メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 : Methylenetetrahydrofolate reductase (MTHFR) は、重要な酵素で、この酵素の欠損・機能障害により、心筋梗塞、卒中、静脈血栓症、特定のがん、認知障害、炎症性腸疾患、神経疾患病態と関連。この酵素の機能欠損変異は、ホモシステイン尿症と関連。この酵素がなければメチオニンに転換できない。ホモシステイン過剰による尿排泄増加も存在。多くの臓器に障害を与える変異も存在。
エナラプリル(10mg)と葉酸(0.8mg)合剤による高血圧中国人成人対象の初回卒中一次予防介入
Efficacy of Folic Acid Therapy in Primary Prevention of Stroke Among Adults With Hypertension in China
The CSPPT Randomized Clinical Trial
Yong Huo, et. al.
; for the CSPPT Investigators
JAMA. Published online March 15, 2015. doi:10.1001/jama.2015.2274
治療期間中央値 4.5年間、エナラプリル単独群と比較
・ 合剤群では有意に初回卒中減少 ( エナラプリル・葉酸合剤群 2.7% vs エナラプリル単独群 3.4% ; ハザード比 [HR], 0.79; 95% CI, 0.68-0.93)
・ 初回虚血性卒中減少 (2.2% vs 2.8% ; HR, 0.76; 95% CI, 0.64-0.91)
・ 組み合わせ心血管イベント減少(心血管死、心筋梗塞、卒中) 3.1% vs 3 .9% ; HR, 0.80; 95% CI, 0.69-0.92)
要約ではばっさりだが・・・
出血性卒中リスク HR, 0.93; 95% CI, 0.65-1.34)、心筋梗塞 (HR, 1.04; 95% CI, 0.60-1.82)、全原因死亡(HR, 0.94; 95% CI, 0.81-1.10) では2群間に有意差無し
副事象頻度に関して群間差認めず
MTHFR C677T Genotypeに関して、正常ホモ接合体であるCC、ヘテロ接合体CTでは量依存的なベースライン葉酸値と卒中リスク増加が見られたが、異常ホモ接合体であるTTでは葉酸レベルに無縁に卒中リスク高い。
日本の大学・研究施設がレベルの低い臨床研究、PROVEなんたらにかまけてる間に、中国はまともな臨床研究してたんだなぁ・・・と。この差はひろがるいっぽうだろうなぁ・・・と思う、今日この頃。
0 件のコメント:
コメントを投稿