2012年11月7日水曜日

ホモ接合体抗コレステロール血症治療薬: mipomersen と Lomitapide

アンチセンスオリゴ核酸阻害剤 mipomersen( antisense oligonucleotide inhibitor ;Gezyme社製)はFHに対しFDA承認されている。
 http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/EndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM323927.pdf

Efficacy and Safety Study of ISIS 301012 (Mipomersen) as Add-on in Familial Hypercholesterolemic Subjects With Coronary Artery Disease (RADICHOL II) http://clinicaltrials.gov/ct2/show/results/NCT00706849


Lomitapide( microsomal triglyceride transfer protein inhibitor ) も作用機序違うが、承認
http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/DrugsEndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM323841.pdf 

こちらは、Lancetに論文報告

Efficacy and safety of a microsomal triglyceride transfer protein inhibitor in patients with homozygous familial hypercholesterolaemia: a single-arm, open-label, phase 3 study
The Lancet, Early Online Publication, 2 November 2012 doi:10.1016/S0140-6736(12)61731-0

40歳前の高血圧でも、記憶関連の脳の異常をもたらす

40歳程度から既に高血圧の記憶機能に関する脳の部位へ悪影響出現しているという報告

Effects of systolic blood pressure on white-matter integrity in young adults in the Framingham Heart Study: a cross-sectional study
The Lancet Neurology, Early Online Publication, 2 November 2012 doi:10.1016/S1474-4422(12)70241-7Cite or Link Using DOI

三世代コホート4095名(平均年齢 39.2歳、SD 8.4歳)、脳MRI検査(2009年6月から2010年6月)
年齢は、ほぼすべての白質voxelの区域的Fractional anisotropy(FA)減少と、平均拡散能(mean diffusivity: MD)増加に関連
年齢は独立して、灰白質容積減少と関連。

収縮期血圧増加は線形に区域的FA減少と関連し、MD増加と関連、特に脳梁前部、下方前頭後頭束、視床下部から上前頭回へ投射する線維で目立つ灰白質容積減少と強く関連し、特に 側頭葉内側表面のBrodmann's area 48、側頭回中部のBrodmann's area 21 で萎縮が目立つ。


拡散テンソル画像には、異方性の強さの指標としての fractional anisotropy (FA)と、水分子の拡散方向とは無関係に水分子の拡散の程度を測定する平均拡散性(mean diffusivity)が含まれる。FAが代表的であるが、その値は0から1の間であり、異方性が強いほど1に近づく。ALSを含めて種々の病的状態で細胞、線維構築が破壊されると異方性は低下する。
http://www.als.gr.jp/staff/document/rinsyo/rinsyo_16.html

合剤はすばらしい・・・ アドヒアランス改善  ;でも、臨床的効果そんなにないぞ!

糊でひっつければ合剤なんて簡単にできそうなものだが・・・

FDC(fixed dose combination):アスピリン・スタチン・2種類の降圧剤の合剤

 FDCに2種類を準備比較
1) アスピリン75mg +シンバスタチン40mg+リシノプリル40mg+アテノロール50mg
2) アスピリン75mg +シンバスタチン40mg+リシノプリル40mg+ハイドロクロロチアジド12.5mg

Use of a Multidrug Pill in Reducing Cardiovascular Events (UMPIRE)
http://my.americanheart.org/idc/groups/ahamah-public/@wcm/@sop/@scon/documents/downloadable/ucm_446307.pdf

プライマリアウトカムは、アドヒアランス

結論は、FDC アドヒアランス 86%、通常ケア 65%



アドヒアランス改善しても、臨床的効果の差はそんなにでない・・・

ALTITUDE試験:ラジレス 2型糖尿病で有用性認めず それどころか 有害

心血管・腎障害高リスク2型糖尿病患者のRAS系遮断剤にラジレス(アリスキレン)を追加することを容認できず、危険ですらあるという報告。

今年前半の警告や禁忌事項につながったALTITUDE試験結果

Cardiorenal End Points in a Trial of Aliskiren for Type 2 Diabetes

Hans-Henrik Parving, M.D., D.M.Sc., Barry M. Brenner, M.D., Ph.D., John J.V. McMurray, M.D., Dick de Zeeuw, M.D., Ph.D., Steven M. Haffner, M.D., Scott D. Solomon, M.D., Nish Chaturvedi, M.D., Frederik Persson, M.D., Akshay S. Desai, M.D., M.P.H., Maria Nicolaides, M.D., Alexia Richard, M.Sc., Zhihua Xiang, Ph.D., Patrick Brunel, M.D., and Marc A. Pfeffer, M.D., Ph.D. for the ALTITUDE Investigators
November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1208799
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1208799?query=nephrology



米国FDA警告:アリスキレン - /2012/04/


EMA ラジレス(アリスキレン)禁止推奨:ACE阻害剤・ARB使用併用時の糖尿病もしくは中等以上腎障害 2012/02/18

【厚労省】ACE阻害剤・ARB投与の糖尿病患者、ラジレス禁忌に設定
http://www.yakuji.co.jp/entry26631.html


 厚生労働省はノバルティスファーマの高血圧症治療「ラジレス」(一般名:アリスキレンフマル酸塩)について、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を投与中の糖尿病患者を「禁忌」とする添付文書の改訂を通知した。

 腎機能障害を伴う2型糖尿病患者を対象とした国際共同臨床試験「ALTITUDE」の中間解析で、有害事象の発現頻度が高まる結果が出たことを受けたもので、欧州では2月に同様の措置が講じている。

 厚労省は専門委員の意見も踏まえて添付文書を改訂する必要があると判断した。ただし、ACE阻害剤やARBを含む他の降圧治療で血圧コントロールが著しく不良な患者は禁忌から除く。また、腎機能障害のある患者への投与に対する注意も「重要な基本的注意」に追記する。

医療機関の方々・・・製薬会社から、このトライアルの報告ありましたか?・・・ 効果だけ宣伝して、有害性情報提供してないのなら情報の非対称性促進する会社です。・・・“スピリーバ・レスピレーターマット”・・・

シナカルセット心血管疾患に効果認めず

 シナカルセト塩酸塩は日本でも2007年から維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症HPT(2HPT)を適応症として認可されているcalcimimeticsである。
 副甲状腺CaR(=カルシウム感知受容体)にPTH分泌を強力に抑制するため、PTH過剰分泌である副甲状腺機能亢進症治療薬として用いられている。(http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=KMBD&vol=21&no=2&d1=3&d2=)


シナカルセトの二重盲検プラシーボ対照化トライアルにて、心血管疾患死亡・心停止・非致死的心筋梗塞・非致死的卒中・急な心不全入院・終末期腎不全・腎移植必要性・腎不全関連死・sCr倍加までの期間短縮効果があるかどうかの検討



結論から言えば、心血管系疾患抑制効果認めず




Effect of on Cardiovascular Disease in Patients Undergoing Dialysis
The EVOLVE Trial Investigators
November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1205624
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1205624

中等度・重症2HPT 3883名(インタクトPTH 693 pg/mL[10-90th percentile 363-1694)

シナカルセト と プラシーボ割り付け
64ヶ月フォローアップ

プライマリ組み合わせエンドポイントは、死亡・心筋梗塞・不安定狭心症/心不全/末梢血管イベント入院までの期間

シナカルセト群の暴露期間中央値 21.2ヶ月、プラシーボ群 17.5ヶ月

プライマリ組み合わせエンドポイントは、 シナカルセト群 938/1948(48.2%)、 プラシーボ群 952/1935(49.2%)
(相対ハザード比 0.93;95%信頼区間 0.85-1.02 p=0.11)

シナカルセト群では、低カルシウム・胃腸障害副作用がより多かった
 

ザビエル禿、前頭部毛髪後退、耳たぶ皺、まぶたの脂 ・・・ 3つあれば今後心臓疾患リスク高まる



Telltale visible signs of aging may predict heart disease
Abstraxt 15333 - Embargoed until 8 a.m. PT /11 a.m. ET
November 06, 2012
http://newsroom.heart.org/pr/aha/telltale-visible-signs-of-aging-239569.aspx?ncid=36436



Anne Tybjærg-Hansen って研究者、こういう研究ばかり・・・
http://forskning.ku.dk/search/profil/?id=22312

・おでこの生え際後退
・頭のちょっぺんの禿
・耳たぶの皺
・眼瞼周囲脂肪沈着 (xanthelasmata:眼瞼黄色腫)


このうち、3つ有れば、今後35年間に
・ 心臓発作リスク57%増加
・ 心臓疾患発症39%増加


白髪が無かったことは何より・・・ 重要容疑者だったらしいが・・・

noteへ実験的移行

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