2014年4月26日土曜日

パラダイム・シフトとなるか!:線維筋痛症疼痛:皮膚小型神経線維ニューロパチーが原因?

線維筋痛症は、中枢神経系検査では所見認めず、心気症などと鑑別困難となる。末梢性、特に、皮膚神経末端に病理があるとしたら・・・見当違いの検査と判断が多くなされてることとなる。中枢神経系のsensitizationの問題でなく、小線維ニューロパチーがその本体の可能性の示唆が示された。


IL2-Rマーカーや皮膚生検の診断利用なども本格的に検討されるべきだろう


線維筋痛症47名連続患者と対照比較

大型線維、脱髄性末梢性多発神経症で、CIDP(chronic iflammatory demyelinating polyneuropathy:慢性炎症性脱髄性多発神経炎)類似病理所見が見られた。


ふくらはぎ及び大腿部のENDF(epidermal nerve fiber density :表皮神経線維密度)の分析を主体に検討し、対照群に比べ、線維筋痛症でのENFD減少明らかであった。


加齢だけでは説明できない所見で、とくに、ふくらはぎのENDFは、血中IL-2Rと逆走完成に減少し、おそらく、皮膚小型神経線維ニューロパチー:皮膚SFN(small fiber neuropathy)が線維筋痛症疼痛に寄与する病態と考えられる。


"Evidence of abnormal epidermal nerve fiber density in fibromyalgia: clinical and immunologic implications"
Caro X, Winter E 

Arthritis Rheum 2014; DOI: 10.1002/art.38662.





全てのFM患者は、ストッキング・パターンのhypesthesia(知覚鈍麻)


FM患者のENFD平均値は、対照群比較で、腓腹筋部、大腿部ともに低下   (5.8 ± 2.8 SD vs. 7.4 ± 1.9 SD; P < 0.0002、(9.3 ± 3.2 SD vs. 11.3 ± 2.0 SD; P < 0.0007)


FM患者において、腓腹筋部ENFDと皮膚生検のタイミングである年齢は逆相関 (r = - 0.29; P = 0.03)、対照群では相関性観察されない。


ANCOVAにて、説明因子として、加齢単独不可
血清学的評価は、FM患者では、腓腹筋部ENFDとT細胞/マクロファージ活性マーカーであるIL-2Rとの逆相関が見られた   (r = - 0.28; P = 0.04)


大腿ENFDと血中IL-2Rの相関分析では、有意差認めず   (P = 0.08)


腓腹筋部/大腿部ENFD比解析にて、FM患者でのENFD減少は、びまん性広がり、長さ広がり、プロセスともに関連していることが示された。



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