しかし、Voigtらの報告では、遺伝的にHDL高値な人たちにそれは当てはまらないようだという、これまでの常識を覆すような報告がなされた。
遺伝的なHDL増加は、心筋梗塞リスク減少と直結しない!
Plasma HDL cholesterol and risk of myocardial infarction: a mendelian randomisation study
The Lancet, Early Online Publication, 17 May 2012
doi:10.1016/S0140-6736(12)60312-2
2-6%に存在するLIPG 396Ser alleleキャリアでは、HDLコレステロール高値をしめす (0.14 mmol/L ほど高い, p=8×10−13)が、非キャリアと比べ、他の脂質状況と心筋梗塞の非脂質要素は同様。
LDLコレステロールの差で、心筋梗塞リスク13%減少と推定される (オッズ比 [OR] 0.87, 95% CI 0.84—0.91)
しかし、396Ser alleleは心筋梗塞のリスクと相関認めず (OR 0.99, 95% CI 0.88—1.11, p=0.85)
観察疫学から、HDLコレステロール 1SD増加は心筋梗塞リスク減少と相関するとされる (OR 0.62, 95% CI 0.58—0.66)
しかし、遺伝的スコアによるHDLコレステロール 1SD増加は心筋梗塞リスクと相関せず (OR 0.93, 95% CI 0.68—1.26, p=0.63)
LDLコレステロールに対して、LDLコレステロール 1SD増加 毎 OR 1.54, 95% CI 1.45—1.63の相関性は、遺伝的スコアからの相関性と一致(OR 2.13, 95% CI 1.69—2.69, p=2×10−10).
HDL高値を根拠としている長寿症候群の立場は?
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