2012年5月18日金曜日

遺伝的なHDL増加は、心筋梗塞リスク減少と直結しない!

疫学的研究にてHDLコレステロール増加と冠動脈性疾患リスク減少の関連性に関して注目が集まってきた。

しかし、Voigtらの報告では、遺伝的にHDL高値な人たちにそれは当てはまらないようだという、これまでの常識を覆すような報告がなされた。

遺伝的なHDL増加は、心筋梗塞リスク減少と直結しない!

Plasma HDL cholesterol and risk of myocardial infarction: a mendelian randomisation study
The Lancet, Early Online Publication, 17 May 2012
doi:10.1016/S0140-6736(12)60312-2

2-6%に存在するLIPG 396Ser alleleキャリアでは、HDLコレステロール高値をしめす (0.14 mmol/L ほど高い, p=8×10−13)が、非キャリアと比べ、他の脂質状況と心筋梗塞の非脂質要素は同様。

 LDLコレステロールの差で、心筋梗塞リスク13%減少と推定される   (オッズ比 [OR] 0.87, 95% CI 0.84—0.91)

しかし、396Ser alleleは心筋梗塞のリスクと相関認めず   (OR 0.99, 95% CI 0.88—1.11, p=0.85)

観察疫学から、HDLコレステロール 1SD増加は心筋梗塞リスク減少と相関するとされる   (OR 0.62, 95% CI 0.58—0.66)

しかし、遺伝的スコアによるHDLコレステロール 1SD増加は心筋梗塞リスクと相関せず   (OR 0.93, 95% CI 0.68—1.26, p=0.63)

LDLコレステロールに対して、LDLコレステロール 1SD増加 毎 OR 1.54, 95% CI 1.45—1.63の相関性は、遺伝的スコアからの相関性と一致(OR 2.13, 95% CI 1.69—2.69, p=2×10−10).


HDL高値を根拠としている長寿症候群の立場は?


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