2019年11月19日火曜日

パイロットRCT:高齢者肺炎/敗血症へのシンバスタチン投与 好中球機能改善と臨床アウトカム改善

日本でのシンバスタチン治療標準は5mg/日で、以下の薬剤とは桁違い








序文から
細菌感染は迅速だが、過剰でないあるいは過少でない比例的な好中球反応が必要で、攻撃性と、静止状態という舌病名環境依存的バランスが維持されるのが望ましい。不適切に過剰にあるいは抑制皿多反応では死亡・併存症悪化が見られる。敗血症では好中球機能の過剰かつ抑制さえた好中球機能は死亡率と関連する。例えば、 neutrophil extracellular trap formation (NETosis) 入院時低下とday 7のNETosis亢進は、患者予後悪化をもたらす。宿主の年齢は好中球機能に影響を与える。 In vitroでは、急性感染症のない高齢者から分離された好中球は、脱顆粒が増加しているように見えるが、好中球の移動精度、食作用、およびNETosisを減少させる。... 敗血症高齢者で一部機能低下、migration accuracyは呼吸器感染でエチカ氏、敗血症でmigration failureを来たし、初期イベントから6週間も継続する。大腸菌貪食とphorbol myristate acetate(PMA)へのNETosisは温存し、ROS産生は増加する。degranulation促進を伴う標的細菌への能力は低下し、細菌侵襲、局所炎症、by-stander tissueのdamagingも促進し、より広範な重度敗血症、end-organ damageを来す
スタチンが、その治療効果明らかな濃度で、高齢者に対し、好中球migratory accuracyを改善し、in vitroで、NETosis増加している。

仮説として、シンバスタチンがCAP+S重症ケア外高齢者で、感染に対する好中球反応の改善(NETosisとmigratory accuracy)の改善をもたらし、耐用性・安全性に関する確認研究




Simvastatin Improves Neutrophil Function and Clinical Outcomes in Pneumonia. A Pilot Randomized Controlled Clinical Trial
Elizabeth Sapey , et al.
ajrccm  Vol. 200, No. 10 | Nov 15, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201812-2328OC       PubMed: 31206313
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.201812-2328OC


理論的根拠:住民研究ではスタチンによる敗血症の転帰の改善が示唆されているが、敗血症の患者を対象としたランダム化比較試験の結果と、クリティカルケア環境での臓器機能障害は、広く否定的。in vitroデータは、スタチンが加齢に伴う好中球機能を調節し、感染に対する好中球反応を改善することを示唆しているが、高齢患者および高用量のみである。

目的:高用量シンバスタチンが好中球機能を改善し、重症の入院を認められない敗血症(CAP + S)を伴う市中感染肺炎の入院高齢者で安全かつ許容されるかどうかを判断する。

方法:二次医療病院に入院した55歳以上のCAP + S患者を対象に、シンバスタチン80 mgまたはプラセボの無作為化二重盲検プラセボ対照パイロット試験を7日間実施。 4日目の主要エンドポイントは、好中球細胞外トラップ形成(NETosis)の変化。 4日目の副次的エンドポイントには、好中球の化学走性、安全性と忍容性、臓器不全評価スコア、死亡率、再入院、組織の分解/炎症のマーカーが含まれる。

測定と主結果:CAP + S患者における4日間のシンバスタチンアジュバント療法は、全身性好中球機能の改善(NETosisと走化性)、全身性好中球エラスターゼ負荷の減少、およびプラセボと比較した連続臓器不全評価スコアの改善に関連した。
事後分析により、シンバスタチン療法はプラセボと比較して入院のない生存率の改善と関連していることが実証された。シンバスタチンは、マクロライド系抗生物質の一般的な共処方により、この高齢者および多病患者グループで忍容性が良好だった。



結論:このパイロット研究は、以前に評価されたよりも古くて軽い疾患コホートにおけるCAP + Sのアジュバント療法としての高用量シンバスタチンをサポートしている。現在、この集団では、有益性と有害性の可能性を評価するための決定的な多施設共同研究が保証された。


【安易な使用注意】テストステロン使用で静脈血栓塞栓リスク増加

Association of Testosterone Therapy With Risk of Venous Thromboembolism Among Men With and Without Hypogonadism
Rob F. Walker, et al.
JAMA Intern Med. Published online November 11, 2019. doi:https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.5135
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2754091
November 11, 2019

疑問点  性腺機能低下有無関わらない男性におけるテストステロン療法の臨床的処方は静脈血栓塞栓の短期リスクと関連するか?

知見 静脈血栓塞栓症例89622名男性の6ヶ月間テストステロン使用と静脈血栓塞栓前6-12ヶ月のテストステロン使用を比較したこの交叉研究において、6か月症例期間のテストステロン使用は男性において性腺機能低下有無に関連買う静脈血栓塞栓リスク増加と関連する

意義 この知見からテストステロン使用は全てのこの処方男性において静脈血栓塞栓リスク増加と関連する

重要点  テストステロン療法は性腺機能低下有無関連せず処方数が増加している。
この治療は、いくつかのメカニズム、ヘマトクリット値増加、血液粘性増加を含め、静脈血栓塞栓リスク増加と関連する可能性がある




目的  短期テストステロン療法暴露が性腺機能低下有無関連無く男性の静脈血栓塞栓短期リスク増加するか評価

デザイン・被験者・セッティング   交叉研究:39622名男性(IBM MarketScan Commercial Claims and Encounter DatabaseとMedicare Supplemental Database)
 2011年1月1日〜2017年12月31日:12ヶ月フォローアップ
ベースラインで癌認めない、ICDコードによる同定された静脈血栓塞イベント前連続登録12ヶ月。対象期間症例自身をマッチ化




ケースクロスオーバー研究デザインが使用され、VTEの各男性が自分のコントロールとして機能。 インシデントVTEイベントの6か月前、3か月前、1か月前の暴露ケース期間を定義し、インシデントVTEイベントの6か月前に開始する同等の暴露制御期間(6か月、3か月、1か月)を定義した(図、 A)。 テストステロン処方曝露後にVTEイベントがトリガーされる時間枠を評価するために、さまざまなケース期間の長さが選択された。 各ケースの患者が自分のコントロールとして機能するため、ケースのクロスオーバー設計は、患者の観察期間中に時間不変の交絡因子を軽減。

暴露   国内の薬物コードを使用して、ケース期間(VTEの0〜6か月前)および対照期間(VTEの6〜12か月前)の請求済みテストステロン療法処方を特定

主要アウトカムと測定項目  初回VTEイベントで性腺機能低下有無で層別化


結果
研究登録: 39622名男性 (平均 [SD] 年齢 57.4[14.2]歳)、 性腺機能低下証拠 3110名(7.8%)

年齢補正モデルにて、テストステロン使用は全期間において、VTE高リスクと相関 (オッズ比[OR], 性腺機能低下有り 2.32; 95% CI, 1.97-2.74、無し 2.02; 95% CI, 1.47-2.77)

性腺機能低下症のない男性の場合、テストステロン療法とVTEリスクの3か月の期間の推定点は、65歳未満の男性(OR、2.99; 95%CI、1.91-4.68)が高齢男性(OR、1.68)よりも高かった ; 95%CI、0.90-3.14)、この相互作用は統計的に有意ではない(P = .14)








2013年、米国内では30歳未満で 3.2% 230万人使用、2016年には減少して 115万名

日本では男性更年期・更年期ドッグと称して、結果的に、テストステロン使用を煽るムーブメントがあるが安易な使用は危険!


日本のガイドラインでも
多血症
ARTを行った性腺機能低下症患者の24%に血栓除去手術またはARTの中断を必要とする多血症が認められている。治療に際しては,定期的な血液検査による多血症の監視が重要である。赤血球数6×10 6/μL以上,ヘモグロビン18g/dL以上,ヘマトクリット53%以上を多血症の目安にし,ARTの間隔や,血液内科への受診も考慮する必要がある。
http://www.mens-health.jp/wp-content/uploads/2018/08/LOHguidelines.pdf


多血症に関する注意事項がある


さらには、VTEリスクも啓発すべき

noteへ実験的移行

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