COVID-19は、特に集中治療室(ICU)に入院した重症患者において、静脈血栓塞栓症(VTE)と頻繁に関連しているが、特にパンデミックの初期には、臨床呼吸所見が重なり、画像診断が限られていたため、VTEの診断が困難。組織分析が困難であったため、VTE有病率および死因としてのVTEは過小評価された可能性があり、実際、アウトブレイクの初期段階では、感染のリスクやバイオセーフティの観点から、完全な剖検調査はほとんど行われなかった。残念ながら、今日まで、COVID-19患者における急性肺塞栓症(PE)の実際の剖検有病率は不明
Prevalence of Acute Pulmonary Embolism at Autopsy in Patients With COVID-19
Marco Zuin, et al.
AJC, Published:March 08, 2022DOI:https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2022.01.051
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(22)00126-6/fulltext
今日までSARS-CoV-2感染患者の急性肺塞栓(PE)の現実的頻度はそのシステミックなスクリーニングが困難なため未だに不明である。COVID-19患者の急性PEの組織病理的頻度と死亡原因として頻度を剖検データのシステマティック・レビューとメタアナリシスを施行。MEDLINE-急性PEの剖検頻度とCOVID-19患者死亡起訴原因についてPE評価している、2021年8月10日までの英語出版の記事をPubMed and Scopusで同定
random-effects modelを用い両アウトカムのpooled prevalenceを評価し95%信頼区間(CI)で表記。統計学的heterogeneityをHiggins 12 staticで測定。
14件の研究に含まれるCOVID-19患者749人(平均年齢63.4歳)の剖検データを解析。
10件の研究において、526人の被験者(平均年齢63.8歳)に基づき、ランダム効果モデルにより、剖検急性PE所見は27.5%(95%CI 15.0~45.0%, I2 89.9%)に存在。
9つの研究に登録されたCOVID-19被験者429人(平均年齢64.0歳)では、急性PEが死因の基礎疾患とされた症例は19.9%(95%CI 11.0~33.3%, I2 83.3%)。
COVID-19患者では急性PE剖検所見が約30%に見られるのに、静脈血栓塞栓イベントは死亡基礎疾患として約1/4とされている
Figure 3(A) Forest plots investigating the pooled prevalence of autoptic histopathologic findings of acute pulmonary embolism in patients with COVID-19. (B) Forest plots investigating acute pulmonary embolism as underlying cause of death at autopsy in patients with COVID-19.