2020年5月26日火曜日

アルコールと高血圧の関連


  • 性別で、低レベルのアルコール摂取量でアルコールと高血圧の関係の関連性異なる
  • 黒人はアジア人や白人に比べて高血圧リスクが高い
  • 高血圧リスクはアルコール飲料の種類によって異なる

エタノール摂取量5.1-10g/日では有意差は無かったが、それ以外ではワイン、ビールとリキュール類では高血圧リスクが異なる


他、アジア人種にこだわれば、エタノール摂取少なくても影響が大きいようだ



Race- and sex-specific association between alcohol consumption and hypertension in 22 cohort studies: A systematic review and meta-analysis
Feiyan Liu, et al
Nutrition,Metabolism & Cardiovascular Diseases
https://www.nmcd-journal.com/article/S0939-4753(20)30100-9/fulltext
DOI: https://doi.org/10.1016/j.numecd.2020.03.018
https://www.nmcd-journal.com/article/S0939-4753(20)30100-9/fulltext




【背景と目的】アルコール依存症と高血圧の関係はよく知られているが、女性が保護効果を持つのか、それとも人種や飲用飲料の種類が影響を与えるのかは不明なままである。性と人種の影響を考慮して、総飲酒量または飲料別飲酒量と偶発的な高血圧の関係を定量化すること。

【研究方法と結果】PubMedおよびEmbaseデータベースに掲載された論文のうち、公開日に制限のないものを対象とした。プールされた相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)をランダム効果モデルを用いて計算した。
制限3次スプライン回帰モデル(restricted cubic spline regression model)で量反応関係モデル化
22論文(31研究)、414,477名の被験者


高血圧リスクは、エタノール摂取 5.1-1.0g/日の量で、liquor(蒸留酒)、ワイン、ビールで各々異なるリスク (P-across subgroups = 0.002).



高血圧リスクは、摂取量 10g/日の量あたりで、男性 vs 女性でも異なる (RR: 1.14, 95% CI: 1.07, 1.20 vs 0.98, 95% CI: 0.89, 1.06)




白人、黒人、アジア人種において、摂取量 10g/日の量あたりで、アルコールと高血圧の線形関連 (P-linearity = 0.017、0.035、<0.001)で、高血圧リスク比:RRは、アジア人種 1.06 (95% CI: 1.04, 1.08)、黒人 1.14 (95% CI: 1.01, 1.28)、白人 1.06 (95% CI: 1.01, 1.10)



【結論】
摂取量少ないレベルでは性別によりアルコールの高血圧相関性を影響を受け、女性に於けるアルコール摂取の防御的効果のエビデンスを見いだせず
黒人はアジア人種、白人より高血圧リスクを同量のエタノール摂取でも受けやすい




アルコール群のサンプルが不足していたり、用量反応解析のデータがなかったりしたため、飲料別のアルコール摂取量と高血圧の関連をカテゴリー別に解析した(表1)。高血圧のRRは、ワインやビールの摂取量が少ないと非飲酒者に比べてわずかに低下した。1日の純エタノール摂取量が15gを超えると、ワインやビールの消費に伴う高血圧のRRは著しく増加した。しかし、酒類摂取量が少ない場合でも高血圧のRRは増加した。高血圧のRRは、エタノール消費量のカテゴリーごとに、ビールやワインよりも酒類の方が高くなっていた。これらの飲料別のRRの差は、サブグループ5.1e10g/dを除いて統計的に有意ではなかったが(P-クロスサブグループZ 0.002)、これらの結果は、少なくとも低レベルのアルコール消費量では、酒類はワインやビールよりも高血圧のリスクが高いことを示唆している。

入院死亡率推定スコア REMS

入院死亡率推定スコア REMS
平均血圧(mm Hg)、脈拍、呼吸回数、酸素飽和度、GCS、患者年齢からのスコア化


APACHEIIなどとの比較すればよかったのに


Comparing Rapid Scoring Systems in Mortality Prediction of Critically Ill Patients With Novel Coronavirus Disease
Hai Hu ,et al.
Academic Emergency Medicine (Academic Emergency Medicine 2018年のインパクトファクター : 2.963 (2019年の最新データ))
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/acem.13992?af=R
First published:20 April 2020 https://doi.org/10.1111/acem.13992

目的
新規コロナウイルス疾患(COVID-19)を有する重症患者に対しては,迅速かつ早期の重症度評価が重要であるように思われる.本研究では、これらの患者の入院時における迅速スコアリングシステムの性能を評価することを目的とした。

方法
本研究では、COVID-19を有する重症患者の合計138例のカルテを対象とした。修正早期警戒スコア(MEWS)および迅速救急医療スコア(REMS)の算出に使用した入院時の人口統計学的および臨床的特徴、およびアウトカム(生存または死亡)を各症例について収集し、分析のために抽出した。全症例を2つの年齢サブグループ(65歳未満と65歳以上)に分けた。全症例と両サブグループについて受信機操作特性(ROC)曲線解析を行った。

結果
生存者と非生存者のMEWSの中央値(四分位25、四分位75)は1[1、2]と2[1、3]、REMSの中央値はそれぞれ5[2、6]と7[6、10]であった。全体解析では、死亡率予測におけるREMSのROC曲線下面積は0.833(95%信頼区間[CI]=0.737~0.928)であり、MEWS(0.677、95%CI =0.541~0.813)よりも高かった。REMSの最適カットオフ(≧6)は感度89.5%,特異度69.8%,正の予測値39.5%,負の予測値96.8%であった.65歳未満のサブグループの解析では、死亡率予測におけるROC曲線下面積は0.863(95%CI = 0.743~0.941)であり、MEWS(0.603、95%CI = 0.462~0.732)よりも高かった。

結論
私たちの知る限りでは,本研究はCOVID-19を有する重症患者のための迅速なスコアリングシステムに関する最初の研究であった。REMSはCOVID-19を有する重症患者、特に65歳未満の患者に対して有効なリスク層別化ツールを救急医に提供できる可能性がある。これらの患者のスクリーニングにおけるREMSの有効性は、その陰性予測値の高さに起因する。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。



Modified Early Warning Score (MEWS) : heart rate (beats/min), systolic blood pressure (mm Hg), respiratory rate (breaths/min), body temperature(°C),and consciousness

Rapid Emergency Medicine Score (REMS) : mean arterial pressure (mm Hg), pulse rate (beats/min), respiratory rate (breaths/min), oxygen saturation (%), GCS, and patient age (year). Case fatality

https://onlinelibrary.wiley.com/action/downloadSupplement?doi=10.1111%2Facem.13992&file=acem13992-sup-0001-DataSupplementS1.pdf




These data included all the factors needed for calculating MEWS and REMS models. Individual scores of MEWS were calculated based on heart rate (beats/min), systolic blood pressure (mm Hg), respiratory rate (breaths/min), body temperature(°C),and consciousness. Likewise, individual scores of REMS were calculated based on mean arterial pressure (mm Hg), pulse rate (beats/min), respiratory rate (breaths/min), oxygen saturation (%), GCS, and patient age (year). Case fatality was defined as death during hospitalization.

2020年5月23日土曜日

ACE阻害剤は重症Covid-19に対し防御的?

5月15日のliving systematic reviewでは高レベルのエビデンス認めず、中等-信頼エビデンスでは有症状SARS-CoV-2検査陽性患者でのACE阻害剤・ARB使用との関連性示唆しないということで、悪化するか有益的か不明

Risks and Impact of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors or Angiotensin-Receptor Blockers on SARS-CoV-2 Infection in AdultsFREE
A Living Systematic Review
https://www.acpjournals.org/doi/pdf/10.7326/M20-1515

High-certainty evidence suggests that ACEI or ARB use is not associated with more severe COVID-19 disease, and moderate-certainty evidence suggests no association between use of these medications and positive SARS-CoV-2 test results among symptomatic patients. Whether these medications increase the risk for mild or asymptomatic disease or are beneficial in COVID-19 treatment remains uncertain.

メディケア対象だとACE阻害剤一部有益性の報告

Association of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and Angiotensin Receptor Blockers with the Risk of Hospitalization and Death in Hypertensive Patients with Coronavirus Disease-19
Rohan Khera, et al.
medRxiv
doi: https://doi.org/10.1101/2020.05.17.20104943
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.05.17.20104943v1

This article is a preprint and has not been certified by peer review

【背景】アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の有無と アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)はSARS-CoV-2感染を緩和・悪化は不確か。国内対象研究でACE 阻害薬やARBとコロナウイルス感染症19(COVID-19)の入院と死亡率の間で 高血圧症の患者を対象として検討

【研究方法】メディケア・アドバンテージおよび民間保険者の高血圧患者で、1 種類以上の降圧剤を投与されており、外来で SARS-CoV-2 検査が陽性であった 2,263 人を同定(外来コホート)。propensity score マッチ分析で,ACE 阻害薬および ARB と COVID-19 の入院リスクとの関連を決定。COVID-19で入院した高血圧症患者7,933人の第2の研究(入院コホート)では、これらの薬剤と院内死亡率との関連を検証

【結果】外来コホートと入院コホートで、ACE阻害剤 31.9%、 29.8%、ARB使用 32.3%、28.1%
外来コホートでは 検査陽性後経過日数中央値 30.0日(19.0~40.0日)で、COVID-19入院 12.7%
propensity score-マッチ化分析で、ACE阻害剤も、ARBも入院リスクに関して有意差無し (HR、0.77[0.53、1.13]、P = 0.18 、0.88[0.61、1.26]、P = 0.48)
保険群毎層別化でいくと、メディケアではACE阻害剤では入院リスク低下 (HR, 0.61 [0.41, 0.93], P = 0.02)を認めるが、ARBでは有意では無かった
商用的保険群では有意差無し(HR:2.14 [0.82、5.60]、P = 0.12;P-相互作用 0.09)

入院患者対象では、死亡率 14.2%、生存退院 59.5%、入院中 26.3%の状態。propensityマッチ化分析では、ACE阻害剤もARB、入院死亡率リスク増加と相関せず (0.97 [0.81、1.16]; P = 0.74、1.15 [0.95、1.38]; P = 0.15)、これは全ての検討でも層別化検討でも同様。


【結論】ACE阻害薬とARBの使用はSARS-CoV-2感染患者間において入院リスクや死亡リスクと相関せず。しかし、メディケア住民に関してACE阻害剤使用が入院リスク約40%低下の可能性がある。
感染による増悪アウトカムリスクの高い高齢住民において入院リスクにおいてACE阻害剤が重要な役割を果たす可能性があるかも

2020年5月22日金曜日

喘息:NO呼気濃度 いろんな知見

FENOを日常臨床に利用しているのだが・・・一筋縄にはいかない経験を多くする
特に、気道閉塞効果判定との不一致が多く・・・ だからこそ存在意義あるバイオマーカーなのだろうが・・・


喘息は元々異質性の高い疾患で、エピソード的気管支閉塞と慢性気道炎症を特徴とする。臨床的生物学的背景における異質性に基づき、type-2炎症は recognisable immunological featureから生じる。type-2バイオマーカーは血中好酸球、血中ペリオスチン、 FENOモニタリングでtype-2 highの喘息患者を評価できるはず。将来の急性増悪やICS治療反応性を予測可能なはずだが・・・

FENOに関するERJに2つの論文が発表され、重症喘息管理での臨床的有用性と喘息児童サブグループでのICS治療ガイダンスに関するレビュー記事

例えば、臨床的有用性について
  • 診断
    • NICE 成人 40、小児 35、スコットランド・コンセンサス ICS naive 40 ICS治療 25、GINA 成人 20、ATS/ERS 成人: 高値:50 中間 25-50 低値 25未満、 小児: 高値:35、中間 20--35、高値 20未満
  • 急性増悪予測
    • 成人のFENOレベルが50ppbを超えると、患者がICS治療に反応する可能性が高いことを示す強力な指標となる [69]。米国の喘息・アレルギー専門外来診療所で実施された観察的な単一施設での研究では、治療の決定は、まず症状、臨床検査、およびスピロメトリーの結果に基づいて行われ、その後、FeNO測定に基づく治療の変更は記述[70]。FENO測定を行わなかった場合、気道炎症の医師の評価は患者の50%で不正確であり、FENO測定は患者の36%で治療の決定を大幅に変更しました。米国の喘息専門医337施設を対象に、FeNO測定が喘息管理に与える影響を調査した別のリアルワールドの研究では、FeNO測定により医師は根本的な気道炎症の評価が可能となり、臨床評価のみの場合と比較して治療計画の大幅な修正につながりました[71]。臨床評価がFENO測定と一致したのは56%の症例のみであった。FENO測定後、医師は31%の症例で治療計画を変更し、90%の症例でICSの処方を変更した[71]。
    • 主に英国で実施された無作為化比較試験では、ベースライン時のFENO レベルと治療群(ICS 対プラセボ)の間に有意な相互作用が観察され、治療効果の大きさはベースライン時の FENO レベルに依存していることが示されています[30]。ベースラインのFENOが10ppb増加するごとに、喘息コントロール質問票(ACQ)-7の平均スコアの変化は、プラセボよりもICSを使用した患者の方が0.071(p=0.044)増加した。ベースラインの FeNO は咳の重症度の改善と強い関連があり、FENOの値が高いほど、咳症状の視覚アナログスケールで 20mm 以上の改善と定義される臨床的反応が得られる確率が高くなりました[30]。喘息の診断と ICS 治療への反応を予測する FeNO の能力を評価した英国の観察研究では、FENO テストの真の有用性は、基礎となる 2 型炎症の存在を検出し、ICS の反応の可能性が非常に低い患者を特定し、喘息治療における ICS の適切な使用を導くことにあると結論づけています[72]。
    • 妊婦の喘息管理をガイドするための FENOの使用は、他の成人の場合よりも、そうではないにしても効果的であるように思われる [73]。妊娠中の喘息の炎症性マーカーに基づく管理の二重盲検無作為化試験では、FENOレベルとACQスコアに基づく治療アルゴリズムは、臨床アルゴリズムと比較して喘息の増悪を有意に減少させ、β2アゴニストの使用を減少させた。この研究では周産期の転帰を評価するための特別なデータは得られなかったが、FeNOによる管理は赤ちゃんの出生体重の正常化をもたらし、新生児の入院率と早産率の低下をもたらした(いずれも喘息のある妊娠では増加する)[73]。さらなる研究が必要であるが、FeNOはICS用量の滴定や喘息治療の管理を指導する上で有用で費用対効果の高いツールとなる可能性があることを示す証拠がいくつかある[59, 74-77]。 www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
  • アドヒアランス :
  • 重症喘息バイオマーカー

  • バイオマーカーガイド管理オプション:モノクローナル抗体バイオ製剤に関する指標
    • ゾレア:EXTRA研究で、 19.5 ppb以上、好酸球数 260 cells/μL以上、血中ペリオスチン 50 ng/mL-1以上でオマリズマブ有効性と関連、特異的vs総 IgE非、血中tryptase、ECP、CD23とは関連性示せず、他PROSPERO研究ではFENOとは有効性関連示せず
    • メポリズマブでは薬物動態反応なしだが、DREAM研究で高値vs低値の好酸球増加群で急性増悪減少可能性
    • デュピルマブ(dupilumab、商品名: デュピクセント Dupixent)はNO+いくつかの亜type 2 炎症性マーカー抑制。好酸球数 150 cell/μL超及び FENO 25 ppb超が治療予測因子



1112RCT被験者。
LTRA治療無し患者群(既往の有無は不問)で、, FENO-ガイド下治療は、急性増悪リスク減少 (OR 0.68, 95% CI 0.49–0.94)し、初回急性増悪までの期間を延長n (hazard ratio (HR) 0.76, 95% CI 0.57–0.99) し、コントロール不良へのリスク軽減に関しては境界的(OR 0.70, 95% CI 0.49–1.00)
非肥満児において、肥満児に比べ、 FENO ガイド下治療で喘息コントロール喪失は少ない(OR 0.69, 95% CI 0.48–0.99)、コントロール喪失出現までの期間は長い (HR 0.77, 95% CI 0.61–0.99)


FENO ばらばら


COVID-19剖検所見:DAD主体 中枢神経系関与少ない

COVID-19の剖検10例では、急性・器質化DAD(diffuse alveolar damage)が主な組織所見で、侵襲性人工呼吸使用有無に変わらず共通した所見

  • 門脈周囲のリンパ球浸潤は非特異的炎症形態だが存在する
  • 心筋・心外膜の病変は全身性炎症を示唆するのか、心筋炎を示唆するのかは不明
  • 中枢神経系病変は認めず


Postmortem Examination of Patients With COVID-19
Tina Schaller, et al.
JAMA. Published online May 21, 2020. doi:10.1001/jama.2020.8907
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2766557?guestAccessKey=7a571320-ff91-4834-bc1d-7542aa5dbe58&utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jama&utm_content=olf&utm_term=052120
May 21, 2020

研究方法
2020年4月4日から4月19日の間に、University Medical Center Augsburg (Germany)で死亡した重度の急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の患者に対して連続剖検。
検死は、 published best practiceに従って行われた。 肺、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、脳、胸水、脳脊髄液(CSF)からの検体評価。剖検鼻咽頭、期間、気管支swab、胸水、CSFでRT-PCRによるSARS-CoV-2検証

結果
死亡したCOVID-19の連続患者12人のうち、死後の検査は10人。 中央値の年齢は79歳(範囲、64-90歳) 7人の患者が男性 すべての症例は入院時に鼻咽頭綿棒によってSARS-CoV-2に陽性反応 入院から死亡までの期間の中央値は7.5日(範囲、1〜26日)
最も頻繁な初期症状には、発熱、咳、呼吸困難が含まれ、9人の患者では、主に中下の肺野における ground-glass opacityを呈する浸潤影が胸部X線で検出。
患者は併存疾患数中央値 4(範囲、0〜6)、心血管疾患が最多。
既存の構造肺損傷(例えば、肺気腫)は2人の患者に見られた。
解剖時または死亡前に中央血管で血栓塞栓性イベントは誰も無かった

侵襲性換気を受けていない6人の患者を含むすべての症例において、様々な病期を呈する(急性呼吸窮迫症候群の病理組織学的関連性がある)disseminated diffuse alveolar damageが主要な組織学的所見であった。diffuse alveolar damageは全肺葉で検出されたが、中下肺に不均一に優位分布。hyaline membrane形成を伴う滲出性早期急性diffuse alveolar damageの徴候、肺胞内浮腫、血管周囲リンパ・形質細胞浸潤を伴う肺胞隔壁肥厚が一致した所見。
器質化stageのdiffuse alveolar damageは、線維芽細胞増生を伴い、一部線維化し、肺胞細胞の過形成により間質性肥厚と肺胞の虚脱を生じることとリンパ球のpatchyな分布が主な所見

器質化diffuse alveolar damageの部分では反応性骨性・扁平上皮異形成も観られる

完全にできあがった線維化は患者1で顕著で、ほぼ完全に肺胞実勢栂破壊されている。
患者5では、軽度の好中球浸潤が観られ二次感染あるいは誤嚥の可能性示唆

患者4と2では、各々、軽度リンパ球性心筋炎:myocarditisとepicarditis徴候があり
感組織では微小な門脈周囲リンパ球形質細胞浸潤と線維化の徴候あり

他の器官には形態学的に検出可能な病理はなかった。

具体的には、脳炎や中枢神経系血管炎の徴候は見つからなかった。

解剖時に、SARS-CoV-2は依然としてすべての患者の気道で検出可能であった。
PCRは、胸水で陽性であったが、すべての脳脊髄液試料において陰性であった。


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この研究には、単一のセンターからの少数の症例や直接ウイルス臓器感染の証拠の欠落を含む制限がある。

COVID-19の肺組織学的特徴は、重症急性呼吸器症候群4および中東呼吸器症候群などの他のベタコロナウイルス感染によって引き起こされる疾患で観察されたものに似ている。 



2020年5月21日木曜日

小児感染の少なさの理由?:若年ほど鼻のACE2遺伝子発現少ない

小児コロナ感染罹患しにくさの理由づけのひとつとなるか?



Nasal Gene Expression of Angiotensin-Converting Enzyme 2 in Children and Adults
Supinda Bunyavanich, et al.
JAMA. Published online May 20, 2020. 
doi:10.1001/jama.2020.8707





データは、低年齢児(10歳未満)、高年齢児(10-17歳)、若年成人(18-24歳)、および成人(25歳以上)におけるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)遺伝子発現の平均値(データポイント)および95%信頼区間(エラーバー)。遺伝子数は、100万人当たりの対数(log2)として示されている。P値は、100万あたりの対数2カウントにおけるACE2遺伝子発現を従属変数、年齢群を独立変数とした線形回帰モデルによるものである。


4歳から60歳までの305人のコホートは、性別のバランスがとれていた(男性48.9%)。このコホートは喘息のバイオマーカーを研究するために募集されたため、49.8%が喘息を有していた。

鼻上皮におけるACE2遺伝子発現には年齢依存性が認められた。ACE2遺伝子発現は、若年児(n = 45)で最も低く(百万あたりの平均log2カウント2.40;95%CI、2.07-2.72)、年齢とともに増加し、年長児(n = 185)では2.77(95%CI、2.64-2.90)、若年成人(n = 46)では3.02(95%CI、2.78-3.26)、成人(n = 29)では3.09(95%CI、2.83-3.35)であった。

ACE2遺伝子発現を従属変数とし、年齢群を独立変数とした線形回帰を行ったところ、低年齢児に比べて、高齢児(P = 0.01)、若年成人(P < 0.001)、成人(P = 0.001)では、ACE2遺伝子発現が有意に高いことが示された。

性別と喘息の分布が年齢群間で異なっていたため、性別と喘息を調整した線形回帰モデルを構築したところ、ACE2発現と年齢群との間にも有意な調整関連(P≦0.05)が示された。無調整モデルと調整モデルから得られた年齢群の回帰係数(β)を表に示す。これらの回帰係数は、与えられた年齢群と10歳未満の小児群との間のACE2発現の差(百万あたりの対数2カウント)を示す。多項式直交コントラストを用いた傾向の検定では、年齢が上がるにつれてACE2発現量の変化に有意な線形傾向が示された(P ≤ 0.05)。

考察
本研究の結果、SARS-CoV-2 と人体の最初の接触点である鼻上皮における ACE2 の年齢依存性の発現が示された。共変量調整モデルにより、ACE2 遺伝子発現と年齢との間の正の関連は、性および喘息とは無関係であることが示された。小児では成人に比べてACE2発現が低いことから、COVID-19が小児では少ない理由を説明するのに役立つかもしれない。

気道内のACE2と年齢との関係を調べた研究はほとんどない。急性呼吸窮迫症候群患者92人の気管支肺胞洗浄液を対象とした研究では、ACE2タンパク質活性と年齢との関連は報告されていないが、上皮遺伝子の発現は調べられておらず、ACE2タンパク質は気管支肺胞洗浄液中にばらつきを持って排出されている可能性がある。
さらに、肺と鼻は環境が異なり、遺伝子発現の違いが知られている 。本研究は、鼻上皮における ACE2 遺伝子発現と加齢との関係について、新しい結果を提供するものである。

インスリン動力学 : 肥満・インスリン抵抗性・肝内トリグリセライド

肥満だが正常の肝内トリグリセライド含量で耐糖能正常である場合(肥満NL)と肥満でかつ非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)でのブドウ糖摂取後の高インスリン血症は、総肝・肝外インスリン抽出量の減少を伴わず、インスリン分泌量の増加による。にもかかわらず、インスリンの抽出過程が飽和可能なため、インスリンを除去する肝臓の最大能力は原価を迎える。肥満NAFLDでは、肝臓および肝外組織へのインスリン送達の増加は、インスリン抵抗性の増加を補うことができず、結果としてグルコースの恒常性が損なわれる。


肥満において肝内インスリン・クリアランスの限界を超え、NAFLDとなる・・・という話か?

Influence of adiposity, insulin resistance, and intrahepatic triglyceride content on insulin kinetics
Gordon I. Smith, et al.
JCI
https://www.jci.org/articles/view/136756

序文

肥満は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、多臓器インスリン抵抗性、および高インスリン血症と関連しており、これらは2型糖尿病および冠動脈性心疾患の主要な危険因子である(1-4)。高インスリン血症とインスリン抵抗性はNAFLDの病態に関与している可能性が高いが(5)、過剰な肝内トリグリセリド(IHTG)含量も高インスリン血症とインスリン抵抗性に寄与している可能性がある。肝臓は、インスリンクリアランスの主要部位であるため、全身の血漿インスリン濃度を調節する上で重要である;やせ体重で健康な人では、肝臓に送達されたインスリンの大部分(~50%)が最初の通過時にクリアされ、さらに20%がその後の通過時にクリアされる(6, 7)。膵臓から分泌された残りの30%のインスリンは、主に腎臓と骨格筋などの肝外臓器によって除去される(6, 8)。NAFLD患者におけるインスリン分泌の増加および肝インスリンクリアランスの障害は、インスリン感受性組織を大量のインスリンに慢性的に曝露することによってインスリン抵抗性に寄与する可能性があり、それによってインスリン受容体結合親和性およびインスリン受容体数がダウンレギュレートされる可能性がある(9-12)。実験的に血漿中インスリン濃度が24時間上昇しただけでも、肝・骨格筋のインスリン抵抗性を引き起こし(13)、インスリン分泌を低下させる薬理学的薬剤を単回投与すると、健康でやせの体重の成人では24時間血漿中グルコースおよびインスリン濃度が低下し、経口耐糖能が改善される(14)。しかし、NAFLD患者では、正常なIHTG含有量の患者と比較して、インスリン分泌が増加しているか、または同じであり、インスリンクリアランスが減少しているか、または同じであることを示した異なる研究からの相反するデータがあるため、IHTG含有量とインスリン動態との関係は明らかではありません(15-18)。研究間の違いの理由としては、被験者の特徴の違いや、IHTG 含量やインスリン代謝の評価方法の違いが関係していると考えられる。


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excess adiposity、インスリン抵抗性、およびhepatic steatosis:肝性ステアトーシスが、インスリン分泌と肝および肝外組織抽出の複雑な統合に及ぼす影響を評価することを目的


研究者らは、高インスリン血症性高血糖クランプ:hyperinsulinemic-euglycemic clampと3時間経口グルコース耐性試験:3-hour oral glucose tolerance testを実施し、3つのグループでグルコース摂取後のインスリン感受性とインスリン動態を解析

  • 痩せたグループ:正常肝内トリグリセライドと耐糖能正常(lやせ-NL; n = 14)
  • 肥満グループ:正常肝内トリグリセライドと耐糖能正常 (肥満-NL; n = 24)
  • 肥満グループ:非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD) 及び prediabetes (obese-NAFLD; n = 22)



インスリン感受性は、やせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群の順に減少

インスリン分泌量は、やせ-NL群から肥満-NAFLD群の順で増加

fractional hepatic insulin extractionは、やせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群の順に減少していくが、
total hepatic insulin extraction (molar amount removed) は、やせ-NL群より、肥満-NL群、肥満-NAFLD群の順に寄り高い


体循環におけるインスリン出現量とextrahepatic insulin extractionはやせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群の順で増加

体循環インスリン出現とtotal hepatic insulin extractionの関係は直線的であったのに対し、total hepatic insulin extractionはインスリンdeliveryのが高い場合に平準化した。




数値は、75gのブドウ糖飲料を摂取してから3時間後に評価した、全身循環におけるβ細胞インスリン分泌、組織インスリンextraction、およびインスリン蓄積の平均率(pmol/分)を示す。膵臓による門脈循環へのインスリン分泌は、やせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群に向かって徐々に増加した。また、門脈循環に入ったインスリンの大部分は、肝臓や肝外組織で直ちに除去されることなく、門脈や肝動脈を経由して肝臓にリサイクルされたため、肝臓に送達されたインスリンの総量(新たに分泌されたインスリンとリサイクルされたインスリン)も、やせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群から順に増加していった。送達されたインスリンの肝分画extraction率は漸減したが、全肝分画extraction率はやせ-NL群から肥満-NL群、肥満-NAFLD群から漸増した。しかし、肝臓へのインスリンの送達が多い場合には、肥満NL群と肥満NAFLD群のように、可飽和型の肝インスリン輸送系が存在するため、肝インスリンextraction率は平準化した。 
肝臓を通過して全身循環に入るインスリンのほとんどは肝臓にリサイクルされ、徐々に増加する量のインスリンは、やせ-NL、肥満-NL、および肥満-NAFLD群の被験者では、肝外組織(主に腎臓と骨格筋)によって除去された。全身循環に入ったインスリンのごく一部(肝外インスリン)は、ブドウ糖摂取後180分までに除去されず、180分時点での血漿インスリン濃度のベースライン以上の上昇に関与していた。



結論 肥満NLおよび肥満NAFLDにおけるブドウ糖摂取後の高インスリン血症は、総肝または肝外インスリン抽出量の減少を伴わないインスリン分泌の増加によるものである。しかし、肝臓でのインスリンの最大extraction能力は、extractionが飽和状態にあるために制限されている。肥満NAFLDにおける肝臓および肝外組織へのインスリン送達の増加は、インスリン抵抗性の増加を補うことができず、結果としてグルコースの恒常性が損なわれる。

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