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2019年10月10日木曜日

腎臓リハビリテーションガイドライン

日本の腎臓リハビリテーション学会と合同で、Renal Rehabilitation Guideline Preparation Committee作成
各腎臓疾患、特に、腎炎/ネフローゼ、慢性腎疾患、透析治療、腎移植に着眼して6つの推奨

MINDS記載


Clinical practice guideline for renal rehabilitation: systematic reviews and recommendations of exercise therapies in patients with kidney diseases
Kunihiro Yamagata, Junichi Hoshino, […]Masahiro Kohzuki
Renal Replacement Therapy volume 5, Article number: 28 (2019)
https://rrtjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41100-019-0209-8






Forest plot of the effects of exercise intervention on changes in eGFR for non-dialysis-dependent CKD patients

6つのCQ

Renal rehabilitation for patients with nephritis/nephrotic syndrome


  • CQ1 Can exercise restriction be recommended for patients with glomerulonephritis?
  • CQ2 Can rest/exercise restriction be recommended for nephrotic syndrome?


Renal rehabilitation for patients with non-dialysis-dependent CKD

  • CQ3 Is exercise therapy recommended for patients with non-dialysis-dependentCKD?


Renal rehabilitation for patients on hemodialysis

  • CQ4 Is exercise therapy useful in dialysis patients?


Renal rehabilitation for renal transplant recipients

  • CQ5 Does frailty/low physical activity affects the prognosis of renal transplant recipients?
  • CQ6 Can exercise therapy be recommended to renal transplant recipients?



CQ3部分
CQ3透析に依存しないCKDの患者には運動療法が推奨されますか?
[勧告]
中等度の運動療法は、年齢と身体機能を考慮して、非透析

CKDの患者に推奨されます。 [2C]
[コメント]
透析に依存しないCKD患者における運動療法の効果は、5つの転帰:死、腎転帰、入院、運動耐容能、およびQOLの観点から評価されました。
下記の対応する検索式を使用して、PubMedおよびJapana Centra Revuo Medicinaの腎リハビリテーションに関連する公開された文献のレコードを検索しました。最初の検索後、PubMedから3582件、Japana Centra Revuo Medicinaから823件のレコードが取得されました。タイトルと抄録による一次審査を実施し、PubMedとJapana Centra Revuo Medicinaにそれぞれ186件と54件の論文を残しました。次に、テキストの内容を概観することによって二次審査が行われ、最終的にはさらにフルテキスト評価のために50の論文が選択されました。

2018年11月9日金曜日

2型糖尿病・急性冠症候群患者:シスタチンCが心血管リスクの腎バイオマーカーとして優秀

例の如く手抜きでGoogle翻訳

2型糖尿病患者では高率に心血管疾患発生する。糖尿病腎症はCVリスク決定要素の一つで、血糖低下治療の重要なターゲットの一つとして、糖尿病性腎症の予防・進行抑制が重要視。慢性腎臓病と心血管疾患の関連は確立したものだが、糸球体濾過率、尿酸改称ガイ、蛋白尿疾患の各々別々の寄与度は不明
腎バイオマーカー測定は、この複雑なinterplayの広範な理解促進するだろう。通常の腎バイオマーカー(e.g. 血中クレアチニン)は臨床上頻用されるが、腎機能の一つの軸であり、腎障害進展としてはやや進行してからしか増加しない。

EXAMINE研究でのT2DMと直近の急性冠症候群(ACS)患者において、糸球体濾過率バイオマーカー(血中シスタチンC)、腎障害バイオマーカー(尿中好中球gelatinase-associated lipocalin [uNGAL]、尿中 kidney injury molecule [uKIM]-1 protein)と、蛋白排泄をCVイベント予測に関して予後的パフォーマンスがどうか検討。




Relation of Serum and Urine Renal Biomarkers to Cardiovascular Risk in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus and Recent Acute Coronary Syndromes (From the EXAMINE Trial)
Muthiah Vaduganathan, et. al.,  on behalf of the EXAMINE Investigators
The American Journal of Cardiology
DOI: https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2018.10.035

2型糖尿病(T2DM)では、腎軸と心血管疾患(CV)との相互作用の深い理解が必要である。 心血管系のCVリスクが高いT2DM患者の腎臓バイオマーカーの総合的なパネルの予後価値を探ることを目指しました。 我々は、T2DMおよび最近の急性冠動脈症候群の患者5,380例中の血清(シスタチンC)および尿中の腎臓バイオマーカー(好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン、腎障害分子1タンパク質、および尿中タンパク質排泄指数)の予後性能を評価したトライアル。  14日以内に透析が必要な患者は除外した。 事象までの時間を予測するために、単一およびマルチマーカーの共変量調整Cox比例ハザードモデルを開発した。
主要エンドポイントは、複合非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中またはCV死であった。
年齢中央値は61歳、男性は68%、平均糸球体濾過率(eGFR)は74mL /分/1.73m 2であった。
18ヵ月の中央値追跡期間中、621人(11%5%)が一次エンドポイントを経験し、326人(6.1%)の患者が死亡した。
すべての腎臓バイオマーカーは、ベースラインeGFRとは無関係に、有害なCV事象と段階的に強く関連していた。
しかし、マルチマーカー予測モデルでは、一次エンドポイント(HR 1.28 [1.14-1.45]; P≦0.001)、死亡(HR 1.51 [1.30-1.74]、P≦ 0.001)、心不全入院(HR1.20 [0.96-1.49]、P = 0.11)であった。
シスタチンCと一次エンドポイントとの間の関連は、ベースラインeGFRが60mL /分/1.73m 2(Pinteraction> 0.05)を上回り、それ以下で類似していた。



結論として、血清および尿の腎臓バイオマーカーは、単独で試験した場合、T2DMを有する高リスク患者における長期の有害なCV事象を独立して予測する。
統合された腎バイオマーカーのパネルでは、血清シスタチンCのみがその後のCVリスクと独立に関連したままであった。

腎臓機能の様々な側面を知らせる腎臓バイオマーカーは、糖尿病性腎臓疾患と心臓血管疾患との複雑な相互作用をさらに理解するかもしれない。







discussionの一部をさらに翻訳
「血清クレアチニンと比較して、シスタチンCは、年齢、性別、人種、筋肉量の影響を受けにくく、T2DMで観察される炎症性の入力によってより密接に変化する可能性があり、潜在的に根本的な糸球体機能これらのデータは、この設定でのCystatin CまたはCystatin Cに基づくeGFR計算の補助的な使用をさらに支持しているが、リスクを再分類する役割と臨床的有用性はさらなる研究が必要である。
実際、シスタチンCに基づくCKD-EPIの方程式は、MIの設定における腎疾患における食事の変法よりも優れているようである。現在、CVリスク予測における我々の現在の知見と同様に、血清シスタチンCはEXAMINE試験で腎の進行のリスクと関連しているが、一般的な臨床的および実験的因子を超えてリスクを分類し直すようには思われない」



バイオマーカーとしては早期に検出し、重症度に比例して増加するものが望ましい
今のところシスタチンCが優秀とのこと・・・


2018年11月6日火曜日

痛風・アロプリノール:腎機能障害リスク増加せず、リスク軽減効果

副作用の少なさから新規高尿酸血症治療薬にすっかりお株を奪われた感のある、アロプリノロール。allopurinol hypersensitivity syndrome (AHS)の怖さから・・・治療躊躇したくなることがある。一時期、腎機能悪化懸念が浮上したが、最近では、アロプリノール低用量からエスカレーションし段階的に増量することで尿酸ターゲットまで到達可能で腎機能障害の患者にさえ適応できる可能性示唆されてきた。腎機能障害へのULT(尿酸低下治療)について検討



住民ベースの英国コホート研究で、痛風患者へのザイロリック 300mg/日以上で、腎機能低下リスク増加することなく、13%ほどリスク軽減


Association of Chronic Kidney Disease With Allopurinol Use in Gout Treatment
Ana Beatriz Vargas-Santos, et. al.
JAMA Intern Med. 2018;178(11):1526-1533. doi:10.1001/jamainternmed.2018.4463





2017年12月22日金曜日

慢性腎臓病(CKD):強化降圧治療 vs m非強化 にて予後影響

ランダム化臨床トライアルのシステマティックレビュー&メタアナリシス
慢性腎臓病(CKD) stage 3-5における、強化降圧治療 vs 非強化降圧治療で死亡率比較

より強化血圧コントロール群が、死亡率リスク低下と相関した。
benefit/harm検討はこれから


Association Between More Intensive vs Less Intensive Blood Pressure Lowering and Risk of Mortality in Chronic Kidney Disease Stages 3 to 5
A Systematic Review and Meta-analysis
Rakesh Malhotra,  et al.
JAMA Intern Med. 2017;177(10):1498-1505. doi:10.1001/jamainternmed.2017.4377



対象クライテリア一致 30のRCT
CKDサブセット死亡率データ18トライアルから抽出、CKD15924名中1293死亡
平均(SD)ベースライン収縮期血圧(SB0) 148(16) mmHg:強化、非強化治療群とも
強化治療群では平均SBPは16 mmHgの132mmHgへ、非強化治療群では 8 mmHgの 140 mmHgへ
強化 vs 非強化 治療で全原因死亡率 14.0%(オッズ比 0.86 , 95% CI, 0.76 - 0.97 ; p = 0.01)リスク低下
heterogeneity有意性なく、多くのサブグループでも一致した知見





黄色い部分が有意差あるところだが、ベースライン収縮期血圧160 mmHg超過では有意差なく、140−160 mmHgで有意差有り、治療反応を示した群 12mmHg超え群で死亡率低下





逆に言えば、収縮期血圧160 mmHgを超えるような状況ではベネイフィット少ないのかもしれない、降圧治療奏功すれば別だが・・・

2016年8月23日火曜日

軽症/中等症CKD:葉酸+エナラプリル併用群はエナラプリル単独群に比べ腎機能悪化を抑制


http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/03/csppt.html


・・・ってのがあって、CKD進行予防の有益な治療法として葉酸が浮上?




Efficacy of Folic Acid Therapy on the Progression of Chronic Kidney Disease The Renal Substudy of the China Stroke Primary Prevention Trial
 Xin Xu, MD, et. al.; for the investigators of the Renal Substudy of the China Stroke Primary Prevention Trial (CSPPT)
JAMA Intern Med. Published online August 22, 2016. 
doi:10.1001/jamainternmed.2016.4687]



研究意義 葉酸療法されてないヒトへの腎アウトカムへの葉酸治療の有効性検討はなされてない

目的 エナラプリル+葉酸 vs エナラプリル単独比較
中国高血圧被検者:CKD正常から中等症のベースラインでの検討

デザイン・セッティング・被検者: China Stroke Primary Prevention Trial (CSPPT)サブスタディ;15104名(eGFR 30 mL/min/1.73 m2以上(CKD 1671名を含む);
中国江蘇省住民

介入:エナラプリル10mg +葉酸 0.8 mg (n=7545) vs エナラプリル10mg単独(n=7559)

主要アウトカム/測定:
プライマリアウトカム:CKD進行 ベースラインeGFR 60 mL/min/1.73 m2以上なら eGFR 30%以上減少、ベースラインeGFR 60 mL/min/1.73 m2未満ならeGFR 50%以上減少、あるいは終末期腎疾患
セカンダリアウトカムは、プライマリアウトカムと全原因死亡、腎機能急激悪化、eGFR減少率


結果 被検者全体 15,104中国人成人 平均(range)年齢 60 (45-75)歳;フォローアップ・メディアン 4.4年間
プライマリイベント:エナラプリル単独 164、エナラプリル+葉酸 132
エナラプリル群に比較して、エナラプリル+葉酸群ではプライマリイベントオッズ 21%減少  (odds ratio [OR], 0.79; 95% CI, 0.62-1.00) 、eGFR減少緩徐化 (1.28% vs 1.42% per year; P = 0.02)

CKDベースライン存在者中、葉酸は有意にプライマリイベントリスク減少 (OR, 0.44; 95% CI, 0.26-0.75), rapid decline in renal function (OR, 0.67; 95% CI, 0.47-0.96) 、複合イベントリスク減少 (OR, 0.62; 95% CI, 0.43-0.90)、腎機能悪化緩徐化 44%  (0.96% vs 1.72% per year, P < .001)
CKDベースラインで存在しない患者群では、プライマリエンドポイントの群間差認めず


結論・新知見
エナラプリル+葉酸は、エナラプリル単独に比べ、CKD軽症・中等症患者において、CKD進行を抑制する



JAMAクラスの論文のはずだが、Internal Medicineとはこれいかに?



葉酸800μgってのは、医薬品もしくはサプリメント前提?

2015年9月2日水曜日

ARTS-DN研究:糖尿病性アルブミン尿へのFinerenoe(第3世代鉱質コルチコイド拮抗剤)効果

 RAS blockerと非ステロイド性鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト併用は、CKD患者の蛋白尿を減少するが、高カリウム血症など副事象イベント増加懸念で使用を控えている場合も多い。


糖尿病性腎症患者ではACE阻害剤あるいはARB服用されているのがほとんどのはず、それに、第3世代の鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、FinerenoenをAdd-onした場合のアルブミン尿減少効果検討研究

Finerenone は、新しい非ステロイド性鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストで、ミネラロコルチコイド受容体への結合能選択性が特異的で血圧減少を伴わない薬剤





Effect of Finerenone on Albuminuria in Patients With Diabetic Nephropathy
A Randomized Clinical Trial
George L. Bakris, et. al. ; for the Mineralocorticoid Receptor Antagonist Tolerability Study–Diabetic Nephropathy (ARTS-DN) Study Group
JAMA. 2015;314(9):884-894. doi:10.1001/jama.2015.10081



ランダム化二重盲検プラシーボ対照平行群研究(23ヶ国、 148サイト)

介入
ランダム割り付け
・ oral, once-daily finerenone (1.25 mg/d, n = 96; 2.5 mg/d, n = 92; 5 mg/d, n = 100; 7.5 mg/d, n = 97; 10 mg/d, n = 98; 15 mg/d, n = 125; and 25 mg/d, n = 119)
・ matching placebo (n = 94) for 90 days.

主要アウトカム
・ ratio of the urinary albumin-creatinine ratio (UACR) at day 90 vs at baseline
・Safety end points were changes from baseline in serum potassium and estimated glomerular filtration rate.

結果
被験者平均年齢 64.2歳、男性 78%
ベースラインで、アルブミン尿 300mg/g以上の比率は36.7%、eGFR 60 mL/min/1.73 m2以下は40.0%


Finerenone は、量依存的にUACRの減少を示す


プライマリアウトカムである、ベースラインと90日目比較のUACRプラシーボ補正平均比は、finerenone 7.5-, 10-, 15-, 20-mg/d 群 で減少
7.5 mg/d, 0.79 [90% CI, 0.68-0.91; P = 0.004]
10 mg/d, 0.76 [90% CI, 0.65-0.88; P =  0.001]
15 mg/d, 0.67 [90% CI, 0.58-0.77; P < 0.001]
20 mg/d, 0.62 [90% CI, 0.54-0.72; P <  0.001])



中止必要な高カリウム血症の事前設定セカンダリアウトカムは、プラシーボと finerenone 10-mg/d群で観察されない、他、7.5 mg、 15 mg、 20 mg / d群では、2.1%、3.2%、1.7%の差


事前設定セカンダリアウトカム、eGFR 30%以上減少あるいは副事象イベント重大副事象イベント頻度においてプラシーボとfinerenone群で差を認めない



2014年6月6日金曜日

eGFRの急激な減少は、その後の予後(終末腎、死亡率)へ大きな影響を与える

eGFRの急激な減少は、その後の予後(終末腎、死亡率)へ大きな影響を与える。eGFRの経時的把握が必要で、悪化評価とその対応の適正化が今後の課題。



Decline in Estimated Glomerular Filtration Rate and Subsequent Risk of End-Stage Renal Disease and Mortality Josef Coresh, et. al.
toshi Iseki, et. al.
JAMA. Published online June 03, 2014. doi:10.1001/jama.2014.6634

メタアナリシス:12344ESRD、CKD Prognosis Cosortium35コホート(3年間)

主要アウトカムは、2年間に及ぶEGFR%変化率とそれに呼応する、ESRD・全原因死亡リスク(寄与共役補正、初期eGFR補正)


ESRDと死亡率の補正ハザード比(HRs)は、eGFR減少とともに高くなる。

ベースラインeGFR < 60 mL/min/1.73 m2の対象者で、ESRD補正HRは、 eGFR変化率 -57%で、 32.1 (95% CI, 22.3 - 46.3)、-30%で、5.4 (95% CI, 4.5 - 6.4)

しかし、-30%以上の変化の方が、-57%の変化より多い (6.9% [95% CI, 6.4%-7.4%] vs 0.79% [95% CI, 0.52%-1.06%])

この相関は、ベースライン(1-3年の間)、ベースラインeGFR、年齢、糖尿病状況、アルブミン尿横断的に強力で、一致したものである。


(ベースラインeGFR 35 mL/min/1.73 m2における)ESRD10年間補正リスクは、eGFR -57%減少で 99% (95% CI, 95%-100%)、 eGFR -40%減少で 83% (95% CI, 71%-93%)、 eGFR -30%減少で、 64% (95% CI, 52%-77%)、eGFR 0%変化で、18% (95% CI, 15%-22%)


対応する死亡リスクは、 77% (95% CI, 71%-82%)、 60% (95% CI, 56%-63%)、 50% (95% CI, 47%-52%) vs 32% (95% CI, 31%-33%)、同様だが、こちらの相関性は弱い。




End-Stage Renal Disease (ESRD) Associated With Percentage Change in Estimated GFR During a 2-Year Baseline Period
-70%未満のeGFR値低下(eGFR<60 p="">
 trimmed at less than −70% change (0.22% and 0.055% of the study population for estimated GFR <60 m="" min="" ml="" sup="">2
and ≥60 mL/min/1.73 m2, respectively) and greater than 40% change (5.9% and 0.51% of the population for estimated GFR <60 m="" min="" ml="" sup="">2 and ≥60 mL/min/1.73 m2, respectively). 

In the top 2 panels, the diamonds indicate the reference point of 0% change in estimated GFR.











2014年3月13日木曜日

2型糖尿病腎症も、塩分制限、利尿剤、RAAS系遮断薬剤の効果を増強し、併用がさらに効果的

非糖尿病性腎症において、食事性塩分制限や利尿剤投与は、RAAS blockade増加させる。2型糖尿病腎症・residual アルブミン尿患者へのRAAS blockadeに、塩分制限、ヒドロクロロサイアザイド利尿剤を加えることによる影響検討

多施設二重盲験プラシーボ対照交差ランダム治験

Effects of sodium restriction and hydrochlorothiazide on RAAS blockade efficacy in diabetic nephropathy: a randomised clinical trial
Arjan J Kwakernaak,et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 5 March 2014

微量アルブミン・マクロアルブミン・前年6 mL/min未満のCCr 30 mL/min以上、


ナトリウム制限とヒドロクロロサイアザイド(50mg/日)+ACE阻害剤(lisinopril 40mg/日)のアルブミン尿への効果(プライマリエンドポイント)


4治療期間(6週間)中、ヒドロクロロサイアザイド(50mg/日)vs プラシーボ投与
通常のナトリウム食とnatoriumuseigenn(目標 50 mmol Na+/日)
 randam順で6週間治療群はそれぞれ行われる
2名患者ブロックでランダム化


 89名の登録患者中、45名。
ナトリウム制限・ヒドロクロロサイアザイドは共に、治療シークエンスに関係なくアルブミン尿減少。
ベースライン治療による残存的幾何平均アルブミン尿は711mg/日(95 % CI, 485 - 1043)。



 ナトリウム制限n(393 mg /日 [258—599], p=0·0002)、ヒドロクロロサイアザイド(434 mg per day [306—618], p=0·0003)ともに有意減少。
併用がもっとも大きい効果(305 mg/day [203—461], p<0 p="">




ヒドロクロロサイアザイドの低カリウム血症、耐糖能への影響、尿酸への影響をスペアするほどの価値があるのかは、まだ分からないが、塩分制限と加え、腎症への効果は認められる。

2014年3月12日水曜日

米国:貧血ケアの傾向:終末期腎障害への高齢者アプローチ

1995年から2010年の間に、終末期腎障害高齢者アプローチは、ESA(赤血球造血刺激因子製剤)使用頻度増加し、静注鉄補給も増加するが、輸血も増えている。


だが、ESAの使用ピークは過ぎている。


Trends in Anemia Care in Older Patients Approaching End-Stage Renal Disease in the United States (1995-2010)
Wolfgang C. et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 03, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.87

ESA(造血刺激薬剤)使用患者466,803名解析
全てのESA使用ESRD(終末期腎障害)発症比率は、1995年3.2%から2007年40.8%をピークに増加
その後、ESA使用は 2010年35.0%へ減少(1995年比較、 PR, 9.85 [95% CI, 9.04 - 10.74)]

ESA処方患者中、初回ESA仕様記録からESRDの期間中央値は1995年120日間から、2010年337日へ増加。

鉄剤注射使用は1995年1.2%から2010年12.3%へ増加 ; PR, 9.20 [95% CI, 7.97-10.61])

輸血比率は1995年20.6%から2010年40.3%と増加  ; PR, 1.88 [95% CI, 1.82-1.95])

平均ヘモグロビン濃度は、1995年9.5g/dL、2006年ピークで10.3g/dL、2010年9.9g/dL

腎性貧血ガイドライン(http://www.jsn.or.jp/ckd/pdf/CKD06.pdf)
1  腎性貧血の疾患概念   
 CKDでは比較的早期から,腎でのエリスロポエチン産生が低下し,腎性貧血を発症するため, 定期検査による早期発見が必要である 
2  腎性貧血治療の意義   
 腎性貧血の ESA(erythropoiesis stimulating agent 赤血球造血刺激因子製剤)による治療は, CKD に伴うさまざまな合併症予防・治療に有効であり,皮下注射にて早期に開始すべきであ る. 
3  腎性貧血治療の目標  
① 保存期慢性腎臓病の腎性貧血目標 Hb 値は,11 g/dL 以上とし,ESA の投与開始基準は複数回の検査で Hb値11 g/dL未満となった時点とする. 
② 貧血の過剰な改善は ESA 高用量投与による弊害など,生命予後の悪化をもたらす可能 性があるので,13 g/dL超をESA 減量・休薬基準とする.すでに心血管合併症を有する患者や, 医学的に必要と考えられる患者の上限は 12 g/dLにとどめる.
4  鉄剤の補給 
 保存期 CKD患者の鉄剤の補給は,原則経口投与とするが,不十分な場合には静注投与を行う.

2013年9月26日木曜日

Serelaxin:腎血流改善効果 ・・・ サブグループ解析でのベネフィット援護射撃?

Heart Failure Society of America年次総会での報告で、腎血流改善効果が報告された。

オリジナルのRELAX-AHF pIIIでは、全原因死亡率減少示されたが、心不全・腎機能障害関連ベネフィットを示せなかった。

pIIとPIIIの組み合わせサブグループ解析では、血中CrとシスタチンC値が登録5日間で改善、腎機能悪化頻度改善効果がday2で見られた報告がなされている。
さらに、最近のpIIIトライアルサブグループ解析では、eGFR 50未満での死亡率減少効果報告。

やぶにらみ的に見れば、あきらめられないため、サブグループ解析必死ともとれるが・・・


"Renal hemodynamic effects of serelaxin in patients with chronic heart failure: main results of a randomized, placebo-controlled, multicenter study"
Voors AA, et al
HFSA 2013; Abstract A2202.

参照:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/HFSA/41868



Medpageには、「serelaxinとは、血管弛緩物質で、臓器血流改善効果」 。妊娠中など自然に産生されるが、男性でも産生されるとも・・・

投与群では、8−24時間渡り、腎血流量ベースラインから29%増加し、プラシーボでは14%と比較(p= 0.038) 

0-24時間でも、増加(31% vs 13% p = 0.0004)、 24−28時間においても (35% vs 16% p = 0.011)


2013年9月5日木曜日

eGFR:シスタチンC値を判断に加えたほうが、予測因子としての価値があがる


糸球体濾過量、すなわち、GFRの推定(eGFR)のため、シスタチンCを血中Crに加えることで、正確性は増すが、その検出、病期分類づけ、リスク分類への影響は、住民横断的には不明であった。

11の一般住民研究のメタアナリシス(90,750名)、5つのコホート(2690名)
血中CrとシスタチンCを標準化測定法で評価

eGFRを、血中Cr、シスタチンCそれぞれ単独、組み合わせで計算し、死亡(15コホート、 13,202)、心血管死(12コホート、3471)、ESRD(終末期腎障害)(7コホート, 1654)
シスタチンCを用いた再分類で、評価改善するかどうか?

結論は、シスタチンC単独、あるいは、Crとの組み合わせ判断で、eGFRと死亡・ESRDリスク相関性が高まる。


Cystatin C versus Creatinine in Determining Risk Based on Kidney Function
Michael G. Shlipak, et. al.
for the CKD Prognosis Consortium
N Engl J Med 2013; 369:932-943September 5, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214234



一般住民コホートで、60 ml/min./1.73 m2 BSA未満例は、シスタチンC値ベースeGFRは、sCr ベースeGFRより頻度多い(13.7% vs. 9.7%)

すべてのeGFRカテゴリー横断的に、 eGFRにシスタチンC測定値高値を加えることで、3つのアウトカム(全死亡、心血管死、ESRD)に対して予測性改善をもたらす

特に
・死亡 0.23 (95% 信頼区間 [CI], 0.18 to 0.28)
・ESRD 0.10 (95% CI, 0.00 to 0.21)

5つのCKDコホートでも結果はほぼ同様


CKDという概念、個人の健康への指標としての評価と、住民ベースの健康評価という二側面があり、それが十分峻別されてないのでは? ・・・ という疑問に打ち当たる。

カナダ:CKD検診にコスト効果なし2010年 11月 19日
慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012/04/19
糖尿病より、CKDの方が、心筋梗塞発症に帯する影響が大きい 2012/06/23

2013年7月22日月曜日

慢性腎臓病:高リン酸血症へのリン吸着剤 非カルシウムベース薬剤はカルシウムベースに比べ死亡率減少

慢性腎臓病(CKD)における高リン酸血症予防、血中リン酸減少のため、リン吸着薬(又はリン酸塩吸着薬、phosphate binder)には、カルシウムベースと無カルシウムベースがある。具体的な慢性腎不全患者における高リン血症治療としては、沈降炭酸カルシウム(商品名カルタンほか)、炭酸ランタン水和物(商品名ホスレノールほか)、セベラマー塩酸塩(商品名レナジェル、フォスブロックほか)。
 
一方、「カルシウム含有リン吸着剤のカルシ ウム投与量を 1500mg/ 日以下にする目標が設定 された.高カルシウム血症やカルシウムの過剰付 加が血管石灰化の原因となりうること,高カルシ ウム血症に高リン血症が加わると心血管系リスク や死亡リスクがさらに悪化することが報告された ことを受け,高カルシウム血症やカルシウム過剰 負荷回避を目的したものであった」(http://l-pod.com/modules/shop/pdf/jin/2011/AR11_jin_3E09.pdf)




Effect of calcium-based versus non-calcium-based phosphate binders on mortality in patients with chronic kidney disease: an updated systematic review and meta-analysis
The Lancet, Early Online Publication, 19 July 2013

CKD患者において、非カルシウムベースのリン酸塩吸着薬は、カルシウムベース薬剤に比べ、全原因死亡減少と関連する。

847の記録同定、8つの新しい研究(5つのランダム化トライアル)が今回参照クライテリアと一致し、さらに、以前の筆者等のメタアナリシス検討10研究(9つのランダム化トライアル)を加えた。

4622名の11のランダム化研究:非カルシウムベースリン酸吸着剤では、カルシウムベースリン酸吸着剤に比べ全原因死亡率22%減少  (リスク比 0·78, 95% CI 0·61—0·98)


腎不全保存期も含む、CKDに伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)という概念

慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン
透析会誌45(4):301-356,2012
http://www.jsdt.or.jp/tools/file/download.cgi/779/慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン.pdf





※ 以下を見ると、保存期でも、CKD-MBDモニタリング推奨されている。ただ、リン酸吸着剤としてはカルシウム含有薬剤のみ保険適応の現状。

保存期CKD-MBD

 ステートメント
I. 測定すべき項目とその頻度
1)血清 P,Ca,PTH,ALP 値の測定は,CKD 3 から開始することを推奨する(1C).2) 血清 P,Ca,ALP 値の測定は,CKD 3 では 6∼12 か月ごと,CKD 4 では 3∼6 か月ごと,CKD 5 で
は 1∼3 か月ごとに行うのが妥当である*1(グレードなし).3) PTH 値は CKD 3 でベースライン値を測定し,以降,CKD 4 では 6∼12 か月ごと,CKD 5 では 3∼6 か月ごとに行うのが妥当である*1(グレードなし).4) 骨密度検査の実施は,CKD 1∼2 の患者,および生化学異常を有さない CKD 3 の患者では,一般人
口と同様にその適応を考慮することが望ましい*2(2B).5) 骨代謝マーカーの測定は,CKD 1∼2 の患者,および生化学異常を有さない CKD 3 の患者では,一
般人口と同様にその適応を考慮することが望ましい*2*3(2C).6) 保存期 CKD 患者における骨生検の適応は,透析患者での適応に準ずる(グレードなし).
 II.各測定項目の管理目標と治療法
1. 血清 P,Ca 値の管理
1) 血清 P,Ca 値は,各施設の基準値内に維持することが望ましい(2C).2) 血清 P 値の管理は,食事の P 制限や P 吸着薬*4による治療によって行うのが妥当である(グレード
なし).3) 血清 Ca 値の管理は,Ca 含有 P 吸着薬や経口活性型ビタミン D 製剤*5の投与,およびその投与量 の調節によって行うのが妥当である(グレードなし).
2.PTH 値の管理

1). PTH 値が基準値上限を超える場合,この是正を考慮することは妥当である(グレードなし).2) PTH 値の管理は,食事での P 制限,P 吸着薬の投与,または経口活性型ビタミン D 製剤の投与に
よって行うのが妥当である(グレードなし).3) PTH 値の管理の結果,血清 P,Ca 値の異常および腎機能の悪化をきたさないようにすることを推 奨する*6(1C).
3.脆弱性骨折予防のための薬物開始基準*2を満たす場合,CKD 1∼2 の患者では,一般人口と同様の骨
粗鬆症治療を推奨する(1A).生化学異常を有さない CKD 3 の患者でも,一般人口と同様の治療方針 が望ましい*7(2B). 


補足
*1 異常値を認める場合や治療を変更した場合,CKD が急速に進行する場合等では,より頻回の測定を考慮する. 
*2「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011 年版)」に準ずる.
*3  骨型 ALP,TRACP-5b は腎機能の影響を受けにくいが,CKD 患者の骨病変の予測能は高くなく,骨折リス ク評価に関するエビデンスも乏しい.
*4  本邦で保存期 CKD に使用可能な P 吸着薬は,沈降炭酸 Ca のみである.
*5  本邦で保存期 CKD に使用可能な経口活性型ビタミン D 製剤は,アルファカルシドールとカルシトリオールのみである.
*6  沈降炭酸 Ca や経口活性型ビタミン D 製剤の投与量が過剰となり,高 Ca 血症や腎機能悪化をひき起こさないよう注意が必要である.アルファカルシドール 0.5 mg/日,カルシトリオール 0.25 mg/日までは腎機能に対する悪影響は少ないと報告されている.
*7  生化学異常を伴う CKD 3 の患者,および CKD 4∼5 の患者での骨量減少に対する治療法は確立していない. 

2013年2月18日月曜日

血液透析:オンラインHDFは、従来透析法より死亡率減少

オンラインHDFが、昨年の診療報酬改定で認められてるとのことであったが、予後改善の報告があり、ますます、オンラインHDFへの傾斜が加速することだろう

High-Efficiency Postdilution Online Hemodiafiltration Reduces All-Cause Mortality in Hemodialysis Patients
Published online before print February 14, 2013, doi:10.1681/ASN.2012080875
JASN February 14, 2013ASN.201208087


通常のhigh-flux hemodialysisに比べ、on-line hemodiafiltration (OL-HDF)は卒中・感染死亡リスク減少させる
 
透析患者の死亡率は、年間 15%から25%

標準的透析方法は、尿毒素を主体に除去していたが、それより、除去分子サイズ 広汎である。従来大分子物質の体内蓄積によりアミロイドーシスなどの合併症が問題になってきた。
オンラインHDFは無菌的調整透析液を置換液として使用、大量の液置換可能となり、血液透析濾過から発展させたもの

2013年2月1日金曜日

eGFR低下・尿中アルブミン増加による死亡・終末期腎障害予測に性別関係なし

日本の為政者やかれらが相談する連中は自分たちの懐や名誉がたかまることが優先で、介入に関する有害性と有益性を天秤にかけた実証的検討をしようなんて考えず、常に、「検診=すべて正しい、治療=手遅れで次善策」と考えているようだ。



慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012/04/19


CKDに関わる検診をするなら、”CKDの病態”の詳細が問題なのではなく、実際に、検診をしてどのような介入効果あるいは有害性があるかを確認してから行うべきなのである。こういう功利的な考え方じゃなく、 自らの懐をあたためるため検診を主張する経済界の連中とかが太い態度で口出しするから、日本は無駄な検診が跋扈することとなった。

以下のメタアナリシスをみて、勘違いをするか、あるいは意図的世論誘導をおこなうのかもしれない・・・憂鬱

 あくまでも、現象論であり、意図的介入が効果あるかどうかは別問題

 男女とも、推定糸球体濾過率(eGFR)低値と尿中アルブミン量増加の指標は、全原因死亡率や心血管疾患死亡率、終末期腎障害リスク増加と関連するという報告。

慢性腎臓病のリスクの性差に関する報告があり、女性では、終末期腎障害の頻度が少ないことが示唆されたための研究。


Associations of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with mortality and renal failure by sex: a meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f324 (Published 29 January 2013)

2,051,158名、女性 54%登録
うち、一般住民コホート高リスク n=1,861,052、高リスクコホート n=151,494、CKD n=38,612
CKDコホートを除いた登録コホートは最低1000名
アウトカムは死亡率 もしくは、50イベント異常の終末期腎疾患
ベースライン測定は、eGFR(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration equation (mL/min/1.73 m2)とurinary albumin-creatinine ratio (mg/g)

男性の方が、 全原因死亡率と心血管死亡率は、eGFR、アルブミン・Cr比すべてのレベルで高値。

高リスクは、eGFR低値およびアルブミン・Cr比高値と男女とも相関するが、
全原因死亡率、心血管死亡率に対するリスク相関の勾配は、男性より女性の方が急峻

eGFR 95と比較すると、
全原因死亡補正ハザード比は
eGFR 45において 女性  1.32(95% CI 1.08 to 1.61)  男性 1.22 (1.00 to 1.48)(p< 0.01)

尿中アルブミン・Cr比 5との比較で
尿中アルブミン・Cr比 30の場合 女性で  1.69 (1.54 to 1.84) 男性で 1.43 (1.31 to 1.57)

 逆に言えば、eGFRと尿中アルブミン・Cr比の終末期腎障害リスク予測に関し、性差がないということ


KDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease.
Kidney Int. 2013;3:1-163 Suppl.
http://www.kdigo.org/clinical_practice_guidelines/pdf/CKD/KDIGO_2012_CKD_GL.pdf

2013年1月10日木曜日

3剤併用降圧治療にNSAIDs加えると急性腎障害発症リスク増加、特に1ヶ月め

“治療抵抗性高血圧” が注目されている中、降圧剤3剤併用使用者はまれならずよく見られる

ACE阻害剤/ARB・降圧利尿剤を含む多剤治療において、NSAIDs併用すると、急性腎障害発症リスク増加するという注意すべき報告がなされた。


nested case-control analysisの症例対照後顧的検討

利尿剤、ACE阻害剤、ARBからなる2薬剤合剤・降圧剤に、NSAIDsを加えたとき、急性腎障害リスク増加の可能性示唆

Concurrent use of diuretics, angiotensin converting enzyme inhibitors, and angiotensin receptor blockers with non-steroidal anti-inflammatory drugs and risk of acute kidney injury: nested case-control study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8525 (Published 8 January 2013)

UK Clinical Practice Research Datalink

48万4872名の降圧薬使用者のコホート

現行の2・3剤併用降圧剤+NSAIDs使用と、急性腎障害との関連性をrate ratioで比較

平均フォローアップ5.9年(SD 3.4年)、急性腎障害 2215(1万人年あたり 7)

全体では、利尿剤もしくはACE阻害剤もしくはARBを含む2剤併用現行使用では急性腎障害発症リスク増加と関連しない

一方、3剤併用は急性腎障害発症率増加と関連 (rate ratio 1.31, 95% 信頼区間 1.12 ~ 1.53)
二次解析すると、最大リスクは使用30日めに見られる(rate ratio 1.82, 1.35-2.46)


NSAIDSは、最低限、最小期間で・・・
NSAIDs適正使用;アメリカ心臓病協会科学的ステートメント COX2阻害剤心血管系副作用など H25/01/07


“治療抵抗性高血圧”と、降圧剤治療のベネフィットばかりフィーチャーするのでなく、やはりリスクも配慮すべき!

2012年11月7日水曜日

シナカルセット心血管疾患に効果認めず

 シナカルセト塩酸塩は日本でも2007年から維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症HPT(2HPT)を適応症として認可されているcalcimimeticsである。
 副甲状腺CaR(=カルシウム感知受容体)にPTH分泌を強力に抑制するため、PTH過剰分泌である副甲状腺機能亢進症治療薬として用いられている。(http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=KMBD&vol=21&no=2&d1=3&d2=)


シナカルセトの二重盲検プラシーボ対照化トライアルにて、心血管疾患死亡・心停止・非致死的心筋梗塞・非致死的卒中・急な心不全入院・終末期腎不全・腎移植必要性・腎不全関連死・sCr倍加までの期間短縮効果があるかどうかの検討



結論から言えば、心血管系疾患抑制効果認めず




Effect of on Cardiovascular Disease in Patients Undergoing Dialysis
The EVOLVE Trial Investigators
November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1205624
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1205624

中等度・重症2HPT 3883名(インタクトPTH 693 pg/mL[10-90th percentile 363-1694)

シナカルセト と プラシーボ割り付け
64ヶ月フォローアップ

プライマリ組み合わせエンドポイントは、死亡・心筋梗塞・不安定狭心症/心不全/末梢血管イベント入院までの期間

シナカルセト群の暴露期間中央値 21.2ヶ月、プラシーボ群 17.5ヶ月

プライマリ組み合わせエンドポイントは、 シナカルセト群 938/1948(48.2%)、 プラシーボ群 952/1935(49.2%)
(相対ハザード比 0.93;95%信頼区間 0.85-1.02 p=0.11)

シナカルセト群では、低カルシウム・胃腸障害副作用がより多かった
 

2012年11月5日月曜日

欧米研究:クレメジンCKD進行抑制効果無し

CKD進行抑制目的の 活性炭製剤 AST-120 “クレメジン” の 効果を確認するプラシーボ比較


アメリカ・ヨーロッパ 237カ所、2035名のEvaluating Prevention of Progression in CKD (EPPIC)シリーズ研究に一環で、同様な2つの研究のpool化解析

標準治療としての、ACE阻害剤/ARBを加えたもの


エンドポイントとして、透析・腎移植・sCr倍化時間を比較として、36% vs 35%


結論から言えばその効果は認めなかったとのこと

全経過をフォローしてないなどの問題も指摘、クレメジンは球形活性炭吸収剤で、1991年日本では、CKD患者の透析までの期間延長効果、尿毒症改善目的で承認されている。
インドールを含み、これがインドキシル硫酸となり、腎臓へ取り込まれ、線維化を引き起こす可能性がある。



Gerald Schulman (Vanderbilt University in Nashville)らが。Kidney Weekのlate-breaking poster sessionで報告
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASN/35737


Schulman G, et al "EPPIC (evaluating prevention of progression in CKD -- results from two phase III, randomized, placebo-controlled, double-blind trials of AST-120 in adults with CKD" ASN 2012



日本での、臨床上影響の大きい報告


インドキシル硫酸は、スポンサーサイドだと薬理作用の方のみ記している

ウレミックトキシン「インドキシル硫酸」の生成とクレメジンの作用点
http://medical.mt-pharma.co.jp/intro/krm/action.shtml

2012年11月4日日曜日

常染色体優性遺伝嚢胞腎:サムスカの腎障害進行抑制

導入時連日採血及び臨床的観察が義務づけられ例外を除いて入院導入せざる得ない薬剤なので、無床診療所では無縁なのかもしれないが、私の所では、“サムスカ”(トルバプタン)を頻用せざる得ない状況が益々増加している。また、長期連用情報せざるえない症例も存在し、医薬品情報を常に欲している状況である。



サムスカをADPKDに使用し、腎障害悪化抑制に働くという報告がある


常染色体優性遺伝嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)は、疼痛、高血圧、腎不全と合併多く、前臨床的研究にて、 vasopressin V2-receptor antagonistが嚢胞進行を抑制し、腎機能減少を緩徐化する可能性が示唆されていた。

Tolvaptan in Patients with Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease
Vicente E. Torres, et. al.
for the TEMPO 3:4 Trial Investigators
NEJM November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1205511
第Ⅲ相多施設二重盲検3年間トライアル 1445(18-50歳)ADPKD・総腎容積750mL以上eGFR 60ml/min以上を対象

プライマリアウトカムは総腎容積年間変化量
セカンダリエンドポイントは、臨床的進行(腎機能・腎臓痛・高血圧・アルブミン尿悪化を定義)、腎機能低下率

3年間において、総腎臓容量はトルバプタン群で2.8%(95%信頼区間[CI], 2.5-3.1)増加 vs プラシーボ群 5.5%(95% CI, 5.1 - 6.0; P<0 .001=".001" br="br">
複合エンドポイントはトルバプタン群はプラシーボより良好 (44 vs. 50 イベント/ 100 フォローアップ年, P=0.01)、腎機能悪化率低下(2 vs. 5 events  イベント/ 100 フォローアップ年, P<0 .001=".001" 100="100" 7="7" nbsp="nbsp" p="0.007)<br" vs.="vs.">トルバプタンは、腎機能低下緩徐と相関  (sCr値逆数, −2.61 [mg/mL]−1 /年 vs. −3.81  [mg/mL]−1 /年; P<0 .001=".001" br="br">
トルバプタン群でADPKD関連副事象イベント数減少するが、薬剤中止に関与する(23%, vs.プラシーボ群 14% )、aquaresis(自由水利尿:自由水排泄増加)関連イベント増加し、ADPKDと関連しない肝臓副事象増加を認めた







経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤を低ナトリウム血症全般に使用した臨床トライアル  2006年 11月 15日


2012年10月31日水曜日

慢性腎臓病のeGFR減少、アルブミン尿増加は全年齢層で死亡率・ESRD増加と関連するも、相対的影響は高齢では低下

 大規模コホート研究によると、eGFR(推定糸球体濾過率)減少に伴う死亡の相対リスクは全年齢カテゴリーで増加するが、加齢と共に相対的影響は減少する。ただ、イベント総数全体が増えるため、絶対的リスクで計算すると増加する。


この知見ではCKD検診正当性の根拠にはならない
慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ H24.04.19
 むしろ、加齢層での検診根拠が要求されたと解釈することも出来る。


Age and Association of Kidney Measures With Mortality and End-stage Renal Disease
Stein I. Hallan, et. al.; for the Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium
JAMA. 2012;():1-12. doi:10.1001/jama.2012.16817.

【概要】 Chronic kidney disease (CKD)は高齢者で頻度多いが、低eGFRと抗アルブミン尿のリスクの意味合いは全年齢層で議論のあるところである。

【目的】 相対リスク・絶対リスクを検討することで、eGFRとアルブミン尿の年齢による影響修正可能性(介入)を評価

【デザイン、セッティング、被験者】  個別レベルのメタアナリシス(アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北米/南米 2051244名、33名の一般住民、(血管疾患)高リスク・コホート、13のCKDコホート)
1972-2011年、フォローアップ期間(レンジ, 0-31年間)


【主要アウトカム測定項目】  死亡率・(eGFRとアルブミン尿分類による)終末期腎疾患(ESRD)ハザード比 (HR)をメタ解析(年齢カテゴリー横断的、性別、人種、心血管疾患、糖尿病、収縮期血圧、コレステロール、BMI、喫煙補正)
絶対的リスクはHRと平均的発症率で推定

【結果】  死亡 (112 325 件)、 ESRD (8411 イベント)リスクは低eGFRとアルブミン尿高度ほどどの年齢カテゴリーでも高い。一般的・高リスクコホートでは、eGFR減少による相対的死亡率リスクは、年齢増加後と減少
たとえば、「eGFR 45 mL/min/1.73 m2 vs 80 mL/min/1.73 m2」補正 HRは、18-54歳、 55-64歳、 65-74歳、  75歳以上のカテゴリーそれぞれで  3.50 (95% CI, 2.55-4.81、 2.21 (95% CI, 2.02-2.41)、 1.59 (95% CI, 1.42-1.77)、 1.35 (95% CI, 1.23-1.48) (P <.05 for age interaction)

同じ比較を絶対的リスク差で比較すると、高年齢で高い (1000人年あたりの超過死亡 9.0 [95% CI, 6.0-12.8]、 12.2 [95% CI, 10.3-14.3]、 13.3 [95% CI, 9.0-18.6]、 27.2 [95% CI, 13.5-45.5] )

アルブミン尿増加毎に、加齢による相対リスク減少は明確で無くなり、絶対的リスクの差は高齢ほど増加する (1000人年あたりの超過死亡比較(アルブミン・クレアチニン比 300mg/g vs 10mg/g) 7.5 [95% CI, 4.3-11.9]、 12.2 [95% CI, 7.9-17.6]、 22.7 [95% CI, 15.3-31.6]、 34.3 [95% CI, 19.5-52.4])

CKDコホートにおいて、死亡率補正相対ハザードは、年齢と共に減少せず

すべてのコホートで、低eGFRあるいは高度アルブミン尿のESRD相対リスク・絶対リスク差は年齢カテゴリー毎では同程度。


【結論】  低EFRと高度アルブミン尿は独立して死亡率・ESRDと相関し、住民広汎的に年齢層関係なく相関する。
高年齢層では、死亡率は相対リスクでは低下するが、絶対リスクでは増加する。

2012年4月19日木曜日

慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ

そういえば、“慢性腎臓病”(CKD)という概念に関して、無防備だった! ・・・ 批評的スタンスを持つことをわすれていた。

“慢性腎臓病” という概念は、臨床の場に混乱をもたらしている。たとえば、構成要素の一つの“年齢、性別とクレアチニンだけで求められる・・・推定糸球体濾過率”は、薬剤投与量を決める場合のクレアチニン・クレアランス推定式と紛らわしい。



ここで、CKD検診や治療という面で、エビデンス確立しているような代物ではないという報告が、米国の内科学会を代表する団体のシステマティック・レビューから上がってきた。




Screening for, Monitoring, and Treatment of Chronic Kidney Disease Stages 1 to 3: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force and for an American College of Physicians Clinical Practice Guideline
Ann Int Med. April 17, 2012, 156 (8)


メタボ検診にCKD検診を加えることって、詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ ・・・ かもしれない


20歳以上の11%がCKDで、その95%が早期(stage 1-3)で、CKD病期は加齢そして、医学的状態、すなわち、糖尿病、高血圧、心血管疾患に依存するのである。


すなわち、あえて、CKDという病態を創造し、検診を行い、治療を行う意味合いなんてないってこと


システマティックレビューによると、CKD検診・モニタリングの価値は今のところ不明。

ACI阻害剤・ARBによるCKD治療に特定のベネフィットは認めるが、その多くは、アルブミン尿と、糖尿病・心血管疾患患者である。

CKDなるものの合理性は、早期介入による臨床的アウトカム改善だし、評価すべきは、検診のベネフィットと有害性。

reviewerたちは1985-2011年までの文献レビュー

CKD治療のベネフィット

プラシーボに比較して、ACE阻害剤・ARBはESRD(終末期腎疾患)への相対リスク減少と相関し、ESRDのプラシーボ比較のリスク比は、ACE阻害剤で0.65(95%信頼区間 [CI], 0.49-0.88)、ARBでは0.77(95%CI, 0.6-0.90)。糖尿病・顕性アルブミン尿症患者が最もリスク低下に寄与。

微小アルブミン尿・心血管疾患・高リスク糖尿病患者では、死亡リスクがプラシーボ比較でACE阻害剤で減少 (RR, 0.79; 95% CI, 0.66 - 0.96)

eGFR異常患者/高脂血症・うっ血性心不全患者のうち、スタチンとβ遮断剤治療は、対症薬やプラシーボに比較して、有意に死亡率・心血管イベント低下と関連。

通常血圧コントロールと比較して、厳格な血圧コントロールは死亡率、ESRD、他の臨床的アウトカム減少に寄与しない。

ARBとスタチン治療は、高strength-of-evidence ratingであるが、ACE阻害剤・β遮断剤はmoderate、厳格な血圧コントロールのevidence ratingが低い。



レビューの限界と意味合い

“CKD検診・モニタリングの役割として、臨床的アウトカムへの影響は不明”

CKD治療・ベネフィットのエビデンスは主にACE阻害剤・ARBが最強であり、糖尿病もしくは心血管疾患患者のアルブミン尿症患者である。

レビューの限界は、アウトカムに関するエビデンスの不足、post hoc解析をサブグループ検討で用いたこと、報告選択・出版バイアスが見られたこと。さらに、副事象イベントのシステマティックなデータ収集が少ないことが問題。

noteへ実験的移行

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