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2018年12月5日水曜日

チェックポイント阻害剤でも潜在性結核感染対応すべき?


オプジーボ、キイトルーダなどチェックポイント阻害剤に潜在性結核感染対応必要か?



Implications of tuberculosis reactivation after immune checkpoint inhibition
Paul T Elkington , et al.

AJRCCM Articles in Press. Published on 24-August-2018 as 10.1164/rccm.201807-1250LE
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201807-1250LE


PD-1はPD-L1、PD-L2のリガンド結合する細胞表面マーカーで、免疫トレランスを維持する機能。腫瘍の免疫寛容を解消し悪性疾患免疫を介するコントロールを可能にする治療に阻害剤が用いられる。本来なら抗PD-1療法で結核への宿主コントロールを改善と考察されていた
メカニズム的には免疫チェックポイントシグナル化は、結核肉芽腫内で免疫ホメオスタシスを保持、過剰の炎症を抑制し、破壊や空洞を抑制するはず。


原文だが
A rapid T cell-driven immune activation could lead to greater recruitment of permissive monocytes or neutrophils to TB granulomas, which are thought to be deleterious in TB (1). Alternatively, this augmented immunity may result in increased cytotoxicity or matrix-metalloproteinase-driven extracellular matrix destruction, which favours Mtb growth and leads to transmission of infection (4).
急速なT細胞駆動免疫活性化が、結核肉芽腫へ単球好中球が歯止めがかかってた状態から急激に移行し、結核の進行を生じさせると考えられる。この免疫反応促進は細胞毒性、メタロプロテイネース駆動細胞外基質破壊を生じ、結核菌増殖となり、感染性を増すこととなる

ということで、異端の提言となっている。

2018年6月18日月曜日

システマティック・レビュー : 潜在性結核感染:リファペンチン+イソニアジドレジメン 

潜在性結核感染に対する 3 ヵ月のリファペンチン+イソニアジド投与
Trials Consortium PREVENT TB Study Team
3 ヵ月のリファペンチン+イソニアジド投与は,結核予防については 9 ヵ月のイソニアジド単独投与と同程度に有効であり,治療完遂率はより高かった.長期間の安全性モニタリングが重要となる.
N Engl J Med 2011; 365:2155-2166




http://www.jata.or.jp/terminology/k_11_2.html
間欠療法
[intermittent treatment]
間欠療法は毎日薬剤を服用する代わりに、週2回、または週3回服用する方法を指している。間欠療法が可能な理由は、結核菌は一定濃度以上の抗結核薬に一定期間以上暴露されると、一定期間再増殖出来ないためである。現在、維持期間のみ間欠に投与する方法と最初から間欠で投与する方法がある。リファンピシンよりも半減期の長いリファペンチンを用いた維持期週1回療法も軽症の結核には使用されている。

※この用語解説は結核研究所ホームページ委員会が編集したものであり、日本結核病学会用語委員会により作成されたものではありません。



Isoniazid-Rifapentine for Latent Tuberculosis Infection: A Systematic Review and Meta-analysis
AJPM https://www.ajpmonline.org/article/S0749-3797(18)31737-9/
DOI: https://doi.org/10.1016/j.amepre.2018.04.030



Evidence synthesis
15の単独研究検討、3ヶ月リファペンチン+イソニアジド治療は他の潜在性結核感染レジメンと同等の有効性 (OR=0.89, 95% CI=0.46, 1.70)、治療完遂率高く(87.5%, 95% CI=83.2%, 91.3%)、他のレジメン:  65.9%, 95% CI=53.5%, 77.3%)
3ヶ月リファペンチン+イソニアジド治療は副作用イベントに関して同等リスク (r相対リスク=0.59, 95% CI=0.23, 1.52);副作用イベント中止率 (相対リスク=0.48, 95% CI=0.17, 1.34)、死亡(相対リスク=0.79, 95% CI=0.56, 1.11).


結論
3ヶ月リファペンチン・イソニアジドレジメンは、他潜在性結核感染治療レジメンに比較し安全で有効 で、治療完遂高率高い






上記薬剤リファペンチンは日本でまだ承認されてないようだが・・・

( 6 )治療完了の見込み
LTBIは自覚症状,身体所見がないために患者は一般に病識をもちにくく,治療の脱落・中断が起こりがちである。明らかに中断となる可能性が高い者(例えば,海外の渡航先でLTBI治療プログラムがないなど)に対して治療を強行して発症した場合には耐性を獲得する懸念もあることから,慎重な対応が必要である。このような中断リスクの高い患者に対しては,近年報告されたINH+リファペンチンを週 1 回 3 カ月=合計12回の投与をDOT(服薬支援者の目前で服薬)で治療する方法は有用と考えられる。今後わが国でもリファペンチンの承認も含めて検討の必要がある。
https://www.kekkaku.gr.jp/pub/Vol.88(2013)/Vol88_No5/Vol88No5P497-512.pdf

・・・このように書かれてるのに、認可されてない。システマティック・レビューが認可後押しになるか?





最近と言っても4年前認可の薬剤
「デルティバ®」 日本初の多剤耐性肺結核の適応で承認取得
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00063088.pdf


デルティバ錠50mg 薬価 6119.10  1回100mgを1日2回、 2万4千円超

・・・ちょっと高額すぎないか?

2016年9月7日水曜日

米国予防医学専門委員会:潜在性結核感染スクリーニング

日本では・・・
http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/201306.pdf



米国は「結核撲滅」成功国であり下記ステートメントは一般住民対象となるのかもしれない。一方日本では、BRMsや抗がん剤など使用時問題になることが多く、他の分野のステートメントと異なりそのまんま採用というわけにもいかないのだろう
参考:http://www.bdj.co.jp/micro/articles/tb/1f3pro00000rog4x.html


例えば、「関節リウマチ」患者に、TST/IGRA年次検査推奨している報告もある





Screening Optimization of Latent Tuberculosis Infection in Rheumatoid Arthritis Patients
Arthritis. 2015; 2015: 569620. 
Published online 2015 Jul 29. doi:  10.1155/2015/569620









US Preventive Services Task Force | September 6, 2016
RECOMMENDATION STATEMENT

Screening for Latent Tuberculosis Infection in Adults
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement
JAMA. 2016;316(9):962-969. doi:10.1001/jama.2016.11046.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2547762


「結核菌は空気感染でひろがり、結核菌排除されるか、活動性病変(一次病変)を形成するか。感染性となる場合と、無症状/非感染性の場合にわかれる。潜在性結核感染(LTBI)の場合は、後に再活動化し、活動性結核病変を形成する。活動性結核菌感染暴露の約30%が潜在性結核感染と成り、ツベルクリン陽性の5〜10%のあ人がLTBI再活性化、活動性結核となる」



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潜在性結核感染高リスク対象者

  • 結核高感染リスク国生まれあるいは居住既往
  • 高リスク密集地域(例;ホームレスや矯正施設)生まれ・居住継続
米国内で地理的地域ばらつき有り、臨床家はそれら地域・州の専門部署により地域の健康情報について詳しい情報を求めることができる

Mantoux ツベルクリン検査とIGRA;共に感度中等度、特異度高度


治療は




日本では、INH:6ヶ月から9ヶ月という曖昧な表現だったと思うが、9ヶ月治療はHIV、2-11歳、妊娠女性により適応とされている
(慎重なのだろう・・・担当医がやたらと9ヶ月に伸ばしたがることがある・・・)

2016年2月26日金曜日

薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加

平成27年8月24日レボフロキサシン:LVFX(クラビットR)について、「肺結核及びその他の結核症」に対する薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加


「結核医療の基準」の一部改正について
http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/02/27chi3_225.pdf




この段階では(案)だったがそのままなのでわかりやすい

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000098520.pdf







結核へのLVFX使用には偏りがあり、INHやRFPの減感作試みようともせず、すぐにLVFX使用する医師・施設が目立つ。今回の通達でさらに偏りが悪化するかもしれない。

肝障害対応時処置の徹底もすべきだと思う

http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/200501.pdf





2016年2月22日月曜日

結核治療:新しいターゲット?

Crystal structure of Mycobacterium tuberculosis ketol-acid reductoisomerase at 1.0 Å resolution – a potential target for anti-tuberculosis drug discovery
You Lv,et. al.
The FEBS Journal
First published: 18 February 2016Full publication history
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/febs.13672/abstract


よく分からないので、解説記事から・・
http://medicalxpress.com/news/2016-02-discovery-treatment-strategy-tuberculosis.html
結核菌生存に関わるクリティカルな酵素である、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ketol-acid reductoisomerase (KARI)の3次元構造明らかになり、新薬ターゲットとなりえるかも・・・という話



KARIは、バリン・ロイシン・イソロイシン形成するクリティカルな代謝経路に関わる酵素
この酵素は除草剤レベルでは成功しているとのこと・・・

血液で結核診断・治療指標:Genome-wide遺伝子セット (GBP5, DUSP3, KLF2): Khatri blood test

 Khatri blood test


Genome-wide expression for diagnosis of pulmonary tuberculosis: a multicohort analysis
Timothy E Sweeney,  et. al.
The Lancet Respiratory Medicine, Published Online: 19 February 2016  


10ヶ国、2572のサンプル、14データベース解析
3つのデータセット(n=1023)にて3つの遺伝子セット (GBP5, DUSP3, KLF2) で活動性結核診断価値高い

10ヶ国小児成人8独立データベースにて、健康対照比較、ROC(AUC) 0.90 [95% CI 0.85–0.95])、遷延結核 (0.88 [0.84–0.92])、他疾患 (0.84 [0.80–0.95])

three-gene set発現では、HIV感染、薬物耐性、BCGワクチンにより影響されず


4追加コホートにおいて、結核スコアは活動性結核治療後減少



解説:http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/Tuberculosis/56304

2015年6月23日火曜日

抗リウマチ剤と結核・非結核性抗酸菌症

生物学的製剤と呼吸器疾患 診療の手引き
http://fa.jrs.or.jp/guidelines/guidance_respiratory-disease.pdf


p59あたりにNTM症が記載されている。MAC症に関して積極的に治療すべしという印象を受けたが、検討数が少なく、菌種毎の検討ではさらに解析途上といったところだろう。






以下は、オンタリオ州、67歳以上の関節リウマチ患者住民ベースのNested Case-controlled研究

Increased risk of mycobacterial infections associated with anti-rheumatic medications
Sarah K Brode , et. al.
Thorax 2015;70:677-682 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206470

5万6千269名高齢RA患者のうち、結核発症 37例、 NTM症 211例、 各々の対照は10

結核、NTM症では共に抗TNF製剤でその尤度高い(未使用比較);
adjusted ORs (95% CIs)   5.04 (1.27 to 20.0) 、 2.19 (1.10 to 4.37)


免疫抑制作用強力な、アラバ(レフルノミド)や他の抗リウマチ剤でもTB、NTM症との関連高い
一方、経口ステロイドやヒドロキシクロロキン(現時点では日本未承認)は、NTM症と関連性が高い


NTM症を結核症とともに調査している。やはり共にBio製剤でのリスク増加は確か。しかし、若干薬剤により影響差もありそう


NTM診断治療意思決定にはスキルが必要という実感があるが、

2014年10月31日金曜日

MAC症治療中期間中M. abscessus 類検出の意味

M. abscessus sspによる肺の破壊進行急激で、かなり濃厚な抗生剤投与が必要




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m. abscessusは、MACやKansassii後の3番目に多いNTMの病原菌
Rapidly Growing Mycobacteria(RGM)呼吸器疾患分離菌の80%ほど
肺、皮膚、軟部組織、全身播種感染をきたす。
ヒトでは緩徐進行性で、致死率15%程度。
白人、女性非喫煙者、60歳超、肺疾患素因なし
ただ、MACに引き続きM.abscessusが生じるとき、肺機能減少が特に著明



cf.
RGM: M. chelorae, M. abscessus, M. fortugum
Slow growing mycobacteria: MAC, M. kansasii, Mtb
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ということで、MAC治療中M. Abscessus分離の意味づけが検討された



 The significance of M. abscessus ssp abscessus isolation during Mycobacterium avium complex (MAC) lung disease therapy
David E. Griffith, M, et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-1297

背景:  Isolation of Mycobacterium abscessus subsp abscessus (MAA)の同定は、MAC症肺疾患罹病中頻度が多いが、臨床的重要性の情報は少ない。


方法:  MAC症治療中、53/180(29%)でMAA同定
患者をMAAA肺疾患なしGroup 1)、あり(Group 2)に区分


結果:  MAA同定の有無、すなわちGroup1、Group2 間で、有意な住民統計的差はない。

また、総喀痰量(p = 0.7; CI: -13.4 to 8.6) やフォローアップ期間 (p = 0.8; CI: -21.5 to 16.1)に有意差認めない

Group2すなわち、MAA同定群ではMAA培養陽性多く( 15.0 ± 11.1 vs 1.2 ± 0.4 (p < 0.0001; CI: -17.7 to -9.9)、空洞形成・空洞増加病変発症が多い (p > 0.0001)、そして、非結核性抗酸菌診断ATSクライテリア3つを示すことが多い(21/21 (100%) vs 0/32 (0%) (p < 0.0001)

Group1はGroup2より有意に1回だけのMAA陽性培養が多い (25/31 vs 0/21 (p < 0.0001))

結論:  MAC肺疾患治療完遂後微生物学的臨床的フォローアップによりMAC肺疾患治療期間中MAAを検出する努力が必要である。また、単独・単回MAA道程は臨床的意義少ない。





2014年8月12日火曜日

潜在性結核感染症治療:リファマイシン系薬剤を含むレジメンが、INH単独より短期間でよりポテンシャルあり

新しい治療レジメンとして、リファマイシンを含む3ヶ月以上治療は、INH単独よりポテンシャルが望め、活動性結核予防に有効。


Treatment of Latent Tuberculosis Infection: A Network Meta-analysis
Helen R. Stagg,et.al.
Ann Intern Med. Published online 12 August 2014 doi:10.7326/M14-1019







取り上げられた、リファマイシン系薬剤

  • RFB:リファブチン
  • RMP:リファンピシン
  • RPT:リファペンチン



信頼区間よく見ると、リファンピシンとINHのみ有用性確認されてるだけのようだ・・・

RFBやRATはあくまでもRFP代替の地位

2014年8月8日金曜日

小児BCGワクチン:IGRA評価によるワクチン有効性確認 ・・・ 発症予防効果はより高い

(小児では、インターフェロンγ遊離分析(IGRA)を用いるのって、評価困難だと思ってた)


数々の有効性トライアルで、BCGワクチンの小児重症例への有効性60-80%とされ、特に髄膜炎への有効性が示されていた。地理的なばらつきが疾患既往のためよく分からずばらつきがあった。IGRAを用いたことで、BCGと肺結核感染を他の感染症を除外しつつ判定できることで、その効果を明瞭にできたところが大きい。



Effect of BCG vaccination against Mycobacterium tuberculosis infection in children: systematic review and meta-analysis
 BMJ 2014; 349
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g4643 (Published 05 August 2014) Cite this as: BMJ 2014;349:g4643

1950年から2013年の電子データベースによる参照リストから、14研究、 3855名の被験者

包括的リスク比 0.81(95%信頼区間, CI; 0.71 - 0.92) 、 小児へのワクチン予防効果は19%

2種のインターフェロンγ遊離分析(IGRA)、ELISpot、QuantiFERONの評価でも同様。

活動性結核発症情報有りの6つの研究(n=1745)に限定すると、感染予防効果は 27%(リスク比 0.73 , 0.61 - 0.87)、 活動性結核症への効果は 71% (0.29, 0.15 - 0.58)

感染者間で疾患発症予防効果は、58%(0.42 , 0.23 - 0.77)






IGRAによる評価による、BCG接種・結核予防効果





2014年1月29日水曜日

肺MAC症:マクロライド・アゾリド系長期治療の耐性問題なく微生物学的効果あり、しかし、再感染多い

日本の肺MAC症ガイドライン:肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2012年改訂

ATS:非定型抗酸菌群


今思うに、HTLV-1関連肺疾患という中に、どれほどの、NTMDが存在してたのだろう。感染確率の多い地域でのNTMDをすべてこの疾患としている医師の一群がいたのではNTMDと、気管支拡張との関係、とくに気管支拡張性MAC症と、びまん性汎細気管支炎との関連性の記載はしっかりなされてるのだろうか?そういう思いをしながら診療をしている。


マクロライド系長期使用に関しては、びまん性汎細気管支炎症例でさえ無知の医師・薬剤師・保険者により邪魔されながら使用している。MAC症においても同様でガイドライン上のクラリスロマイシン600mgから800mg使用するとほぼ疑義照会がなされる。まぁセーフティーネットが効いてるといえるのだからそれは良いのだが、納得しないアホが時々・・。

MAC症やNTMDは、さほど珍しい疾患では無い。「肺が汚い」とか「拡張症」などと言われたり、肺がん検診でみつかることも多くなっている。遺伝子診断進化しており、診断機会が多くなってきている。だが、治療はというと・・・


Macrolide/Azalide Therapy for Nodular/Bronchiectatic: Mycobacterium avium Complex Lung Disease
Richard J. Wallace,  et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2538 


背景:  MAC肺疾患に関する現行治療ガイドラインが適切か否かの評価のための大規模研究はない。結節性/気管支拡張性(NB)MAC肺疾患へのマクロライド/azalide系を含むレジメン評価後顧的単施設レビュー

方法:  微生物の反応評価を行う現代のガイドラインに従い治療
MAC分離株へのマクロライド感受性を、治療開始時、治療6-12ヶ月後、初回微生物学的再発時評価する。微生物学的再発分離株をオリジナルな菌株と比較してgenotypingを行う。

結果:  180名をマクロライド/azalide系 12ヶ月超治療施行。喀痰培養陰性への喀痰治療効果 86%(154/180名)。
クラリスロマイシン、アジスロマイシン間に反応の差認めず
連日治療で、間欠治療より、治療レジメン修正が多い(daily 24/30 (80%) vs intermittent 2/180 (1%) therapy (p = 0.0001)
治療期間中マクロライド抵抗性発生は無い
治療中微生物学的再発は14%、 MAC再感染 73%、真の再発 27%(p = 0.03)
包括的には、治療成功、すなわち、喀痰conversion(真の微生物学的再発無し)は、84%。微生物学的再発は治療完遂後74/155(48%)。再感染分離株は75%、真の再発は25%。


結論:  非結核性MAC肺疾患に対するマクロライド系・アゾリド系治現行療ガイドラインは、多くの患者では、微生物学的アウトカム良好な結果で、しかも、マクロライド抵抗性促進は認めない。間欠治療が連日治療より、より有効で、耐用性良好という有意な結果。
治療期間中・治療後微生物学的再発は多く、多くは真の再発で歯内が、MAC genetype群の別の再感染が多い。

2013年7月29日月曜日

FDA認可:喀痰中ヒト結核菌検出・リファンピシン抵抗性同時検出迅速検査:Cepheid(Xpert MTB/RIF)

 米国FDAが、結核診断と薬剤抵抗性検査の組み合わせ Cepheid(Xpert MTB/RIF)を認可


ヒト肺結核菌とリファンピシン抵抗性遺伝子マーカー同時検出検査
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm362602.htm

2時間の検査で、喀痰中のヒト肺結核菌の存在とリファンピシン抵抗性判明する検査
FDA de novo 510(k) processで認可された検査

http://www.prnewswire.com/news-releases/cepheid-receives-fda-market-authorization-for-xpert-mtbrif-216996721.html

 【論文】
 Boehme, C. C., et al. (2011). "Feasibility, diagnostic accuracy, and effectiveness of decentralised use of the Xpert MTB/RIF test for diagnosis of tuberculosis and multidrug resistance: a multicentre implementation study." Lancet 377(97 76): 1495-1505

 http://www.cepheidinternational.com/tests-and-reagents/ce-ivd-test/xpert-mtbrif


検査トレーニングビデオ

2013年4月8日月曜日

COPD:吸入ステロイドは結核発症リスク増加をもたらす

経口ステロイドと抗TNF-αは結核リスク増加するが、吸入ステロイドのリスクに関しては知識に乏しい、後顧的コホート研究(2000年1月1日から2005年12月31日)





Inhaled Corticosteroid Is Associated With an Increased Risk of TB in Patients With COPD
Jung-Hyun Kim, et. al.
Chest. 2013; 143(4):1018-1024. doi:10.1378/chest.12-1225


結核発症20名
Kaplan-Meier推定にて、結核のレントゲン的後遺症所見を有する場合の、ICSユーザー間の結核発症リスク増加 (p < 0.001)
多変量Cox回帰にて、ICS使用は、胸部レントゲン正常患者でも、独立した肺結核発症のリスク要素 ( ハザード比, 9.079; 95% CI, 1.012-81.431; P = .049)
結核既往レントゲン後遺症を有する場合も同様  (は, 24.946; 95% CI, 3.090-201.365; P = .003).




2013年3月8日金曜日

リファペンチン・モキシフロキサシンを利用した新しい結核レジメン:週1回レジメンも・・・

結核に関して、2HRZE/4HR(すなわち、2ヶ月のPZA+EB+RFP+INH → 残り4ヶ月はRFP+INH)というのが標準レジメンだが、
rifapentineとmoxifloxacinを利用して、
4ヶ月レジメン(2MRZE/2M・Riffapentin900)
6ヶ月・週1回レジメン(2MRZE/4weeklyM・Riffapentin1200)の比較

"A multicentre randomized clinical trial to evaluate high-dose rifapentine with a quinolone for treatment of pulmonary TB: the RIFAQUIN trial"
Jindani A, et al
CROI 2013; Abstract 148LB.
http://www.retroconference.org/2013b/Abstracts/48012.htm

Rifaquin
http://www.brti.co.zw/index.php?option=com_content&view=article&id=38&Itemid=59

週1回治療を特徴とした新しい結核治療レジメンの臨床トライアル、アドヒアランスと治癒率にかなりのインパクトを認めたとのこと


対照:2 months daily ethambutol, isoniazid, rifampicin, and pyrazinamide followed by 4 months daily isoniazid and rifampicin;

4ヶ月 regimen:isoniazid replaced by moxifloxacin in the 2-month intensive phase and 2 months of 2-weekly moxifloxacin and 900 mg rifapentine

6ヶ月 regimen—isoniazid replaced by moxifloxacin in the intensive phase and 4 months of 1-weekly moxifloxacin and 1200 mg rifapentine
2008年8月から2011年8月まで、南アフリカ(464)、ザンビア(292)、ボツワナ(56)、ザンビア(15)の827名
HIV+ 233(28%) /CD4カウント中央値 312/mm3
男性 509 (62%) 、体重中央値 53 kg
初期薬剤抵抗性 39(5%)を有効性解析から除外

4ヶ月レジメンと対照治療群との不良アウトカム差は、ITT 11.9%(95% 信頼区間 [CI] 3.7%, 20.0%) 、PP 13.2%(95%CI 6.4%, 20.0%)

6ヶ月レジメンと対照治療群との差は、 ITT  –2.0% (95%CI –8.9%, 4.9%) 、 PP–1.5% (95%CI –5.7%, 2.8%)

39名(対照 13、研究群 11、15)で 副事象 grade 3、4 46回
6イベントは肝炎

rifapentineは、moxifloxacinのクリアランスを8%増加するも、moxifloxacinの有意変化認めず

2012年12月29日土曜日

多剤耐性結核:バイオチップ迅速検査 感度は今一つだが、特異度が高い

 リファンピシンの感度も、まぁ合格レベルという結論らしいが・・・


Evaluation of Biochip System in Determining Isoniazid and Rifampicin Resistances of Mycobacterium Tuberculosis in Sputum Samples
 Lu W, Chen C,  et al.
PLoS ONE 7(12): e52953. doi:10.1371/journal.pone.0052953

polymerase chain reaction (PCR) などの技術で、多剤耐性結核迅速同定可能となってきた。rpoB と katG geneの変異、inhA遺伝子のpromoter regionの変異を同定する、biochip systemの臨床応用の中国での研究

2つの方法での一致率比較
リファンピシン 93.37%、イソニアジド 94.49%

biochipの感度・特異度
イソニアジド 74.31%、96.92%
リファンピシン 79.76%、96.53%

多剤耐性同定に関して、感度 64.62%、特異度97.7%

2012年12月6日木曜日

MAC: intracellulareがaviumより重症・予後不良


非結核性抗酸菌症(NTMD)の種類である、MAC complexは、Mycobacterium avium と Mycobacterium intracellulare の組み合わせ



この2つを分けられるようになって、病態の違いが次第に分かるようになった。

Mintracellulareのほうがより重症で、予後不良。予後、治療上の相違がある。

Clinical Significance of the Differentiation Between Mycobacterium avium and Mycobacterium intracellulare in M avium Complex Lung Disease
Won-Jung Koh, et. al.
CHEST. 2012;142(6):1482-1488. doi:10.1378/chest.12-0494

M avium呼吸器疾患に比べ、M intracellulare肺疾患は以下の特徴が有る
・高齢 (64 vs 59 years, P = .002)
・より BMI (19.5 kg/m2 vs 20.6 kg/m2, P < .001)
・咳嗽のような呼吸器症状  (84% vs 74%, P = .005)
・結核治療の既往歴  (51% vs 31%, P < .001)
・疾患の線維性空洞病変 (26% vs 13%, P < .001)
・塗抹陽性喀痰 (56% vs 38%, P < .001)
・24ヶ月間抗生剤治療 (58% vs 42%, P < .001)
・抗生剤併用療法後の治療反応不良 (56% vs 74%, P = .001)


米国では、NTMは、MAC>(結核)>Xenopi>RGM>Kansasiiの症例頻度

結核は治癒率が高いから、prevalenceが相対的に低くなる


非結核性抗酸菌症治療に関して、米国での基本的な骨子は“CAM. EB. RFP+アミノグリコシド系薬”であり、日本の抗結核治療延長上のRFP+EB/INH24ヶ月レジメンとは随分異なり、より積極的である。
・週3回の間欠投与法が副作用軽減や高齢者治療のためには有効な方法として推奨されている

・比較的軽症であるNodular/Bronchiectatic typeに対する初回治療としてCAM1.000 mg. またはazithromycin(AZM) 500 -600 mgとEB25 mg/kgとRFP600 mgのすべてを週3回服用.

・より重症な空洞型に対してはCAM500 - 1.000 mgまたはAZM250 -300 mg. EB 15 mg/kg. RFP 450 ~ 600 mgを毎日

場合によりアミノグリコシド系薬追加,さらに重症あるいは再治療の場合はRFPに替えRBTとアミノグリコシド系誕の併用を推奨


一般的にはマクロライド系薬を含むレジメンで3-6 ヵ月で、|臨床症状は改善し12ヵ月以内で菌陰性化は達成するであろうとしている
高齢化に伴い、NTMD治療必要と思われる症例増加してきており、日本でも、より積極的なレジメンが使える環境が望ましいのだが、つい最近まで、保険適応として曖昧なまま放置されていたNTMD・・・日本の医療ってほんとまだまだ・・・

医療従事者結核菌暴露後評価:QFTなど変動激しく信頼性乏しい

Monthly Follow-ups of Interferon-γ Release Assays Among Health-care Workers in Contact With Patients With TB

CHEST. 2012;142(6):1461-1468. doi:10.1378/chest.11-3299
背景:  Interferon-γ (IFN-γ) release assays (IGRAs)、最近の結核感染検知のためのTST(ツベルクリン検査)の限界を補う可能性のため、臨床の場でのルーチン使用がなされている。しかし、IGRAsは、ダイナミックな検査で有り、T細胞の反応が時間経過により変動する。中程度感染国家である韓国に於ける結核患者接触医療従事者内の1年間の次毎のIGRAの陽転化・陰転化を評価。

方法:  活動性肺結核接触の49名の医療従事者を登録。活動性結核患者との接触歴を問診、理学所見、QuantiFERON TB Gold In-Tube assay (QFT-GIT)を月毎施行

結果:  48名のうち、25(52%)が連続検査で一定の結果を示さなかった。
<0 .35=".35" br="br" iu="iu" ml="ml">QFT-GITの一致した結果は、年齢、医療従事期間、ベースラインのIFN-γ値に相関するが、被験者の職業とは関連せず、結核暴露の程度とも関連せず、N95マスク装着とも関連せず
5名では、IFN-γ値の変動が、2回以上 >0.70 IU/mLとなった

結論:結核患者接触医療従事者のにおいて、IGRA所見の月間変動は普通。
このことから考えれば、このアッセイ・の再現性は低く、反復感染、真の転換、周期的抗原分泌などの様々な結果と考えられる。


結核感染流布のて度は、韓国はほぼ日本同様と思われる。その状況で、IGRAの変動激しく、その信頼性に疑問を呈した報告・

故に、入職時や暴露歴ありのQFT検査陽性医療従事者に対し、予防内服を実施すべきかどうか、議論がなされるべきである。

果たして以下の提言が正しいかどうか・・・


医療施設内結核感染対策について
日本結核病学会予防委員会
H22.3
http://www.kekkaku.gr.jp/hp/commit/commit7/Vol85No5P477-481.pdf


<見解:1 > QFT検査によるベースラインの意義
 ベースラインのQFT 検査が陰性であった者が結核患者と接触してから3 週間以後に行ったQFT で陽性になった場合,結核感染を受けたと判定する。但し,確実に診断するには8 ~12 週後に検査するのが適切である。
<見解:2 > 定期QFT検査
 結核患者と常時接触する職場(結核病棟など)では,雇入れ後も定期的なQFT 検査の実施が勧められる
<見解:3 > 実習生等に対するQFT検査
 医療職教育・養成機関の学生等が病院等にて実習をする場合,実習は定常的でなくかつ比較的短期間であることよりQFT 検査は必ずしも必要ではない。QFT を行わない場合,年齢を考慮すればほとんどの学生が未感染者であると考えられるので,結核既往のある者・明らかに結核患者と接触歴がある者以外のベースラインはQFT 陰性とみなす。

2012年11月29日木曜日

FDA承認: 全く新しい薬理作用の新規抗結核薬:ベダキリン

bedaquiline (Sirturo)
http://en.wikipedia.org/wiki/Bedaquiline


他の抗抗酸菌薬には存在しないメカニズムである、マイコバクテリアのエネルギー産生阻害作用

FDA助言委員会は、有効性に関しては、全会一致、だが、安全性に関しては11/28(水)11-7で、この薬剤の安全性を支持した

New Type of TB Drug Deemed Safe by FDA
By David Pittman, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: November 27, 2012
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Tuberculosis/36127


New Type of TB Drug Wins FDA Panel Support
By David Pittman, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: November 28, 2012
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Tuberculosis/36153

脱落率が高い研究で、第1次が44%(プラシーボ54%)、第2次が32%(プラシーボ35%)のため、このような結果となったようだ。
薬剤のためというより、研究手法がお粗末ということのようだが、"十分に安全性"とは言えず、"実質的安全"を問う諮問となったようだ。

多剤耐性結核治療の出現により、期待される薬剤であっただけに、ちょっと残念。
1970年以降、新しい機序の抗結核薬承認されてない。

死亡例はいないが、60%に非重症副作用あり、神経系、胃腸障害が多かった。
有効率は8週間治療トライアルで、喀痰培養陰性は、21名中47%超、プラシーボは8%(p=0.004)。有効性2年間継続。
だが、24週後、bedaquline群 81%、プラシーボ 65%(p=0.293)
現在治験継続中とのこと
QT延長に関して、併用薬剤との関連が考えられている。

bedaquline は速放性錠剤で、400mg/日3週間、後、週3回200mgで22週まで投与

2012年9月3日月曜日

結核患者同居子供発症抑制:栄養要素などの環境要素の重要性



適切な栄養などPapworth社会介入は、結核感染は減少できず、しかし、活動性結核患者とともに同居している小児の結核発症は減少。この結果は活動性結核である両親と同居している小児の結核予防に関して、特に、多剤耐性結核患者の子供の予防対策に重要な示唆を与える報告。

Can Social Interventions Prevent Tuberculosis?: The Papworth Experiment
(1918-1943) Revisited
Anurag Bhargava, Madhukar Pai, Madhavi Bhargava, Ben J. Marais, and Dick
Menzies
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 442-449
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/442?etoc

1918-1943年間の、安定雇用、適切な居住、栄養介入(Papworth social intervention)による活動性結核両親同居小児の結核菌感染発生頻度と疾患記載

村内誕生及びコホート参加での年次感染リスクは20、24%

結核発症24名のうち、1人が村内誕生者。

5歳以下の子供内で、村内生まれ結核発症頻度ゼロ、対し村外誕生者では5名(1,217/100,000 人年)

コホート参加者の内、13歳以上のうち、Papworth居住前での結核発症は 5,263/100,000 人年、一方、Papworth内居住者は 341/100,000 人年



結核:微小飛沫核(エロゾール)中結核菌培養3割程度 ・・・ 再現性高い

結核患者の少数になるが28%程度で、微小飛沫核(エロゾール)は結核菌培養となり、施設は限られるだろうが、再現性が高い検査となり得る。

Variability of Infectious Aerosols Produced during Coughing by Patients
with Pulmonary Tuberculosis
Kevin P. Fennelly, Edward C. Jones-Lopez, Irene Ayakaka, Soyeon Kim,
Harriet Menyha, Bruce Kirenga, Christopher Muchwa, Moses Joloba, Scott
Dryden-Peterson, Nancy Reilly, Alphonse Okwera, Alison M. Elliott, Peter G.
Smith, Roy D. Mugerwa, Kathleen D. Eisenach, and Jerrold J. Ellner
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 450-457
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/450?etoc


ウガンダで結核疑い例を集め、臨床的・レントゲン・微生物データ収集と共に、38名の微小飛沫核培養データを2-3日連続検討。

微小飛沫核培養で結核菌陽性 28/101 (27.7%; 95% 信頼区間 [CI], 19.9–37.1%) subjects with culture-confirmed TB, with a median 16 aerosol cfu (range, 1–701) in 10 minutes of coughing.
培養粒子はほぼ全部(96.4%)で、0.65-4.7μmのサイズ
微小飛沫核培養陽性はKarnofsky performance score増加 (P = 0.016)、喀痰抗酸菌スメア陽性度増加(P = 0.007)、liquid culture陽性日数低下 (P = 0.004)、咳嗽強度 (P = 0.016)、結核治療日数の短さ(P = 0.047)と関連

多変量解析にて、微小飛沫核培養は、喀痰中の唾液/粘液唾液を伴う場合(膿性/粘液膿性と比べ)(odds ratio, 4.42; 95% CI, 1.23–21.43) 、陽性までの日数が少ない場合と関連する (per 1-d decrease; odds ratio, 1.17; 95% CI, 1.07–1.33)。

検査内 (kappa, 0.81; 95% CI, 0.68–0.94) と 日内検査 (kappa, 0.62; 95% CI, 0.43–0.82) の再現性は高い。


検査として行うには、検査立ち会い者に負担が多い検査になりそう。

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