U.S. Preventive Services Task Forceの前立腺癌検診推奨ステートメント
Screening for Prostate Cancer: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
Virginia A. Moyer, MD, MPH, on behalf of the U.S. Preventive Services Task Force
http://www.annals.org/content/early/2012/05/21/0003-4819-157-2-201207170-00459.full
結論は USPSTFは、前立腺癌のためのPSAベースの検診を推奨しない(grade D recommendation).
上記、推奨ステートメント発表に際し、U.S. Preventive Services Task Forceの医療専門委員トップが、前立腺癌検診のためのPSAルーチン検査行うべきではないと述べている。
情報ソース: U.S. panel recommends against PSA tests for screening prostate cancer in men of all ages May 21, 2012
http://www.cbsnews.com/8301-504763_162-57438590-10391704/u.s-panel-recommends-against-psa-tests-for-screening-prostate-cancer-in-men-of-all-ages/?tag=contentMain;contentBody
さて、今回も、PSA検診続行の愚挙を重ねるのか? ・・・ 日本
PSA検診に関して「厚生省・研究班(前立腺がん検診ガイドライン)」と「日本泌尿器科学会」の対立の歴史がある。日本泌尿器科学会は、USPSTF推奨論拠を崩すだけの独自エビデンスをもってるとはとうてい思えない。これでも、無視をつづけるなら、たんなる業界エゴと批判を受けるだろう。
参考:科学的根拠に基づくがん検診推進のページ
PSA検査:推奨グレードI
前立腺特異抗原(PSA)検査は、前立腺がんの早期診断をする上で有用な検査です。しかし、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分であるため、現在のところ対策型検診として実施することは勧められません。
任意型検診として実施する場合には、死亡率減少効果が未だ確定していないこと、利益の可能性と、過剰診断を含む不利益について適切に説明する必要があります。適切な説明に基づく受診については個人の判断に委ねます。
今後引き続き、死亡率減少効果に関する評価研究が必要である。特に欧米とは罹患率等が異なるわが国において、前立腺がん死亡をエンドポイントとした質の高い研究(個人の受診歴に基づく、無作為化比較対照試験、大規模コホート研究、症例対照研究など)の実施を勧めます。
http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/zenritsusengan.html
【蛇足】
日本の専門家というのはなんでも“むら社会”を作り、その“むら”を守ろうとして、詭弁やごまかしを繰り返す。 検診分野は比較的医療の世界に比 べ、マスコミから好意的に扱われているためか、ガラパゴス化している日本の検診システムを批判することは少ない。一部週刊誌がときに扱う程度である。
岡田正彦教授(新潟大学)に共感・同意する部分多し :がん検診 2012年2月15日水曜日
間寛平さんが、PSA検診の広告塔となってることに、危機感を感じる。 2011年 01月 04日
アメリカがすべて正しいというわけではないが、少なくとも、日本の検診施策政策上の意思決定は稚拙すぎる。 東大などを頂点とする意見がそのまんま採用され、批判に対しても、かれらが一喝あるいは無視することで無視される。
(e.g. NGSP、JDSに関する混乱 ・・・ 糖尿病学会と行政立案者は同一人物が関与してるのに・・・ 2012年3月23日)
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