"Fasting time and lipid levels in a community-based population: A cross-sectional study"
Sidhu D, et al
Arch Intern Med 2012; DOI: 10.1001/archinternmed.2012.3708.
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1391022
【背景】 現行ガイドラインでは、総脂質・脂質サブクラスは、空腹状態(最終食事から8時間超)で測定すべきと推奨されている。しかし、最新の研究では、被空腹時脂質特性変化は食事摂取による反応最小で、副事象アウトカム測定に関しては空腹時測定より優れてるかもしれないことも示唆されている。
この研究の目的は、空腹時と脂質値の関連を検討
【方法】 検査データ、空腹期間(時間で)、脂質結果を含む横断的調査を2011年大規模地域ベースコホートで6ヶ月間施行
データは、カルガリー州及び周辺地域(人口140万人)の単独の検査提供サービス Calgary Laboratory Services(Calgary Alberta, Canada)から入手
メインアウトカム測定は、1-16時間までの空腹時間でのHDL、LDL、総コレステロール、トリグリセリド
個々年齢での差を補正後、線形回帰モデルを用い、様々な空腹時間におけるコレステロールサブクラスの平均値を推定
【結果】 総数20万9千180名(女性 11万1048名、男性 9万8千132名)検討
総コレステロール、HDLコレステロールの平均値は、種々空腹期間に於ける個別的差少ない。
平均計算LDLコレステロールにおいて、様々な空腹期間での患者群で、軽度10%までのばらつきを示し、平均中性脂肪値では20%までのばらつきを示す。
【結論】 空腹時間は、地域住民ベースでは、脂質サブクラスとの関連性は軽度で、空腹時ルーチン脂質検査は大まかに言えば不要。
Discussionに書かれてるとおり、個別の食事内容での検討されておらず、検診の場に限られた話ということ。アポリポ蛋白B100、A-1、B100/A1比など検討されてない。空腹時/食後脂質特性と予後関連に関しての研究報告でないことなど・・・この報告の限界が示されている。
一方、食事後脂質特性はインスリン抵抗性と関連し、食後脂質・リポ蛋白クリアランス悪化と関連する指標でもある。故に高トリグリセリド血症はインスリン抵抗性の優れた指標ということになる。
いずれにせよ、食後脂質値に関して、一定の評価指標が必要となるだろう。
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