2013年3月20日水曜日

ASTRONAUTランダム化トライアル:アリスキレンの心不全付加治療の有益性証明されるも・・・

標準治療+アリキレン(直接レニン阻害剤;商品名 ラジレス)付加治療の心不全患者の心血管死亡・心不全入院減少効果

国際二重盲験プラシーボ対照化研究

気になるのは
米国FDA警告:アリスキレン(ラジレス) ACE阻害剤・ARB併用、特に糖尿病に関しては禁忌と・・・ 2012/04/21
この禁忌事項症例が登録されていることと、有効性NNT3%程度という効果が臨床的に真に有益なのかということ


Effect of Aliskiren on Postdischarge Mortality and Heart Failure Readmissions Among Patients Hospitalized for Heart Failure: The ASTRONAUT Randomized Trial
Mihai Gheorghiade, et al.
JAMA. 2013;309(11):1125 doi:10.1001/jama.2013.1954
対象:18歳以上、左室駆出率 40%以下、BNP 400 pg/mL以上 or NT-proBNP 1600 pg/mL、液過剰負荷サイン・症状
北米・南米・ヨーロッパ・アジア(2009年5月〜2011年12月)、2012年6月フォローアップ終了
アリスキレン 150mg →耐用性あれば300mgまで増量継続期間中央値 退院後11.3ヶ月
プライマリアウトカム:6ヶ月、12ヶ月時点での心血管死亡と心不全再入院

1639名をランダム化、1615名を有効性解析コホート(アリスキレン 808、 プラシーボ 807)、平均年齢65歳、平均LVEF 28%、糖尿病 41%、平均 eGFR 67 mL/min/1.73 m2ランダム時、NT-proBNP値は、4239、2718 pg/MLランダム時、利尿剤 95.9%、β遮断剤 82.5%、ACE阻害剤/ARB 84.2%、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト 57.0%
プライマリアウトカム6ヶ月
アリスキレン服用 24.9%(心血管死亡 77、心不全再入院 153)プラシーボ服用 26.6%(心血管死亡 85、心不全再入院 166) (ハザード比 [HR], 0.92; 95% CI, 0.76-1.12; P = .41)
12ヶ月、イベント率
アリスキレン群 35.0%(心血管死亡 126、心不全再入院 212)
プラシーボ群 37.3%(心血管死亡 137、心不全再入院 224)
(ハザード比, 0.93; 95% CI, 0.79-1.09; P = .36)
アリスキレン群で、高カリウム血症、低血圧、腎障害/腎不全比率多し

事前NT-proBNP値は差あるのでは?結果的には、アリスキレン群の方が心不全状況悪い訳だから解釈上の問題はないとは思うが・・・

プライマリアウトカムのNNT(12ヶ月)2.9%程度の臨床的意義は、高カリウム血症・腎障害悪化という有害性を凌駕したといえるのだろうか?

ASSERTIVE研究:アリスキレンはARBに比べ降圧持続性がある 2012/04/20

医師主導型治験ということで逃げているノバルティス・・・KYOTOなんたら随分宣伝してなかったっけ?

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