2016年11月2日水曜日

アジア人のための臨床コンセンサスガイドライン:肺結節陰影評価

アジアでの肺がんの特徴、40代、50代の若年肺がん多く、非喫煙者も多いが、それ以外のリスク要素、重篤な大気汚染、揮発性料理油の問題、そして結核有病率・発症率の高さがその特徴である。


故に、アジア特有の臨床街ガイドラインに必要性がクローズアップされてきた。

一方、このガイドラインは、中国・香港・シンガポール・韓国の名はあっても日本の名はない。日本では・・・適応されない?



Evaluation of Pulmonary Nodules:
Clinical Practice Consensus Guidelines for Asia
Chunxue Bai, et. al.
Chest. 2016;150(4):877-893. doi:10.1016/j.chest.2016.02.650
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2499558

アジアでは、CHESTガイドラインを暫定的な重要資料として使用しているが、屋内・屋外大気汚染高濃度、女性非喫煙者の腺癌頻度の高さなど考慮すべき事項あり、肉芽種性疾患や他の感染症による結節陰影も多く、考慮すべき事が多い。
非アジア人種に基づき開発された診断リスク計算はそのままでは適応できないことは予測できる
結節陰影に関して、CHESTガイドラインより長期間のサーベイランスを考慮されるべき










Gould MK, Donington J, Lynch WR, et al. Evaluation of individuals with pulmonary nodules: when is it lung cancer? Diagnosis and management of lung cancer, 3rd ed: American College of Chest Physicians evidence-based clinical practice guidelines. Chest. 2013;143:e93S-120S 

2016年11月1日火曜日

栄養研究:企業スポンサーシップ影響大

肥満、糖尿病、心血管疾患のリスク軽減を念頭に置いた食生活のガイドライン策定の上ではシステマティック・レビューがその根拠となる。研究資金の問題が注目され、エビデンス構築上のバイアス批評がなされることが多くなってきた。

栄養(学)研究の利益相反の問題で、出版研究にて食品産業関与している場合企業に有利な結論に偏ってるのではないか?、方法論的な質に差があるのか?



栄養研究に関して企業スポンサーシップ影響大

食品製造業の関わる栄養研究の結果は、スポンサーシップのない研究に比べ、メーカーに都合の良い結論が多く、その差も意味あるものではないことが多い

システマティック・レビューとメタアナリシスを12の報告と、340の研究を含む8報告を合わせ検討

Association of Industry Sponsorship With Outcomes of Nutrition Studies
A Systematic Review and Meta-analysis
Nicholas Chartres, et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 31, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.6721



肥満と加糖飲料、遺伝子組み換え食品の健康リスクと栄養効果、肥満と栄養RCTsのquality reporting score、ソフトドリンク・ジュース・ミルク摂取による健康への影響、除脂肪オレストラの安全性・有効性、加糖飲料摂取量の体重への影響、symbiotice/protiotic/prebioticサプリメントの有効性・安全性、栄養研究のreport quality調査、小児カルシウムサプリメントと骨健康、減量長期介入、ソフトドリンク摂取量の栄養と健康アウトカムの相関性、肥満関連研究






5つの研究でmehodological quality評価し、特に、企業スポンサーシップの関連性認めず



 Five reports assessed methodological quality; none found an association with industry sponsorship.

腹部大動脈瘤の検診

64-83歳男性を腹部動脈瘤検診では死亡率全般に関わる効果認めない




Long-term Outcomes of the Western Australian Trial of Screening for Abdominal Aortic Aneurysms
Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial
Kieran A.
McCaul, et. al.
JAMA Intern Med.
Published online October 31, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.6633

64-83歳の男性;腹部大動脈瘤(AAAs)スクリーニング効果
AAA破裂による死亡率改善効果の検討
49,801名登録、除外後、介入(invite)群19,249、対照群 19,231


待機手術:536 vs 414, P < .001 (介入群 vs 対照群)
AAAs破裂:72 vs 99, P = .04

(全年齢を含む全体検討で)AAAS死亡: 90 vs 98 (10万人年対 47.86 ; 95% CI, 38.93-58.84 vs 52.53 ;95% CI, 43.09 - 54.03)
相対比 0.91 (95% CI, 0.68 - 1.21)

65-74歳男性におけるAAA死亡率は、10万人年対 34.52 (95% CI, 26.02-45.81)  vs 37.67 (95% CI, 28.71-49.44) l rate ratio of 0.92 (95% CI, 0.62-1.36)


5年間に於けるAAA1死亡回避NNTは64-83歳で 4784、65-74歳で 3290

全原因・心血管・他原因死亡率において有意な差を認めず

2016年10月21日金曜日

高齢COPD:オピオイド使用と呼吸器系副作用







Incident opioid drug use and adverse respiratory outcomes among older adults with COPD
Nicholas T. Vozoris ,et. al.
Eur Respir J 2016; In press
http://erj.ersjournals.com/content/early/2016/07/13/13993003.01967-2015

後顧的住民ベースコホート:行政データ、66歳以上COPD患者
対照群比較による30日内オピオイド使用の副事象呼吸アウトカム比較推定propensity score荷重確率

オピオイド使用発生は、COPDあるいは肺炎理由によるER受診増加 (HR 1.14, 95% CI 1.00–1.29; p=0.04)、 COPD or 肺炎関連死亡率増加  (HR 2.16, 95% CI 1.61–2.88; p<0 .0001="" 1.57="" 1.76="" 95="" ci="" p="">しかし、外来急性増悪減少有意 (HR 0.88, 95% CI 0.83–0.94; p=0.0002)


よりpotentialの高いオピオイドのみが外来急性増悪、ER受診、COPD・肺炎入院、COPD・肺炎関連死亡率を増加する





more potent opioid:hydromorphone、 fentanyl 、levorphanolと書かれているが、フェンタニル以外、日本ではまだ発売されてない
国内でのピオイド性鎮痛薬(強オピオイド)は、"モルヒネ、オキシコンチン、フェンタニル、タペンタドール”とされるが、そのように読み替えてもいいかどうかも?

「地域居住高齢者でのpotentialの低いオピオイド使用は呼吸器リスク少ないだろう
しかし、よりfrailな長期ケア施設居住者は重篤な副事象を受けやすくなるかもしれない」と論文解説にあり

2016年10月20日木曜日

ICU酸素投与理念:Conservative vs Conventional

72時間以上ICU滞在した重症患者において
ICU酸素投与理念:Conservative vs Conventional 
どっちが正しいでしょう?

conventionalが過剰投与気味:不安な新人医療従事者がやりがちな方法

予備的検討で多施設検討が必要と筆者等も記載しているが・・・


Effect of Conservative vs Conventional Oxygen Therapy
on Mortality Among Patients in an Intensive Care Unit
The Oxygen-ICU Randomized Clinical Trial
TRIALREGISTRATION clinicaltrials.govIdentifier:NCT01319643
JAMA. 2016;316(15):1583-1589. doi:10.1001/jama.2016.11993
対象:Modena 大学病院(イタリア)のmedical-surgical ICU

conservative(保守的) vs conventional(慣習的)って日本語になるのだろうが・・・

酸素投与
PaO2 70-100 mm Hg あるいは SpO2 94-98%維持 (conservative group)
標準ICU診療にしたがい、PaO2値を 150 mm Hgまでもしくは SpO2を 97%-100%まで増加(conventional control group)

主要アウトカム/測定 プライマリアウトカム:ICU死亡率、セカンダリアウトカムは、ICU入所後48時間新規臓器不全・感染

434名(年齢中央値 64歳;女性 43.3%)
酸素投与宝
・conservative (n = 216)
・conventional  (n = 218)
modified intent-to-treat analysis


ICU入室中昼間荷重PaO2平均化は、conventional群で有意増加 (P < .001)   (中央値 Pao2, 102 mm Hg [中間4分位, 88-116]) vs the conservative 群 (median Pao2, 87 mm Hg [interquartile range, 79-97])
ICU入室中死亡
conservative群  25 (11.6%)
conventional 群 44 (20.2%)
(絶対的リスク減少 [ARR], 0.086 [95% CI, 0.017-0.150]; 相対リスク [RR], 0.57 [95% CI, 0.37-0.90]; P = 0.01)


conservative oxygen therapy群では以下発生リスク減少
新規ショックエピソード(ARR, 0.068 [95% CI, 0.020-0.120]; RR, 0.35 [95% CI, 0.16-0.75]; P = 0.006)
冠不全(ARR, 0.046 [95% CI, 0.008-0.088]; RR, 0.29 [95% CI, 0.10-0.82]; P = 0.02)
新規血行感染 (ARR, 0.05 [95% CI, 0.00-0.09]; RR, 0.50 [95% CI, 0.25-0.998; P = 0.049)







救急搬送時につきあうことがあるが、救急隊員もconventionalな対応と取ることが多い

片頭痛:口腔内細菌叢との関わり




亜硝酸塩は、心臓疾患治療薬や食物にも含まれ、頭痛の引き金とされる。亜硝酸塩の一酸化窒素への変換メカニズム、いわゆる脱窒、この機能と関係する通性嫌気性細菌が口腔内に存在し、 salivary nitrate-nitrite-nitric oxide pathwayにてNO濃度のトリガーとなる


American Gut Projectで、PICRUSt と呼ばれるbioinformatic toolを用い、片頭痛患者では、亜硝酸塩をmodifyする能力を持つ口腔内・腸内微生物叢が多いことを見いだした。
片頭痛持ちでは、口腔内に、nitrate、nitrite、 "nitric oxide reductase gene"が多く存在。糞便中は有意だが差は少ない。



Migraines Are Correlated with Higher Levels of Nitrate-, Nitrite-, and Nitric Oxide-Reducing Oral Microbes in the American Gut Project Cohort
Antonio Gonzalez, et. al.
mSystems
DOI: 10.1128/mSystems.00105-16



解説:

https://www.asm.org/index.php/mbiosphere/item/3050-your-next-migraine-might-be-thanks-to-your-mouth-microbes




https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/asfm-msh101416.php

片頭痛なしの心血管疾患にも役立つ習慣として、"magical probiotic mouthwash"って発想をもってるらしい。

2016年10月19日水曜日

COPD急性増悪:肺動脈/大動脈比 > 1の意義

COPD急性増悪(AECOPD)患者において肺動脈/大動脈比 >1指標心機能障害や重症入院臨床経過に関連する



Pulmonary Artery Enlargement Is Associated With Cardiac Injury During Severe Exacerbations of COPD
J. Michael Wells, et. al.
Chest. 2016;149(5):1197-1204. doi:10.1378/chest.15-1504

総計134名、平均年齢 65 ± 10歳、男性 47%、白人 69%、平均 FEV1 47% ± 19%

PA/A比増加は、ベースラインから急性増悪までで増加 (0.97 ± 0.15 from 0.91 ± 0.17; P < 0.001)
より若年であること&既知肺高血圧は急性増悪PA/A比と独立関連

PA/A比 > 1 は、トロポニン高値と相関

PA/A比 >1 & トロポニン値 > 0.01 ng/mLは、両要素なしに比べ、急性呼吸不全増加し、同様、ICU入院、院内死亡率増加と関連 (P = .0028)
PA/A比は、AECOPDフォロー後ベースラインに回帰する




A:肺動脈径、BとC:上行大動脈の直交測定値 肺動脈/大動脈比 > 1










COPDは併発症として、肺癌・心疾患なども多く、その評価は重要
急性増悪の度、CTってことは私自身はしてないが、

「デパス依存」都道府県 と同じ手法で・・・
全く関係ないが、都道府県別CT実施数(年齢・高齢化補正比率)


ひとりあたりの医療費は「西高東低」というが、実際そうなのだろうか?
もちろん、CT回数多いほど質の高い医療とは言えないし、少ないほど良いわけでもないが・・・
いくつかの医療内容指標を、人口・高齢化比補正したところ、どうもそれほど単純じゃないと思うようになった




だれも、調べないだろう・・・「うがい薬」の都道府県別/人口・高齢化補正後




HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...