2020年5月20日水曜日

SARS-CoV-2に対しヒトモノクローナルSARS-CoV抗体が交叉中和抗体となりえる

SARS-CoV-2に対しヒトモノクローナルSARS-CoV抗体が交叉中和抗体となりえる

Cross-neutralization of SARS-CoV-2 by a human monoclonal SARS-CoV antibody
Dora Pinto, et al.
Nature (2020)Cite this article
Published: 18 May 2020
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2349-y


SARS-CoV-2は、現在のCOVID-19パンデミックの原因となっている新たに出現したコロナウイルスであり、2020年5月6日現在、370万人以上の感染と260,000人の死亡をもたらした。
この人獣共通感染症ウイルスのパンデミック拡大を抑制するためには、ワクチンや治療法の開発が最も重要。
SARS-CoV-2スパイク(S)糖タンパク質は、宿主細胞への侵入を促進し、中和抗体の主な標的である。ここでは、2003年にSARS-CoVに感染した個人の記憶B細胞から同定されたSARS-CoV-2 Sを標的とする複数のモノクローナル抗体について記載。
S309と名付けられた1つの抗体は、S受容体結合ドメインに関与することにより、SARS-CoV-2およびSARS-CoV偽ウイルス、ならびに本物のSARS-CoV-2を強力に中和する。

低温電子顕微鏡および結合アッセイを用いて、S309 がサルベコウイルス亜属に保存されている糖鎖含有エピトープを、受容体結合と競合することなく認識することを示した。
ここで同定された他の抗体とともにS309を含む抗体カクテルは、SARS-CoV-2の中和をさらに増強し、中和エスケープ変異体の出現を制限する可能性がある。これらの結果は、S309およびS309を含む抗体カクテルをSARS-CoV-2への曝露リスクが高い患者の予防に使用するための道を開くものである。





宿主細胞へのコロナウイルスの侵入は、ウイルス表面から突出したホモトリマーを形成する膜貫通スパイク(S)糖タンパク質によって媒介される3 。
S糖タンパク質は、2つの機能的なサブユニットで構成されています。S1(A,B,C,D ドメインに分割)は、宿主細胞受容体への結合を担当し、S2 はウイルス膜と細胞膜の融合を促進する4,5 。
SARS-CoV-2とSARS-CoVの両方がサルベコウイルス亜属に属し、それらのS糖タンパク質は80%のアミノ酸配列の同一性を共有しています6 。
SARS-CoV-2 の S は、コウモリの SARS 関連 CoV(SARSr-CoV)RaTG13 と密接に関連しており、97.2%のアミノ酸配列同一性を共有している1 。
我々は最近、ヒト-アンジオテンシン変換酵素2(hACE2)がSARS-CoV1,6-8と同様にSARS-CoV-2の機能的受容体であることを実証した。
S ドメイン B (SB ) は受容体結合ドメイン (RBD) であり、hACE2 に高親和性で結合することから、SARS-CoV10 で以前に提案されていたように、現在のヒトにおける SARS-CoV-2 の急速な感染に寄与している可能性がある6,9 。
コロナウイルス S 糖タンパク質は宿主細胞への侵入を媒介するため、中和抗体の主な標的であり、治療やワクチン設計の努力の焦点となっている3 。
Sの三量体は、広範にタンパク質フォールディング11のために重要であり、宿主プロテアーゼと中和抗体12-17へのアクセス性を調節するN-リンクされた糖鎖で飾られています。
2つの異なる機能状態でSARS-CoV-2 Sの低温電子顕微鏡(cryoEM)構造6,9とhACE218-20と複合体のSARS-CoV-2 SBのcryoEMと結晶構造と一緒に、SBドメインの動的な状態を明らかにし、ワクチンやウイルスの侵入の阻害剤の設計のための青写真を提供しています。
モノクローナル抗体(mAbs)の受動的投与は、予防ワクチンの開発を補完する即時防御を提供することで、SARS-CoV-2パンデミックの制御に大きな影響を与える可能性がある。
パンデミックの設定でmAbsの加速開発は、10-12ヶ月21の従来のタイムラインに比べて5-6ヶ月に削減することができます。
ansuvimab(mAb114)が症候性エボラウイルス感染症に対して安全で効果的な治療法であるという最近の発見は、感染症発生時にmAb療法を成功させた顕著な例である22,23。
我々は以前、SARS-CoV24またはMERS-CoV25に感染した個体のメモリB細胞から強力に中和するヒトmAbを分離しました。
これらの mAbs のパッシブ転送は、様々 な SARS-CoV 単離株と SARS 関連 CoV(SARSr-CoV)24,26,27 と同様に MERS-CoV25 で挑戦した動物を保護しました。
SARS-CoV SおよびMERS-CoV Sとの複合体におけるこれら2つのmAbsの構造解析は、ウイルス中和のメカニズムに関する分子レベルの情報を提供した14。
特に、両 mAb が宿主受容体への SB の付着を阻害する一方で、SARS-CoV 中和性 S230 mAb は、受容体付着を模倣し、S 菌原性コンフォメーション再配列を促進することで機能的に作用した14。
SARS-CoV中和の別のメカニズムは最近、S三量体の3つのSBドメインのうち少なくとも2つがオープンコンフォメーションにあった場合にのみアクセス可能な暗号的エピトープを結合したmAb CR3022について記述された28,29。
しかしながら、これらのmAbはいずれもSARS-CoV-2を中和しない。
SARS-CoVおよびSARS-CoV-2を中和する47D11と呼ばれるmAbもまた、最近ヒトIgトランスジェニックマウスから単離され30、いくつかのMAbがSARS-CoV-2感染者から単離された31。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

2020年5月16日土曜日

COVID-19は【仰臥位】覚醒をもたらす


コロナウイルス疾患2019(COVID-19)のパンデミックにより、呼吸器サポートを必要とする患者が多数発生し、集中治療室(ICU)の過負荷が懸念されている。
一般病棟での非侵襲的換気(NIV)の使用は、一部の患者にとっては代替手段となる可能性があるが、めったに記載されておらず、世界的にも使用されていない
 ある研究では、仰臥位でのNIVの実現可能性が記載されている
仰臥位は肺背側領域を回復させ、気道分泌物を排出することができ、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)でのガス交換と生存率を改善することができる

COVID-19患者の症例シリーズでこの介入を使用した後の呼吸パラメータを報告



Respiratory Parameters in Patients With COVID-19 After Using Noninvasive Ventilation in the Prone Position Outside the Intensive Care Unit
Chiara Sartini, et al.
JAMA. Published online May 15, 2020. doi:10.1001/jama.2020.7861
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2766291











Prone Position in Non-Invasive Ventilation and High-Flow Oxygen Therapy (ProPNIVFlow)
https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04306107

<hr>

だが、そもそも、ARDSとは異なる特性報告もある


However, the patients with COVID-19 pneumonia, despite meeting the Berlin definition of ARDS, present an atypical form of the syndrome. Indeed, the primary characteristic we are observing (and has been confirmed by colleagues in other hospitals) is a dissociation between their relatively well-preserved lung mechanics and the severity of hypoxemia. 

COVID-19 Does Not Lead to a “Typical” Acute Respiratory Distress Syndrome
Luciano Gattinoni ,et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.202003-0817LE       PubMed: 32228035
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 201, Issue 10

2020年5月15日金曜日

血中好酸球の正常値は考え直した方が良い

Wikipediaでは好酸球増加は500/μLとなってる
Eosinophilia is a condition in which the eosinophil count in the peripheral blood exceeds 0.5×10 /l (500/μL). 
https://en.wikipedia.org/wiki/Eosinophilia

好酸球の増加する疾患は、感染症、アレルギー、悪性腫瘍、原因不明のものなど多岐にわたり、好酸球数500~1500/μlを軽度増加、1500~5000/μlを中等度増加、5000/μl以上を高度増加とする。
http://www.imed3.med.osaka-u.ac.jp/disease/d-immu07-2.html

など・・・500/μLが多いのかな?

年寄り医師になりかけてる私らは7%だった記憶がある・・・


最近の呼吸器医師にとって、好酸球は150/μLやら300/μLなどの指標が関心の的となっている



Blood eosinophil count in the general population: typical values and potential confounders
Sylvia Hartl, et al.
European Respiratory Journal 2020 55: 1901874; 
DOI: 10.1183/13993003.01874-2019

喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患の管理における血中好酸球数への関心が高まっている。にもかかわらず、一般集団における典型的な血中好酸球レベル、およびこれらのレベルに対する潜在的な交絡因子の影響は明確に定義されていない。
オーストリアの一般集団から募集した 11 042 名の被験者の無作為サンプルで血液中の好酸球数を測定した。次に、以下を行った。1)高血中好酸球数(パーセンタイル75%以上)に関連する因子を同定し、2)これらの因子を有する被験者を除外して、「健康な」部分集団(n=3641)における血中好酸球数の中央値を推定した。
その結果、以下のことが明らかになった。 
1) コホート全体では、年齢18歳以下(OR 2.41)、喘息(OR 2.05)、現在の喫煙(OR 1.72)、皮膚プリックテスト陽性(OR 1.64)、COPD(OR 1.56)、メタボリックシンドローム(OR 1.41)、男性性(OR 1.36)および肥満(OR 1.16)が血中好酸球数高値と有意に関連し(バイナリ多変量ロジスティクス回帰分析)(p<0.05)、additiveな影響であった。
2)これらの因子を除外した後、18歳以上では、血中好酸球数は女性よりも男性の方が高く(中央値120(5%-95%CI:30-330)対100(30-310)cells-µL-1、それぞれ)、年齢とともに変化しなかった。 
成人の血中好酸球数の中央値は、現在正常と考えられている値よりもかなり低く、思春期を超えても年齢とともに変化しないが、相加的な効果を持つ様々な因子によって有意に影響を受けている。これらの観察結果は、臨床における血中好酸球数の解釈に貢献するものと思われます。





エディトリアルの一部

The search for the “healthy” blood eosinophil count
Signe Vedel-Krogh
European Respiratory Journal 2020 55: 2000473; 
DOI: 10.1183/13993003.00473-2020


アトピー患者では好酸球数が高い [9, 15] が、血中好酸球数の増加は密接に関連しているわけでも、アトピー患者のみに見られるわけでもない。外来では軽度の血中好酸球数の3分の1以上の人に直接の原因が検出されておらず[9]、一般集団ではアレルギー以外の好酸球数の増加と相関する特徴に関するデータは限られている。そのため、今号のEuropean Respiratory Journalに掲載されたHartlらの論文は非常に興味深いものである。これは一般集団の大規模な研究で、著者らは、高血中好酸球数に関連する因子を特定し、オーストリアのLEADコホートを使用して健康な亜集団の正常値を推定することを目的としています。Hartlら[16]は、これまでの所見と一致して、平均0.128×109 cells-L-1の血中好酸球数の右傾化した分布を発見した;これもまた、現在正常値として認識されている値の下限である。調査対象者の75%が好酸球数が0.210×109個-L-1以下であった。0.210×109 cells-L-1よりも高い血球数に関連する因子は、男性の性別、若い年齢、皮膚穿刺検査陽性、現在の喫煙、肥満、メタボリックシンドローム、喘息またはCOPDのいずれかの診断であった。さらに、血中好酸球数が最も高かったのは、メタボリックシンドロームと現在の喫煙を組み合わせた皮膚プリックテスト陽性者であった。好酸球数が高いことに関連する変数を持つ個人を除外した後、本研究では、好酸球数の中央値は男性で0.120×109、女性で0.100×109であり、95パーセンタイルはクリニックで使用されている正常範囲の上限値よりも一貫して低いことが明らかになった。興味深いことに、成人の健康な集団では、95パーセンタイルの値は約0.300×109であり、これはCOPD患者を対象とした研究において、増悪のリスクが高いとされるカットオフ値に近い値である。0.300×109のカットオフ値は、吸入コルチコステロイドによる治療が最も有益である可能性が高いCOPD患者を特定し、標的生物学的治療の対象となる重度の喘息患者を特定するためにも使用されている。これらのしきい値の中には、現在臨床で使用されている0.5×109細胞-L-1の上限値を大きく下回るものもあり、疑問視されているものもある。Hartlら[16]による研究の結果は、喘息およびCOPDにおける治療を導くための正しいカットオフ値、または慢性気道疾患における好酸球性炎症を定義するために使用される適切な閾値についての証拠を提供していないが、この研究では、0.300×109細胞-L-1以上のカウントは健康な成人ではあまり見られず、したがって慢性気道疾患で使用されるカットオフ値を間接的に支持していることが分かっている。


Covid-19肺炎CT所見:インフルエンザ肺炎との鑑別点

COVID-19と季節性インフルエンザの比較は apples-to-apples比較で、 apples-to-oragnes比較では無いそうだ。"Although officials may say that SARS-CoV-2 is “just another flu,” this is not true."という論評
JAMA Intern Med. Published online May 14, 2020. doi:10.1001/jamainternmed.2020.2306

それでも臨床上の違いはある。血管内皮や凝固系への影響などとともにCT所見も・・・

Covid-19肺炎

  • COVID-19群の最も一般的な画像所見は、pure GGO、コンソリデーション所見を含むGGO、円形陰影(rounded opacity)、気管支壁の肥厚、および葉間中隔の肥厚であり、これは先行研究と一致
  • pureなコンソリデーションは症例は少ない
  • 疾患進行につれコンソリデーション病変が多くなり、特に若年より高齢では比率が多いというのも画像診断上念頭に置く必要がある。

他疾患では・・・
  • 小葉間胸膜肥厚はパラインフルエンザ、HantavirusやSARSでみられ、間質液、細胞性浸潤、線維化を示唆
  • インフルエンザやパラインフルエンザ、アデノウィルス汗腺では浮腫や平滑筋過形成により細気管支壁肥厚所見が観られる
  • 結節性陰影はサイズにより鑑別され、直径10mm未満がウィルス汗腺で多く観られ、インフルエンザでは71%で結節性陰影観察。



COVID-19 pneumonia: CT findings of 122 patients and differentiation from influenza pneumonia
Mengqi Liu,  et al.
European Radiology (2020)
Published: 12 May 2020
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-020-06928-0

目的
COVID-19肺炎の臨床および胸部CTの特徴を調査し、COVID-19肺炎とインフルエンザとの放射線学的な違いを探る。

材料と方法
COVID-19が確認された患者(男性61名、女性61名、48±15年)とインフルエンザが確認された患者(男性23名、女性25名、47±19年)の合計122名が登録された。薄切開CTを実施した。臨床データと胸部CT所見を記録した。

結果
COVID-19の症状で最も多かったのは発熱(74%)と咳(63%)で、102人(83%)に武漢接触があった。
COVID-19患者50人(45%)の肺炎は肺の末梢部に分布していたが、インフルエンザ患者26人(74%)では混合分布を示した(p=0.022)。

COVID-19群で最も多かったCT所見は、

  • pure ground-glass opacities (GGO, 36%)
  • GGO with consolidation (51%)
  • rounded opacities (35%)
  • linear opacities (64%)
  • bronchiolar wall thickening (49%) 
  • interlobular septal thickening (66%)


インフルエンザ群と比較して、COVID-19群で
多い所見

  • rounded opacities (35% vs. 17%, p = 0.048) 
  • interlobular septal thickening (66% vs. 43%, p = 0.014)

少ない所見

  • nodules (28% vs. 71%, p < 0.001)
  • tree-in-bud sign (9% vs. 40%, p < 0.001)
  • pleural effusion (6% vs. 31%, p < 0.001)


結論
COVID-19患者とインフルエンザ患者のCT所見には有意な差がある。
COVID-19では、rounded opacities 、interlobular septal thickeningが正の所見、逆に noduleやtree-in-bud signがないこと、典型的な末梢分布が特徴で、COVID-19とインフルエンザの鑑別に役立つと考えられる。


CT features of COVID-19-related pneumonia. a Ground-glass opacities with a peripheral distribution. b Ground-glass opacities with consolidation. c Rounded GGO. d Interlobular septal thickening. e Bronchiolar wall thickening (arrow). f Nodule (arrow). g Crazy paving pattern. h Halo sign (arrow)



vs インフルエンザ肺炎


Most common CT features of influenza pneumonia. a Ground-glass opacities with consolidation with a peripheral distribution. b Consolidation without ground-glass opacities. c Multiple nodules and tree-in-bud sign (arrow)

COPDにおける吸気時声帯閉塞

喘息診断時に除外診断の一つとして必ず上げられるVCDだが、COPDとの関連性はあきらかではなかった。


ダイナミックCTを用い、COPDで検討、検討症例において
吸気性声帯閉塞:安定COPDで 21/76 27.6% vs COPD急性増悪症例にて 19/61 31.1%
呼気性声帯閉塞:安定COPDで 22/76 28.9% vs COPD急性増悪症例にて 17/61 27.9%


吸気時・呼気時声帯閉塞は3割程度に観られた
特に、呼気時声帯閉塞は結果としてPEEP効果があり代償的な側面も考えられるが、吸気時声帯閉塞は不利な面しか思いつかない。この病的意義は今後の課題だろう。


Inspiratory vocal cord closure in COPD
Paul Leong, et al.
European Respiratory Journal 2020 55: 1901466;
DOI: 10.1183/13993003.01466-2019
https://erj.ersjournals.com/content/55/5/1901466?rss=1



正常な吸気時には、軽度の外転(拡がり)がみられるが声帯の動きは限定的。一方、吸気時閉鎖は声帯機能障害(VCD)の特徴であり難治性の息切れを引き起こす可能性がある。
しかし、他の閉塞性肺疾患では、吸気性声帯活動の異常や吸気性声帯機能障害の原因となるVCDでは明らかにされていない。慢性閉塞性肺疾患(COPD)で吸気閉鎖が起こるかどうかを明らかにすることが重要であると考え、COPDの急性増悪時(AECOPD)だけでなく、COPDでも吸気閉鎖が頻繁に起こるのではないかという仮説を立て、喉頭のダイナミックコンピュータ断層撮影(CT)を用いて3つのグループを評価した。

健常者とexcessive  dynamic  airway  collapse  (EDAC)を検討する研究に参加したCOPD患者を評価。対照群は呼吸器症状のない健康な高齢者ボランティア(n=40)
安定型COPD群は、当初のコホートの患者に加えて、労作時に息切れを起こした外来患者(n=76)を加えたものである。
過去3ヵ月間にCOPD(AECOPD)の急性増悪があった患者はいなかった。
第3のグループは、AECOPD入院患者(n=61)で構成され、AECOPDからの回復後に肺機能検査が行われた。

COPDは専門の肺専門医によって診断され、Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease気流制限分類の上で、スピロメトリー確認。研究はモナシュ医療センター(メルボルン、オーストラリア)で行われ、すべての研究はモナシュ健康人間研究倫理委員会によって承認された。患者はインフォームドコンセントを得ている。
吸気閉塞の診断上のgold standardは経鼻喉頭鏡だが使用に限界があり、代替的アプローチを開発した方法は喉頭のダイナミックCTである。
慢性喘息での吸気時閉塞と推定VCD診断上使用可能で、急性喘息での研究報告を筆者等は行ったばかりである。
簡単に言えば、声帯径の測定を0.35秒間隔で行い、気管測定値正規化し、診断アルゴリズムに統合。呼吸サイクルをカバーする患者毎曲線生成し、標準曲線と比較され、患者曲線が吸気中(または吸気と呼気の両方の間ではあるが、呼気のみではない)に正常曲線の下限値以下であれば、吸気閉鎖を検出することができる。この方法は特異性が高く、安定した疾患では喉頭鏡検査と同等であることが示されている。
今回の研究では、Fisher's exact test(カテゴリカルデータ)と適切なノンパラメトリック検定(連続データ)を用いて、吸気閉塞のない患者と吸気閉塞のある患者を比較。

安定型COPD群では,人口統計学的変数(年齢,性別,肥満度,気管支拡張剤反応,拡散能を含むスピロメトリー)は,鼓膜閉鎖が検出された患者と検出されなかった患者の間に差はなかった.

年齢、性別、喫煙歴、体格指数、FEV1、気管支拡張剤反応および拡散能は、BAP65クラスおよび入院期間を含む増悪特性と同様に、類似していた。今回の研究では、健常者では鼓膜閉鎖は検出されなかったが、COPD患者の約4分の1では異常が認められた。
AECOPDの別のグループでも有病率は同様であった。

これらの予備的な知見は、VCDの真髄である吸気異常はCOPDでは一般的であり、VCDは「目の前で」起こっている可能性があることを示している。 真の "VCD "を有するかどうかは、臨床的な状況に応じて、それに見合った症状を伴う吸気性声帯運動の異常が必要であることを考慮して、さらに研究を進める必要がある。

この知見は、少なくとも一部のCOPD患者ではVCDが症状を複合化させる可能性があることを示唆しており、この点についても今後の研究が必要である。

喘息を対象とした筆者等の先行研究では、気道閉塞とそれに伴う呼吸機能障害が多くの患者で喉頭活性化を引き起こし、VCDを引き起こす可能性が示唆されている。この病態生理学は、COPDにおける呼吸機能障害の有病率が高いことを考えると、COPDにも当てはまるかもしれない。 また、 他の説明も可能である。例えば、COPDでは機能的な呼気喉頭変化が報告されているが、運動時に呼気喉頭閉鎖を伴うものであり、これは正の呼気終末圧を発生させるもっともらしい生理的メカニズムであるかもしれない。一般的に鼓膜閉鎖は異常であると考えられているが、声帯の閉鎖はCOPDにおける代償的な戦略の一部である可能性があるがまだ解明されてない。

なぜCOPDでは声帯の鼓膜閉鎖とVCDが疑われてこなかったのか?いくつかの可能性が考えられるが、COPD患者は(診断の一部として)呼吸機能が低下しており、そのために息切れの原因とされてきた。さらに、COPDの症状は治療不応のことが多く、対照的に喘息は、(ほとんどの場合)肺機能が正常であることが特徴であり、息切れが治療に反応しない場合には、早期にVCDを疑うことができた。

総括すれば、この知見は、長い間無視されてきた気道の重要な部分である「中気道」の重要性を浮かび上がらせたものである。

この予備データの解釈には、考慮すべき重要な側面がある。 
喘息患者を除外するように注意が払われたが、少数の患者が含まれている可能性がある。  
 COPD患者の慎重な再審査では、喘息の証拠は見つからなかった。 
 すべての患者は喫煙者(両COPD群とも40パック年以上)であり、肺機能に障害があり、呼吸器専門医によるCOPDの診断と治療を受けていた。 
また、COPD群は健康な対照群よりも高齢であった。 年齢はVCDとは関係がないので、この要因が今回の所見を説明するとは考えにくいと思われる。
最後に、吸気閉鎖の検出に使用したアルゴリズムの初期バリデーションを喘息で行った。

まとめると、COPDと共存する鼓膜性声帯閉鎖症は息切れを増幅させ、薬理学的治療や他の治療を鈍らせる可能性があることが報告されている。


2020年5月14日木曜日

COPD:呼吸リハビリテーションは退院後すぐに始めましょう 予後改善

 2016 Cochrane meta-analysisや最近のメタアナリシスでは退院後すぐの肺リハビリテーション開始が予後改善に寄与するというが、急性増悪後3−4週間胃内開始推奨するガイドラインがある

  • Puhan MA, Gimeno-Santos E, Cates CJ,Troosters T. Pulmonary rehabilitation followingexacerbations of chronic obstructive pulmonarydisease.Cochrane Database Syst Rev. 2016;12:CD005305. doi:10.1002/14651858.CD005305.pub4
  • Ryrsø CK, Godtfredsen NS, Kofod LM, et al.Lower mortality after early supervised pulmonaryrehabilitation following COPD-exacerbations:a systematic review and meta-analysis.BMC Pulm Med. 2018;18(1):154. doi:10.1186/s12890-018-0718-1


退院直後のリハビリテーション開始を後押したいというような趣旨?

後顧的研究なので エビデンスは限定的


Association Between Initiation of Pulmonary Rehabilitation After Hospitalization for COPD and 1-Year Survival Among Medicare Beneficiaries
Peter K. Lindenauer, et al.
JAMA. 2020;323(18):1813-1823. doi:10.1001/jama.2020.4437
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2765730

キーポイント
質問:質問 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の入院後の肺リハビリテーションの開始は生存率の向上につながるか?
知見: COPDで入院後に退院したメディケア受給者197 376人を対象としたこのレトロスペクティブ観察研究では、退院後3ヵ月以内に肺リハビリテーションを開始した場合、それ以降に肺リハビリテーションを開始した場合としなかった場合を比較して、1年後の死亡リスクの低下と有意に関連していた(ハザード比、0.63)

意義:これらの所見は、COPDの入院後の肺リハビリテーションに関する現在のガイドラインの推奨を支持するものであるが、交絡が残存する可能性があり、さらなる研究が必要である。

要約:
意義:COPD急性増悪後の肺リハビリテーション開始は生存率改善と相関することがメタアナリシスにて示唆されている。ただ、被検患者数は小さく、heterogeneityは高い。現行ガイドラインでは患者は退院後肺リハビリテーション参加推奨している

目的 退院後90日以内の肺リハビリテーション開始と1年後の生存率の関連性を決める

デザイン、セッティング・被験者 後顧的inceptionコホート研究は2014年に米国の4446の急性期病院でCOPDのために入院した有料サービスのメディケア受給者の請求データを使用。追跡調査の最終日は2015年12月31日

暴露 退院後90日以内肺リハビリテーション開始

主要アウトカムと測定項目 プライマリアウトカムは1年時点での全死亡率
他院から脂肪までの期間を肺リハビリテーション時間変化暴露のCox回帰にてモデル化、死亡率、アンバランスな特性補正と入りハビリテーションのpropensity補正した。
付加解析は呼吸リハビリテーションタイミングと死亡率の関連性、完遂セッション数と死亡率の関連性も評価

結果 197,376名の患者(平均年齢 76.9歳、 女性 58.6% 115,690名)のうち、退院時90日内の肺リハビリテーション開始 2721(1.5%)
退院後1年以内死亡 38,302(19.4%)で、90日内肺リハビリテーション開始 7.3%、90日移行肺リハビリテーション開始もしくは開始無しの死亡は 19.6%

90日内肺リハビリテーション開始は1年時点での死亡率低下と有意相関 (絶対的リスク差 [ARD], –6.7% [95% CI, –7.9% to –5.6%]; ハザード比 [HR], 0.63 [95% CI, 0.57 to 0.69]; P < .001)




肺リハビリテーションの開始は、
開始日から30日以内の範囲で死亡率の低下と有意に関連していた  (ARD, –4.6% [95% CI, –5.9% to –3.2%]; HR, 0.74 [95% CI, 0.67 to 0.82]; P < .001) 
退院後61−90日でも有意相関 (ARD, –11.1% [95% CI, –13.2% to –8.4%]; HR, 0.40 [95% CI, 0.30 to 0.54]; P < .001)

セッション3付加毎に有意に死亡リスク低下 (HR, 0.91 [95% CI, 0.85 to 0.98]; P = .01)

結論と知見 COPDで入院した有料メディケア受給者において、退院後3ヶ月以内に肺リハビリテーションを開始することは、1年後の死亡リスクの低下と有意に関連していた。これらの知見は、COPDの入院後の肺リハビリテーションに関する現在のガイドラインの推奨を支持するものであるが、交絡が残存する可能性があり、さらなる研究が必要である。
き

Covid-19と糖尿病

Covid-19は糖尿病の人は罹患しやすい・・・という推定は妥当なところだと誰しも思う。しかし、メタアナリシスでも明確に出るはず・・・と思いきや、実際さほどクリアカットな結果では無いという印象

だが、私の印象とは違い
本研究では、2019-nCoV患者の糖尿病有病率が体系的に評価されている。本研究は、2019-nCoV患者の糖尿病有病率を報告した最初の研究であることが確認された。2020年2月25日までのPubMed、Embase、Web of Science、Medlineを検索したところ、研究者は本研究に含めるべき9つの論文を特定した。プールされたDMの有病率は9%であった。研究者らは、2019-nCoVを有する重症患者と2019-nCoVを有する中等度患者では、DMの有病率が有意に高いことを観察した。この知見は、将来的に2019-nCoVの普及を制限するために有益である可能性がある。
と結論づけている。故に、この結果がいろんなところで引用されると思うのだが・・・内用をみるとちょっと疑問あり

糖尿病罹病率は加齢と共に増加し、その影響を差し引かなければならない

そもそも、糖尿病有無という二分割が果たして妥当なのだろうか?
コントロール不良や合併症・併存疾患や罹病年数など按分しなくてよいのか・・・など考えるとさほどクリアカットではない




Prevalence of diabetes mellitus in 2019 novel coronavirus: a Meta-analysis
https://doi.org/10.1016/j.diabres.2020.108200
Diabetes Research and Clinical Practice
Available online 12 May 2020, 108200
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168822720304502
Diabetes Research and Clinical Practice

合計9編の論文が適格基準を満たした。プールされたDMの有病率は9%(95%CI 6%~12%)であった。これらの研究におけるDMの有病率には明らかな不均一性(I2 65%、p=0.004)があった。2019-nCoVの中等度患者におけるDMの有病率は7%(95%CI 4~10%)であった。2019-nCoVの重症患者におけるDMの有病率は17%(95%CI 13%~21%)であった。2019-nCoVの重症患者におけるDMの有病率は、2019-nCoVの中等度患者におけるDMの有病率よりも有意に高かった(OR 2.49、95%CI 1.70~3.64)



肥満の増加や人口の高齢化により、DMの有病率が上昇している。
糖尿病と感染症には密接な関係があった。 以前の研究では、DM患者は下気道感染症(上気道感染症ではない)や尿路感染症を発症しやすいことが示されていた。
別の研究では、糖尿病患者は糖尿病のない患者と比較して、感染症で入院する可能性が高いことが示された。以前の研究では、2型糖尿病の高齢者では感染症がより深刻であることが示された。
97の前向きコホート研究のメタアナリシスでは、糖尿病患者は糖尿病のない患者と比較して、全死因による死亡リスクが高いことが示された。
先行研究では、中国における2型糖尿病の有病率は45~54歳で7.3%(95%CI 5.8~8.7%)、55~64歳で11.0%(95%CI 9.0~13.0%)であった。
別の研究では、年齢標準化された全糖尿病有病率は9.7%(男性10.6%、女性8.8%)で、2019-nCoV患者のDM有病率(9%、95%CI 6~12%)や2型糖尿病の全有病率(9.1%)と同様であった。
糖尿病の有病率は60歳以上の年齢層で20.4%であり、年齢中央値が56.5歳の2019-nCoV重症患者のDM有病率(17%、95%CI 13%~21%)よりもわずかに高かった

しかしながら、この研究にはいくつかの限界がある。
第一に、含まれる研究の多くがアウトカム解析のために参加者を異なるグループに分けていなかったため、我々はサブグループ解析を行っていない。
第二に、今回のメタアナリシスでは、すべての研究がレトロスペクティブであり、明らかな不均一性を有していたため、この問題を解決するために、メタアナリシスではランダム効果を採用しました。
 第三に、本研究は対照群を含まない単群メタアナリシスであるため、因果関係の判定が困難である。
第四に、含まれている研究はすべてレトロスペクティブ研究であり、そのほとんどが年齢群を持たないため、因果関係の判定が困難である。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...