ただ、最近でも、USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る 2012/5/29によれば、“ここ10年ほどの研究でもやはり、ベネフィットより、リスクが上回る”と考えるのが必然。
WHIが発端の心血管イベントへや発がんへの悪影響を全否定できるほどの報告なのか、議論がなされることであろう。
すでに、サンプルサイズが小さすぎること、WHIより若年者が多くてもともと死亡リスクが少ない対象群、観察期間が短すぎて発症リスクに関与したとしても心血管疾患やがんの“潜伏期間”に見合わない・・・など、疑念多数。
それでも、この論文でごり押ししする予感がする・・・日本の産科学会系
Objective To investigate the long term effect of hormone replacement therapy on cardiovascular outcomes in recently postmenopausal women.
【デザイン】 Open label, randomised controlled trial.
【セッティング】 Denmark, 1990-93.
【被験者】 健康女性 1006 、 45-58歳、閉経直後あるいは閉経前後症状ある女性(閉経後黄体刺激ホルモン値記録あり)
502名の女性をランダムにホルモン補充療法に割り付け、504名を対照として無治療
子宮摘出女性は45-52歳で、閉経後黄体刺激ホルモン測定記録がある場合は登録
【介入】 治療群にて、生来子宮女性は triphasic estradiol + norethisterone acetate 使用、子宮摘出女性では、エストラジオール 2mg/日使用
介入は約11年間で終了、他のトライアルからの副事象報告による中止
しかし、登録者は死亡、心血管疾患、がんをフォロー、16年間。
5年間治療処方量の80%超服用女性でのSensitivity analysisを行った。
【主要アウトカム測定】 プライマリエンドポイントは、組み合わせ(死亡、心不全入院、心筋梗塞)
【結果】 登録時平均女性年齢50歳で、6ヶ月の閉経あり
プライマリ構成エンドポイントは、介入10年時点で、治療群 16名、対照群 33名 (ハザード比 0.48, 95% 信頼区間 0.26 ~ 0.87; P=0.015)
死亡は、それぞれ、15名、26名 (0.57, 0.30 ~ 1.08; P=0.084)
心血管イベント減少はがん(種類問わず)の増加と関連せず(治療群 36、対照群 39 , 0.92, 0.58 ~ 1.45; P=0.71) 、乳がんも同様 (治療群 10 v 対照群 , 0.58, 0.27 ~ 1.27; P=0.17)
深部静脈血栓ハザード比(治療群 2 v 対照群 1)は 2.01 (0.18 ~ 22.16) 、卒中(治療群 11 v 対照群 14 ) は 0.77 (0.35 ~ 1.70)
プライマリ組み合わせアウトカムはの16年後減少傾向は持続し、がん増加とは関連せず
【結論】 ランダム化治療10年後、ホルモン補充療法を受けていた閉経直後女性群は有意に、死亡率、心不全、心筋梗塞減少し、明らかながんリスク増加、静脈血栓性疾患、卒中リスク増加認めなかった。
患者側の盲検化が十分でないことがポイント?
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