以前の報告とも異なり、教育管理プログラムがアウトカム悪化と関連するというショッキングな報告。
今後、この種の、COPD教育プログラムに関する報告のプロトコール・研究デザインに関し 、今まで以上に、十分配慮が必要となった。
論文中、プロトコールの問題点や個別症例の病状把握やバイアスなど考察されている。
A Comprehensive Care Management Program to Prevent Chronic Obstructive Pulmonary Disease Hospitalizations
A Randomized, Controlled Trial
Vincent S. Fan, et. al.
Ann. Int. Med. May 15, 2012 vol. 156 no. 10 673-683
4つの個別セッション、1つのグループセッションのCOPD教育、計画化されたケースマネージメント電話応答からなるCCMP(Comprehensive Care Management Program ):包括ケア・マネージメント・プログラム
割り付けはランダム化
プライマリアウトカムはCOPD入院までの期間
介入群 209、対照(通常ケア)群 217
安全性確保のため、データモニタリング委員会にてトライアル計画完遂前に960名登録者中426(44%)は完遂前介入中断
平均250日間
研究終了時、1年累積COPD入院は、介入群 27%、通常ケア群 24%
(ハザード比 1.13[95%CI、0.70-1.80];P=0.62)
全原因死亡 介入群 28 vs 通常ケア群 10(ハザード比[CI、1.46-6.17];P=0.003)
研究中止までのCOPD入院(上)、死亡率(下)
COPDによる死亡が最大:介入群 10 vs 通常ケア群 3(ハザード比、3.60[CI、0.99-13.08]、P=0.053)
結論としては、トライアル早期終了時点での、重症COPDへのCCMPはCOPD関連入院減少させず、CCMP割り付け群で予期せぬ超過死亡増加との関連性が認められ、これは以前の研究トライアルと大きく異なることであった。
同様の行動介入をふくむ臨床トライアルに関し、トライアルデザインについて今後注意が必要。
論文記載の以前の研究とは・・・
Bourbeau J, Julien M, Maltais F, Rouleau M, Beaupre´ A, Be´gin R, et al; Chronic Obstructive Pulmonary Disease axis of the Respiratory Network Fonds de la Recherche en Sante´ du Que´bec. Reduction of hospital utilization in patients with chronic obstructive pulmonary disease: a disease-specific selfmanagement intervention. Arch Intern Med. 2003;163:585-91. [PMID: 12622605]
Rice KL, Dewan N, Bloomfield HE, Grill J, Schult TM, Nelson DB, et al. Disease management program for chronic obstructive pulmonary disease: a randomized controlled trial. Am J Respir Crit Care Med. 2010;182:890-6. [PMID: 20075385]
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