及ぶか?

 医療従事者と言えど、その地域のライセンスを持たない場合も考えられる。特に空港はその州の法律外であり、ビジネス外の医療、主治医としては行えない医療が全州ではない
が、多くの州で、医師はその州のライセンスを有する必要はないという州法が設定されている。

 「緊急時医療従事者のサービスは無料?」。航空会社が医療従事者の無料サービスが当然だという態度なら、それは虐待である。「ありがとう」という手紙だけですますこともある。
 1998 Aviation Medical Assistance Actで、医療関係者は航空緊急時守られているという読者もいるが、この法律も抗争の対象で、「冗談でしょ」という読者もいる。航空会社は企業であり、好意を前提とした人の良い人がいることを前提にして成り立つ仕組みというのはいかがなものだろう。

ヒポクラテスの誓いですら、無償の労働については言及していない。
 「"The Oath of Hippocrates doesn't say anything about me working without being paid for my services, about volunteering my medical services, about me endangering my life/job for a person. 」
さらに、「他者に害を与えてはならない」と述べている。

だが、理想としては、手助けするのが妥当ではあろうがね・・・


Readers: Up in the Air About Being a Good Samaritan
By Chris Kaiser, Cardiology Editor, MedPage Today
Published: June 08, 2013
http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/GeneralProfessionalIssues/39710



日本国内外でも同様な議論がなされている。


わざとこの問題、放置しているのは、航空会社の利益のため?

2013年5月31日金曜日

乳がん検診ガイドライン:異なる矛盾するガイドラインの狭間で、医療訴訟リスク存在

複数のガイドラインで多くの基準が存在する状況と、医療訴訟リスクとの狭間

医師はガイドライン毎に矛盾する内容 により、医療訴訟上脆弱な状況となっている。USPSTFのようなより積極的に疫学上の根拠に基づくガイドラインほどその採用に消極的になってしまう矛盾の存在に気づくべきである。

乳がんリスクを持ってない、健康な52歳女性に対し、どのような管理をするか?


・2008年ACR、2003年ACSガイドラインは40歳以上での無症状平均リスク女性 に対し、年次スクリーニングマンモグラフィーを推奨していた
・ATSも、CBE(臨床的乳房検査)毎年を推奨

しかし
・2009年、USPSTFガイドラインでは60-74歳女性に隔年マンモグラフィーを推奨、CBEに関してはエビデンス不十分とした
・ACOGガイドラインでは、CBEは年次施行されるべき、マンモグラフィーは年次必要で、隔年マンモグラフィーは適切・許容範囲とされた。

結果、USPSTFガイドラインに従うことで、漏れ落ちたがん発症による医療訴訟問題が生じるのではないかという危惧が発生している。

そもそも、診療ガイドラインが医療過誤訴訟に果たす役割はいかなるものか?
臨床ガイドラインは医学専門家の合意であり、治療標準化であり、主に有意差が出やすいように 設計された治験結果に基づく”エビデンス”から合成されたものであり、最近は臨床実践しやすいように配慮されたものである。ガイドラインが、医療慣行とともに、医療過誤事件に関して合理性判断に利用される。診療ではガイドライン以外の慣行部分も大きなウェイトを占めるはずだが、検診では、この慣例の部分の判断はより厳しく判断されるべきものである。

頻回検診、マンモグラフィー・CBEは早期乳がん診断を増やす面で魅力的。だが、偽陽性検出で、本来受ける必要の無かった、より侵襲的な検査治療に関わる負担の問題。そして、本来侵襲性の少ないがんを見つけたために、続発する、生命に関わる侵襲的検査・治療が行われる有害性の存在は無視できない。ガイドラインは、検出のgainとかかるコスト、さらに放射線被曝などのリスクも加味されるわけだが、これら疫学的にのみ検証しうる有害性に関して、司法判断がまともに配慮してくれるかどうか、司法不信背景に多くの専門家たちが危惧をもつ。

ガイドラインにも利益相反の問題があり、複数の答えがある場合、その判断は被検診者側にゆだねるよう、複数ガイドライン提示すべきである。


Breast Cancer Screening: Conflicting Guidelines and Medicolegal Risk
Allen Kachalia, MD, JD, Michelle M. Mello, JD, PhD.
JAMA. Published online May 30, 2013. doi:10.1001/jama.2013.7100


Sorting Through the Arguments on Breast Screening
Michael G. Marmot, MBBS, MPH, PhD, FRCP, FFPHM.
JAMA. Published online May 30, 2013. doi:10.1001/jama.2013.6822

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