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2019年7月26日金曜日

UK Biobank研究:大気汚染と肺機能、COPDの関連性

大気汚染とCOPDの関連性ってのは動脈硬化イベントとの関連より不明瞭


大気汚染により呼吸器死亡率リスク増大はあるが、肺機能および閉塞性肺疾患への影響エビデンスは確立していない。屋外大気汚染と肺機能・COPDへの影響は示唆されていてESCAPE projectでは住宅近くの道路のPM10やNO暴露と肺機能障害の関連性示唆
 ESCAPE: a multicentre cohort study and meta-analysis. European Respiratory Journal 2015: 45(1): 38-50.
メタアナリシス行われたが正の相関みられたが、大気汚染とCOPDでは有意相関示せていない。他の研究でも同様である。

 Air pollution exposure is associated with restrictive ventilatory patterns. European Respiratory Journal 2016: 48(4): 1221-1224.


この横断的研究の目的は、大気汚染が肺機能とCOPDに関連しているかどうかを英国の非常に大規模な研究を用いて調べること。第二に、大気汚染と肺機能およびCOPDとの間の関係の潜在的脆弱性因子検討


Air pollution, lung function and COPD: results from the population-based UK Biobank study
Dany Doiron, et al.
European Respiratory Journal 2019 54: 1802140;
DOI: 10.1183/13993003.02140-2018
https://erj.ersjournals.com/content/54/1/1802140

40〜69歳の303 887人の個人に関する完全な共変量データと有効な肺機能の測定値について、英国のバイオバンクのデータを使用。横断分析では、Land Use  Regression(LUR)モデルに基づく、粒子状物質推定値(50% cut-off aerodynamic diameter 2.5μm、10μm:PM2.5、PM10;2.5-10の粗い物質:PMcoarse)、二酸化窒素(NO2)、FEV1、FVC、FEV1/FVC、COPD(FEV1/FVC 正常下限)比
影響の修正は、性別、年齢、肥満、喫煙状態、世帯収入、喘息状態および以前COPDと関連していた職業について調査


各汚染物質の高暴露ほどより低い肺機能と有意に関連

PM2.5濃度の5 µg・m-3の増加は、より低いFEV1-83.13 mL、95%CI -92.50  -  -73.75 mL)およびFVC(-62.62 mL、95%CI -73.91--51.32 mL)と関連。

COPDの有病率は、高濃度のPM2.5(OR 1.52、95%CI 1.42〜1.62、5 µg・-3あたり)、PM10(OR 1.08、95%CI 1.00〜1.16、5 µg・-3ごと)およびNO 2
(OR 1.12、95%CI 1.10〜1.14、10 µg・-3あたり)と相関

ただしPMcoarseとは相関無し




男性、低所得世帯の個人、および「危険」な職業ではより強い肺機能関連が見られ、肥満、低所得および非喘息の参加者ではより高いCOPD関連が見られた。

この大規模研究では、周囲大気汚染は肺機能低下およびCOPD罹患率の増加と関連していた。



COPDと大気汚染に関する研究として、ESCAPE研究と今回のUK biobank studyなど存在する。NO2濃度はUK biobank studyの方が低いなど対象にばらつきがある

UK biomark研究ではPM2.5とNO2とFEV1とFVCの強い相関が男性で、女性ではPM2.5とCOPD有病率の相関性が見られ。性差で影響異なった。男性では職業的影響がより強くみられた可能性。女性の方が家庭内時間が多いためという考察。



discussionに書かれているが、喘息での影響も顕著
We also found that asthma status modified the associations between PM2.5 and NO2 and COPD prevalence, with significantly stronger associations in non-asthmatics. This may be related to treatment in asthmatics, modifying adverse impacts of air pollution or alternatively, avoidance in that asthmatics aware of impact of air pollution on symptoms may choose to live in less polluted areas.


2017年9月2日土曜日

特発性肺線維症自然史:大気汚染の影響

特発性肺線維症は病因不明で環境要素の関与が示唆されている。喫煙、金属・木材埃なども具体的に候補としてあげられている。一方、大気汚染は気道疾患一般にその関与が示唆され、喘息コントロール、肺機能の成長、COPD頻度、COPD急性増悪、呼吸器関連死亡率との関連など。
韓国の特発性肺線維症コホートからオゾン、NO2の急性増悪前6週間での関与が報告されている。フランスでの国内長軸前向きコホート検証報告



Role of atmospheric pollution on the natural history of idiopathic pulmonary fibrosis
Lucile Sesé , et al.
Sesé L, et al. Thorax 2017;0:1–6.
doi:10.1136/thoraxjnl-2017-209967



前向きコホート:French cohort COhorte FIbrose (COFI)

急性増悪(AEs)発症は、発症前6週間の平均オゾン濃度増加に関連 (HR 1.47 , 95%信頼区間:CI , 1.13 - 1.92 / 10 μg/m3) p=0.005



PM10、PM2.5の暴露累積レベルはWHO推奨値を34%、100%超過。

死亡率は有意にPM10/10μ/m3あたり HR=2.01, 95% CI 1.07 to 3.77、PM2.5/10μ/m3あたり HR=7.93, 95% CI 2.93 to 21.33 で増加

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2017年3月31日金曜日

PM10大気汚染:死亡率影響即日的〜老人影響大、女性影響大

pm10の死亡率への影響、中国大都市での異質性についても調査
2億人以上の統計、38都市 死亡総数35万のデータ





Particulate air pollution and mortality in 38 of China’s largest cities: time series analysis
BMJ 2017; 356 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j667 (Published 14 March 2017)
Cite this as: BMJ 2017;356:j667


同日のpm10濃度の変化量は、その日1日あたりの死亡数増加に関わる度合いは 0.44% (95% 信頼区間 0.30% to 0.58%)

前日、その前々日の lag pm10濃度では、1/3〜2/3へその影響程度減弱するも死亡率増加と相関

心血管疾患死亡へのPM10の影響は 10 μg/m3あたり 0.62% (0.43 〜 0.81%)で、他の疾患死亡率では0.26% (0.09% 〜 0.42%)

PM10暴露は男性より女性でインパクト大

60歳以上老人では 60歳未満の若年者より高濃度大気汚染での影響大

都市間で影響ばらつき、 PM10高濃度の場合ほど境界的ではあるが影響減少



今までの研究は西洋社会での報告が主、中国では PM10濃度 500μg/m3
を超える状況が頻繁
random effects meta-analysisを用い中国国内大気汚染粒子濃度の推定とその影響のheterogeneityを検討されたもの





2016年8月5日金曜日

大気汚染は肺癌患者の生存率に悪影響を与える

全原因・肺癌特異的死亡率とNO2、PM2.5、PM10の関連性を感度分析でも確認。




Air pollution affects lung cancer survival
Sandrah P Eckel,  et. al.
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207927


California Cancer Registry確認、カリフォルニアの352,053名の新規肺癌診断被検者 1988–2009
平均居住大気汚染濃度を被検者フォローアップ期間に応じて推定
大気汚染関連推定ハザード比(HRs)を全原因死亡率全部と以下層別化
・stage(localised only、regionalとdistant site)
・組織型(扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌、他)




診断時 localised stage の患者に於ける組織・寄与要素補正後、1SD増加毎HRs

  • NO2 1.30 (95% CI 1.28 to 1.32)
  • O3 1.04 (95% CI 1.02 to 1.05)
  • PM10 1.26 (95% CI 1.25 to 1.28)
  • PM2.5 1.38 (95% CI 1.35 to 1.41)

補正HRsはstage後になるほど小さくなり、stage内では組織型により変化する( p < 0.01 例外:O3)


相関関連性はNSCLCが高く、特に腺癌が高い。








常時、PM2.5 20μg/m3超えてる現状・・・

http://pm25.jp/p/40/




2016年1月25日月曜日

地上レベルオゾン慢性暴露:大規模前向き研究で全原因、心血管系、呼吸器系死亡リスク増加判明

対流圏オゾンは心血管疾患リスクや早死に関連する可能性があるが、オゾンの長期的疫学研究は乏しく、結論づけ困難。
長期大気オゾン暴露と全原因死亡・原因特異的死亡率を米国大規模成人コホートで検討


結論は、大規模前向き研究から、長期待機オゾン暴露は呼吸器系、循環器系死亡率リスクに関与

オゾンレベルが 10 ppb増える毎、糖尿病死亡リスク 16%増加、COPD死亡リスク 14%増加




Long-Term Ozone Exposure and Mortality in a Large Prospective Study
Michelle C Turner, et. al.
Am J Respir Crit Care Med. First published online 17 Dec 2015 as DOI: 10.1164/rccm.201508-1633OC
Read More: http://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201508-1633OC



対象:1982年登録の Cancer Prevention Study-II 被検 669,046名解析、内 237,201死亡 (2004年から)、Hierarchical Bayesian Space Time Modelから被検居住地域のオゾン濃度推定
方法:PM2.5、NO2 濃度推定は、land-use regressionから求める
Cox比例ハザード回帰モデルを個別・経済レベル共役要素補正後死亡率のため用いる

測定項目と結果
単一汚染物質モデルだと、オゾン、PM2.5、NO2と全原因・原因別死亡率で正相関認める

PM2.5補正2汚染物質モデルだと、オゾンと全原因死亡率 (HR per 10 ppb = 1.02, 95% CI 1.01-1.04)と、循環器系死亡率(HR = 1.03, 95% CI 1.01-1.05),、呼吸器系死亡率(HR = 1.12, 95% CI 1.08-1.16) の有意な正相関認める、NO2補正モデルでは変化無し

多汚染物質モデルで、PM2.5とNO2との死亡率正相関認める
呼吸器系疾患既往ない症例での呼吸器系死亡率との関連性が特に目立ち、呼吸器系疾患発症・急性増悪と関連する可能性が強く示唆される



CPS-II( American Cancer Society Cancer Prevention Study II )解析でも、オゾンと呼吸器系死亡率の関連性示されている
http://www.cancer.org/research/researchtopreventcancer/currentcancerpreventionstudies/cancer-prevention-study




15分程度の短期的閾値のみ記載
http://www.cdc.gov/niosh/pel88/10028-15.html


長期的影響を無視した基準となっているのでは?
 ↓
オゾン許容濃度・基準など

http://o3.kalmor.jp/technology/page7.html






交通大気汚染(NOx、PM10):1歳未満の暴露が16歳での肺機能低下に相関



Early-Life Exposure to Traffic-related Air Pollutin Jon and Lung Function in Adolescence
Erica S. Schultz, et. al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 193, No. 2 (2016), pp. 171-177.

生まれてから1年間の交通大気汚染暴露はその後16歳での一秒量に影響を与える
NOx濃度 10 μg/m3あたり -15.8 mL (95% 信頼区間 [CI], -33.6 to 2.0) 減少し、男児で特に著明 (−30.4 ml; 95% CI, −59.1 to −1.7)で、妊娠・新生児中の母体への喫煙に関連せず


それ以降の暴露での付加的ネガティブな影響は認めず


生まれて1歳以下での高暴露はFEV1、FVCにおけるLLN(z-score < -1.64 SD定義)未満オッズ比と相関:3.8 (95% CI, 1.3–10.9)、4.3 (95% CI, 1.2–15.0),

PM10の結果もNOxと同様


2016年1月2日土曜日

下気道in vivo研究: ディーゼル排気物は誘導性アレルギー性炎症促進

これはヒトのアレルギー性鼻炎での知見だが・・・
グルタチオン抱合酵素(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、GST)の遺伝子、Glutathione S-transferase (GSTs) theta 1 (GSTT1)は、アレルギーの原因物質であるアレルゲンの増強作用をの働きをディーゼル排出物質による増強作用の個人差と関連する
"The Lancet ,Volume 363, No. 9403, p119–125, 10 January 2004 "

下気道in vivo研究での検討。
ディーゼル排気物はアトピー患者患者でアレルゲン誘導性アレルギー性炎症を促進する



Diesel exhaust augments allergen-induced lower airway inflammation in allergic individuals: a controlled human exposure study
Chris Carlsten, et. al.
Thorax 2016;71:35-44 doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207399

序文 交通関連大気汚染は、アレルギーや気道疾患を促進する。しかし、ディーゼル排気物によるアレルギー作用促進はヒトの肺でのin vivo実験では不明、この明らかなsynergyの下部構造詳細は不明

目的 アトピー例において、ディーゼル排気物の2時間吸入によりセグメント化アレルゲン暴露による下気道炎症、免疫細胞活性化を促進するかを検証

方法 18 名のブラインド化アトピーのボランティアに、ランダム形式で、フィルター化空気、もしくは、ディーゼル排気物 300 µg PM2.5/m3 を暴露
1時間暴露、希釈対照セグメント化アレルゲン暴露を行い、2日後、暴露セグメントから得たサンプルをBALにて採取。サンプルを、アレルギー性炎症のマーカーあるいはmodifier(eosinophils, Th2 cytokines) とadaptive immune cell activationを分析
これらエンドポイントにおける序数コントラストによるMixed effects modelで、単一・組み合わせ暴露効果を検討

結果 ディーゼル排出物は、気道好酸球、IL-5、ECPのアレルゲン誘発的増加促進させ、、GSTT1 null genotypeは促進されたIL-5反応と有意に相関する。
ディーゼル排出物単独はまた非アレルギー性炎症のマーカーやmonocyte chemotactic protein (MCP)-1 を促進し、マクロファージ活性や骨髄樹状細胞を抑制する

結論 環境的問題となる濃度でのディーゼル排出物吸入は、アトピー体質の人の下気道でのアレルゲン誘導性アレルギー性炎症を促進し、GSTT1 genotypeはこの影響を促進する。
アレルギーの場合、ディーゼル排気物は気道への悪影響感受性が高い。


2015年4月30日木曜日

北京オリンピック開催中公害人為的減少にて胎児体重増加 ・・・ 大気汚染による成長抑制の傍証

北京オリンピック期間中だけ北京に青空が戻った


この期間が本来有るべき環境で、それにより回復した者は、妊娠期間中の胎児の成長


Differences in Birth Weight Associated with the 2008 Beijing Olympic Air Pollution Reduction: Results from a Natural Experiment
David Q. Rich, et. al.
Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1408795

2008年オリンピック中、8ヶ月の妊娠期間であった子供は、2007年から2009年同月に8ヶ月妊娠期間例であった子供と比較して、平均 23g(95%信頼区間:CI, 5g〜40g)大きい


妊娠8カ月期間中IQRは、それぞれ PM2.5 19.8 µg/m3 、 CO 0.3 ppm 、 SO2 1.8 ppb 、 NO2 13.6 ppb 
それぞれに対し、 18g (-32g, -3g)、 17g (95% CI: -28g, -6g)、 23g (95% CI: -36g, -10g)m 34g (95% CI: -70g, 3g) の体重減少


妊娠1−7ヶ月時では有意差認めない



中国の壮大な人体実験



2015年4月27日月曜日

PM2.5大気汚染により、住民の脳の萎縮を促進し、隠れ脳梗塞を増加させる

PM2.5は、じんわりと脳の加齢を促進、脳容積を減少させ、隠れ卒中を増加させる。


Long-Term Exposure to Fine Particulate Matter, Residential Proximity to Major Roads and Measures of Brain Structure
Elissa H. Wilker, et. al.
StrokeAHA.114.008348
Published online before print April 23, 2015,
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.008348

【背景・研究目的】 — 大気汚染長期暴露は、脳血管疾患と認知機能障害と関連するが、脳の構造変化と関連しているかは不明。居住大気汚染長期暴露とMRIを用いた脳加齢マーカーとの関連性を検討

【方法】 — Framingham Offspring Study 、60歳以上、第7回調査、認知症・卒中なしの対象者を検討。  PM2.5暴露と主要道路近接住民という暴露と、総脳容積、海馬容積、白質高密度容積: white matter hyperintensity volume (log-transformed and extensive white matter hyperintensity volume for age)とcovert brain infarct(隠れ脳梗塞)、社会経済的地位、temporal trendを検討

【結果】 — PM2.5 2-μg/m3 増加毎に総脳容積 0.32 (95%信頼区間;95%CI、 −0.59 〜 ー0.05) % 減少と相関、隠れ脳梗塞は1.46 (95%CI、 1.10 〜 1.94)オッズ増加
4分位比較での主要道路からの距離比較で、遠距離ほど、対数変換白質高密度容積は、0.10 (95%CI, 0.01 〜 0.19)大きいが、広汎白質比較では明らかなパターンは見られない。

【結論】— PM2.5高レベルほど、脳容積総量は小さく、加齢関連脳萎縮マーカーとかくれ脳梗塞オッズ高値と関連。

これらの所見で分かったことは、大気汚染は、構造的な脳加齢、そして認知症・卒中無しの人へもじんわり悪影響を与えることになること


2015年3月26日木曜日

NHSコホート:  PM2.5の暴露は高度不安障害と関連、近日暴露ほど影響大

不安とは、突然の恐怖・苦悩と、過覚醒(hyperarousal)の回避・身体的知覚のような行為障害と関連し、最も多い精神的障害である。生涯において16%、昨年だけでも人口の11%罹患。不安関連で最も多い環境問題は大気汚染。そして、粒子状物質は酸化ストレス・全身への炎症を惹起し、慢性疾患病態悪化と関与する。そういったことが関与して、粒子状物質が不安と関連するのではないかと、有名な米国コホートの一つNHSで検討。




米国看護師観察コホート研究(NHS)の分析

 PM2.5の暴露は高度不安障害症状と関連し、遠隔の暴露より、直近の暴露との関連性があきらか。

The relation between past exposure to fine particulate air pollution and prevalent anxiety: observational cohort study
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h1111 (Published 24 March 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h1111


検討女性 71271名、不安症状の評価した時 57歳から85歳、平均70歳、高度不安症状は15%


粒子状物質暴露を、不安症状評価に先行した1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、15年 推定平均暴露 PM2.5) と PM2.5-10、評価前2年のもっとも近い主要道路から居住地距離を評価。


例えば、1ヶ月前の PM2.5の平均が10μg/m3増加に対するオッズ比は、1.12;95%信頼区間:95%CI 1.06 〜 1.19、 12ヶ月前の平均PM2.5 では、 1.15; 95%CI 1.06 〜 1.26といったような、多種平均化期間検討で、高度PM2.5と不安症状に関わる有
意なオッズ比増加認める。



 NHSでの高度不安症状における、PM2.5のオッズ比(95%信頼区間l)で、期間別評価

多重暴露Windowを含むモデルでは、暴露短期平均評価は、長期平均評価より関連性がさらに明らかになる


PM2.5-10では、相関性なし


主要道路への居住距離も不安症状と量依存的な関連性認めず


大気汚染:CO、SO2、NO2などのガス状物質、PM2.5、PM10などの粒子状物質とも卒中入院・卒中死を増加させる

 大気汚染と卒中の短期影響のエビデンスレビュー

Short term exposure to air pollution and stroke: systematic review and meta-analysis
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h1295 (Published 24 March 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h1295


論文数 2748 から238をレビューし、結論の出せそうな103を深く読み込み、94をメタ推定として寄与する対象とした

28ヶ国、620万イベント

卒中入院、卒中による死亡率は、一酸化炭素  (相対リスク 1.015 per 1 ppm, 95% 信頼区間 1.004 to 1.026)、二酸化硫黄 (1.019 per 10 ppb, 1.011 to 1.027)、 二酸化窒素 (1.014 per 10 ppb, 1.009 to 1.019)濃度増加と相関。

 PM2.5 と PM10 濃度増加も入院及び死亡率と相関   (1.011 per 10 μg/m3 (1.011 to 1.012) 、 1.003 per 10 µg/m3 (1.002 to 1.004))



相関性かなり低いが、オゾン  (1.001 per 10 ppb, 1.000 to 1.002)でも相関。

最も強力な相関は、 PM2·5によるより地蔵的影響かにある暴露日で観察された。

 結論: ガス状・粒子状大気汚染物質ともに、卒中による入院・死亡に著明かつ短期的関連性がある。公衆衛生環境衛生施策により、卒中予防の観点からも大気汚染防止が必要。


中曽根時代から自民党タカ派が政権を握ると、環境施策撤トレンドが強くなる・・・。PM2.5はすべて中国様の仕業にしているが・・・果たして?

「たばこが健康への害となる証拠はない」と言い切る都議会議員のいる国では、たばこ中のPM問題なんて公衆衛生問題を真正面からとりくめるはずもない

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、舛添要一知事が昨夏に打ち出した受動喫煙対策の条例化構想が暗礁に乗り上げている。飲食業界や議会か ら反対の声が強く、知事の発言がトーンダウンし、条例化を見送る方向に傾きつつあるためだ。大会前に受動喫煙防止に関する罰則付きの法令を整備する近年の 五輪開催都市とは違う流れとなっている。
 「公共の場は禁煙が原則だ」「いや、たばこが健康に有害とはまだ証明されていない
2015/3/23 1:30 日経新聞


都議会議員の中に、公衆衛生や疫学そういったものの知識全くない奴が居るのは確か。そういう連中が福祉医療の政策を決めてるって・・・

2014年2月28日金曜日

【中国大迷惑】PM2.5は基準以下でも自然死超過死亡リスク増加をもたらす

中国に対し、謝罪と損害賠償請求するレベルだと思うのだけど・・・
PM2.5: 日本の環境基準(平成21年9月設定)1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下



ヨーロッパ22各国データ(357,251名)コホート・一般住民サンプル


Effects of long-term exposure to air pollution on natural-cause mortality: an analysis of 22 European cohorts within the multicentre ESCAPE project
The Lancet, Volume 383, Issue 9919, Pages 785 - 795, 1 March 2014

総数512万人年・370万名程度(平均フォローアップ期間、13.9年間)、29万名程度の自然死

この状況で、PM2.5の自然死への影響、5μg/m3 あたり 1.07 (95% CI, 1.02 〜 1.23)のハザード比

各個別コホートeffect推定間のheterogeneityは認めず(I2 p value=0·95)

PM2.5あたりのHRsは、ヨーロッパ年間平均値 25 μg/m3 の汚染濃度暴露、または 20 未満でも有意差 (HR 1.06, 95% CI 1.00—1.12、1.07, 1.01—1.13)

2014年1月24日金曜日

PM2.5/PM10と冠動脈性心疾患 :欧州許容濃度未満でも関連性

10万名住民11.5年間平均フォローアップ・European Study of Cohorts for Air Pollution Effects (ESCAPE)の11コホート(フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、イタリア)

PM長期暴露は、冠動脈イベント増加と相関し、その相関はヨーロッパ許容限界未満では認められる。
5157名のインシデント

推定年間平均PM2.5 5μg/m3増加毎、冠動脈イベント 13%増加 (ハザード比 1.13, 95% 信頼区間 0.98 to 1.30)
推定年間平均PM10 10 μg/m3増加毎、冠動脈イベント 12%増加  (1.12, 1.01 to 1.25)
コホート毎heterogeneityエビデンス認めず

現行年次ヨーロッパ許容値以下である 25μg/m3で、陽性相関 (1.18, 1.01 to 1.39, for 5 μg/m3 increase in PM2.5)、PM10 40 μg/m3でも同様(1.12, 1.00 to 1.27, for 10 μg/m3 increase in PM10)

陽性だが非有意相関性が他の大気汚染でも認められる


Long term exposure to ambient air pollution and incidence of acute coronary events: prospective cohort study and meta-analysis in 11 European cohorts from the ESCAPE Project
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7412 (Published 21 January 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:f7412

2013年10月18日金曜日

WHO/IARC:大気汚染・粒子状物質(PM)が、がんの主たる原因

大気汚染が、肺がんの主たる原因?

 IARC(国際がん研究機関:WHO外部組織) は、、大気汚染物質・Particulate matter:粒子状物質を、喫煙、紫外線、プルトニウムと同じカテゴリーの "Group 1 carcinogenic "に分類した。


大気汚染源は、車排気、発電所、農業・工業廃棄、住居暖房などから生じる。
WHOは各政府に強い区分アクションをとるよう述べている。

大気汚染は心臓・肺疾患の原因であるが、がんの原因としても知られ、大気汚染による肺がん死亡者は22万3千というのがデータからの情報。それは、中国他の東アジア国の半数以上を占め、急激な工業化が北京のようなスモッグだらけの状況を導いた。しかし、ヨーロッパでも大気汚染の関心が高まり、ブローバルな問題としてもふたたび認識されている。大気汚染ががん死亡の環境要素としてトップの原因。

IARC Scientific Publication No. 161
Air Pollution and Cancer
Editors: Kurt Straif, Aaron Cohen, and Jonathan Samet
http://www.iarc.fr/en/publications/books/sp161/index.php


ePub書籍ダウンロード






メディア報道

http://www.bbc.co.uk/news/health-24564446

http://live.wsj.com/video/lung-cancer-is-air-pollution-a-major-cause/895C4C9B-4FF8-4EB8-9A31-D4E1B0F05680.html#!895C4C9B-4FF8-4EB8-9A31-D4E1B0F05680

2013年7月10日水曜日

大気汚染と心不全の関連性 → 大気汚染予防で心不全入院・死亡減少、米国内だけで数十億ドル節約

大気汚染を減らすことで、米国内だけで、約8千名の心不全入院を減少させ、医療費を何億ドルも節約できる。

大気汚染行政の重要性が明らかに

Global association of air pollution and heart failure: a systematic review and meta-analysis
Anoop SV Shah, et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 10 July 2013

 大気汚染急性暴露は心筋梗塞と関連するが、心不全への影響は不明。
大気汚染と入院・心不全死亡率を含む急性非代償性心不全に関するシステマティック・レビューとメタアナリシス




5つのデータベースから(CO、二酸化硫黄、二酸化窒素、オゾン)、粒子(PM2.5、 PM10)大気汚染物質と、心不全入院と、心不全死亡率の関連性を検討

random-effects modelで大気汚染あたりの包括リスク推定




記事1146中、35の十分な検討クライテリア合致195をin-depth review


心不全入院・死亡は、CO増加  (3.52% / 1 ppm毎 ; 95% CI 2.52—4.54)、二酸化硫黄 (2.36% / 10 ppb; 1.35—3.38)、 二酸化窒素  (1.70% / 10 ppb; 1.25—2.16)と相関
だが、オゾン濃度と相関せず   (0·46% /10 ppb; −0·10 〜 1·02)


粒子状物質に関しては、心不全入院・死亡と相関   (PM2.5 2·12% / 10 μg/m3, 95% CI 1.42—2.82; PM10 1.63% / 10 μg/m3, 95% CI 1.20—2.07)


PM2.5持続的影響のある、暴露日において強力な相関が見られる


米国において、 PM2.5 平均的 3.9 μg/m3減少は、7978名の心不全入院回避可能で、年間3億ドル程度の節約になる

大気汚染と肺がん(肺腺癌)の関連性




 Air pollution and lung cancer incidence in 17 European cohorts: prospective analyses from the European Study of Cohorts for Air Pollution Effects (ESCAPE)
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 10 July 2013doi:10.1016/S1470-2045(13)70279-1


  European Study of Cohorts for Air Pollution Effects データを用いた解析で、大気汚染は肺がんの原因として疑われている問題の検討


312,944コホートメンバー(4,013,131 人年)
フォローアップ期間中(平均 12.8年間)、肺がん発症例 2095


メタアナリシスにより、肺がんとPM10のリスクに関する統計学的有意相関認めた   (hazard ratio [HR] 1.22 [95% CI 1.03—1.45] per 10 μg/m3)


PM2.5に関しては、HR 1.18 (0.96-1.46)/ 5μg/m3


PM10、PM2.5の同じ増加量で肺腺癌HRTは、 1.51(1.10-2.08)、1.55(1.05-2.29)

100m内4千台/日の交通量増加毎肺がんHRは 1.09(0.99-1.21)


肺がんとNO濃度 (HR 1.01 [0.95—1.07] / 20 μg/m3)の相関認めず、近隣交通密度 (HR 1.00 [0.97—1.04] / 5000 vehicles per day)との相関も認めず

2013年2月16日土曜日

北京大気汚染問題

北京オリンピックの時、海外医学ジャーナルのいくつかは、北京の環境汚染、特に、大気汚染に関していくつか警告を発している。

大気汚染:北京オリンピック 2008年 03月 11日

昨年も・・・
北京オリンピック前後・期間中:大気汚染規制で心血管疾患バイオマーカー改善 2012/05/16


今年になり、急に、日本のマスメディアが取り上げたのはなぜか? 日本からの指摘ではなく、北京での大気汚染週報報告後のこと


で、あらためて記載するのは・・・
China wakes up to the crisis of air pollution
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 25 January 2013doi:10.1016/S2213-2600(12)70065-6
この雑誌に記載を見つけたので、意訳・・・
On Scale of 0 to 500, Beijing’s Air Quality Tops ‘Crazy Bad’ at 755
http://www.nytimes.com/2013/01/13/science/earth/beijing-air-pollution-off-the-charts.html?_r=0
1990年早期には、 気道系疾患患者増大し、”北京咳”(Beijing cough)と呼ばれる事態になっている。

北京のアメリカ大使館は、2008年から独立して大気監視システムを走らせ、測定値を公表している。
https://twitter.com/BeijingAir


PM2.524時間平均値は、630μg/m3にも達し、肺や血液にも到達するほどのレベルとなっている。
WHOガイドラインではPM2.5 24時間平均値で25μg/m3を超してはいけないことになっている。

「PM2.5含有物は、直に、肺胞腔を通過する。かすんだ日は10-15%外来数が増加する」と呼吸器疾患クリニックの医師。WHOによると、中国では慢性気道疾患が死因の2位であり、1973年から2005年で4倍になっている。

庶民レベルでの関心は高まってるが、行政の方がトランスペアレンシーレベル保持した情報提示を行っているとはいえない中国の実情。
北京のオフィシャルの大気汚染関連公表測定値と、米国大使館との測定値の乖離が著名で、 「“inaccurate”, “irresponsible”, and “unlawful”」と米国大使館側は表明。

それでも、2013年から、496のモニタリングステーション、74都市でモニタリング開始。PM2.5やオゾンのリアルタイムな測定値公表。中国環境局の努力が見られれはじめ、遅ればせながらジーゼル燃料基準の導入を数年内に行うとのこと。

疫学的研究が全く不足しており、スモッグと呼吸器系疾患、心疾患、神経疾患、がんとの関連性に関しては基礎医学データを用いるしかない。そして、(中国)行政マンにこの問題がいかに重大かをわからせるしかないと・・・

(英国系雑誌のため、周辺国への迷惑の記載もなく、中国側に好意的におわり・・・;中国行政官は悪意なく無知なだけと思っているイギリス人って、まだ、中国の宗主国気分なんだなぁとあらためて思う)




浮遊粒子状物質、PM10、PM2.5 2013/02/09

2012年5月16日水曜日

北京オリンピック前後・期間中:大気汚染規制で心血管疾患バイオマーカー改善



北京オリンピックの時、大気汚染が話題となっていた。
 大気汚染:北京オリンピック 2008年 03月 11日

北京オリンピック:アスリートだけでなく観客も危険 心血管疾患 2008年 07月 22日

その後、話題に上ってなかったが、期間前後検討され、積極的大気汚染制限により、心血管疾患バイオマーカー改善効果がみられた。


Association Between Changes in Air Pollution Levels During the Beijing Olympics and Biomarkers of Inflammation and Thrombosis in Healthy Young Adults
JAMA May 16, 2012, Vol 307, No. 19


北京オリンピック期間中、大気汚染物質排出制限の準実験計画の機会がもたらされた
大気汚染連日データと125名の若年成人アウトカムをオリンピック前、期間中、後で調査(6月2日~10月30日)

線形mixed-effects modelでオリンピック期間中のアウトカムレベル改善にて、アウトカムレベルの変化が大気汚染濃度変化と関連しているかを決定することで、大気汚染コントロールでアウトカム可逆性可能性を検討。

主要アウトカム:CRP、フィブリノーゲン、von Willebrand factor(vWF)、sCD40L、sCD62P濃度、WBC、心拍、血圧



結果:粒子・ガス状大気汚染物質はオリンピック前から期間中、-13%~-60&減少
0.003レベルの両側検定で、統計学的に有意改善
・ sCD62P 濃度: −34.0% (95% CI, −38.4% to −29.2%; P < .001) :平均 6.29 ng/mL → 4.16 ng/mL
・ vWF: −13.1% (95% CI, −18.6% to −7.5%; P < .001):平均  106.4% → 92.6%

多変量補正後、他のアウトカム変化では統計学的有意差を認めなかった。


オリンピック期間後大気汚染濃度増加したが、多くのアウトカムは、ほぼ、オリンピック前の値となる。しかし、sCD62Pと収縮期血圧は有意にオリンピック期間から悪化。

CRPの上限値区画比率(0.3mg/L以上比率)は、オリンピック前から55%からオリンピック期間中46%へ減少し、オリンピック後36%へさらに減少。
大気汚染濃度中間4分位はフィブリノーゲン、vWF、心拍、sCD62P、sCD40L濃度増加と一貫して統計学的有意相関。

結論:北京オリンピック期間中の大気汚染濃度の変化は、炎症・血栓バイオマーカー、および、心血管生理学的測定値の急性的変化をもたらす。
これらの所見の臨床的意義は今のところ不明。

2012年2月14日火曜日

大気汚染:高齢者女性の認知機能低下と関連し年時推移に相当、卒中急性リスクとも関連

環境省:大気環境モニタリング実施結果
http://www.env.go.jp/air/osen/monitoring.html


以上をみると、PM値はさほど問題となるところは少ないようだ。
だが、設置場所が適切かどうかも問題だろう。


公衆衛生上重要な、大気汚染について2つの報告



Exposure to Particulate Air Pollution and Cognitive Decline in Older Women
Jennifer Weuve, MPH, ScD; Robin C. Puett, MPH, PhD; Joel Schwartz, PhD; Jeff D. Yanosky, MS, ScD; Francine Laden, MS, ScD; Francine Grodstein, ScD

Arch Intern Med. 2012;172(3):219-227. doi:10.1001/archinternmed.2011.683


長期PM2.5-10とPM2.5暴露は高齢者の認知機能悪化と関連



Nurses' Health Study Cognitive Cohortでの検討

PM2.5-10とPM2.5 10μg/m3増加毎、 認知機能の2年間減衰 0.020 (95% CI, –0.032 to –0.008)悪化
PM2.510μg/m3増加毎、0.018 (95% CI, –0.035 to –0.002)悪化

認知推移差は、2歳離れた年齢の差と同様で、則ち、 10-μg/m3 増加毎長期暴露影響は、約2歳差の加齢効果と同等。





2012年2月6日月曜日

中学・高校生の間接喫煙:自動車内で5分の1が被害を受けている

間接喫煙:secondhand smoke(SHS)は非喫煙者にとっては喫煙者から健康リスクを一方的に強いられるものである。 若年者にとって、自宅が、SHSの源だが、非パブリックな場所、特に、車の中でのSHSについてはあまり知られてなかった。


2000から2009年、米国中学・高校生徒において
非喫煙者では車内のSHSは有意に減少(39.0%-22.8%; trend P< .001)
喫煙者でも減少 (82.3%–75.3%; trend P < .001)
非喫煙者において、全学校、男女とも、人種・民族サブグループ横断的に見られる。


減少傾向にあるものの、まだ、1/5の中学・高校生・非喫煙者が車内で、SHSを受けている。

Secondhand Smoke Exposure in Cars Among Middle and High School Students—United States, 2000–2009 
Brian A. King, Shanta R. Dube, and Michael A. Tynan
Pediatrics peds.2011-2307; Published online February 6, 2012 (10.1542/peds.2011-2307)





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