2012年5月30日水曜日

耳鳴治療:臨床心理・運動療法を含む専門家治療ベースでQOL、耳鳴り重症度・障害改善効果

耳鳴りは成人の21%まで発症し、不快で聴覚的問題と関連するが、コスト的問題の無い薬物手段や標準的手法は存在せず、問題の長期化が存在する。



Specialised treatment based on cognitive behaviour therapy versus usual care for tinnitus: a randomised controlled trial
The Lancet, Volume 379, Issue 9830, Pages 1951 - 1959, 26 May 2012

耳鳴の重症度・聴力障害で層別化
4つのブロック化
・音に焦点を当てた耳鳴再訓練治療を伴う認知行動療法の特異化ケア
・通常ケア
コンピュータ割り付け1:1

患者・評価者には割り付けマスク

プライマリアウトカムはHRQOL、耳鳴重症度(アンケートスコア)、耳鳴による障害程度(耳鳴ハンディキャップ一覧スコア)、治療開始前、3ヶ月後、8ヶ月後、12ヶ月後


2007年9月から2011年1月まで、741名のスクリーニング患者のうち492(66%)を登録・治療。

通常ケア割り付け 247名。245名特異的ケア割り付け

特異ケアにて、12ヶ月でHRQOL改善 (群間差 0.059, 95% CI 0.025 ~ 0.094; effect size of Cohen's d=0.24; p=0.0009)、耳鳴重症度減少 (−8.062, −10.829 ~ −5.295; d=0.43; p<0.0001) 、耳鳴障害改善 (−7.506, −10.661 ~ −4.352; d=0.45; p<0.0001)

治療は初期の耳鳴重症度と関連無く有効なようで、このトライアルでは副事象認めず

通常ケアと書かれてはいるが、耳科学的リハビリテーション、耳科学的フォローアップやsocial workとそのフォローアップを含むケアである。
一方介入群は、多職種的チーム医療、臨床心理士、運動療法士を含む介入である

こういう Multidisciplinary team 医療ってのは、日本のもっとも不得意な分野、医療制度上も資格制度上も・・・

こうやって、耳鳴りの訴え放置される事例多数・・・

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