2013年6月12日水曜日

2013 ACCF/AHAガイドライン :心不全管理

2013 ACCF/AHA Guideline for the Management of Heart Failure
A Report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines

J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2013.05.019

pdf : http://content.onlinejacc.org/data/Journals/JAC/0/05019.pdf




コメント:http://my.americanheart.org/professional/ScienceNews/What-is-New-in-the-2013-ACCF-AHA-Guidelines-for-the-Management-of-Heart-Failure_UCM_452903_Article.jsp

まず、 guideline-directed medical therapy (GDMT)なる表現で、至適薬物療法 class I として推奨と表現、例えば、HfrEF(駆出率低下型心不全)での薬物治療のmainstayとして、ACE阻害剤であり、ACE阻害剤不適のときのARB、β遮断剤が含まれ、特定の患者にはアルドステロン拮抗剤、硝酸ヒドララジン、利尿剤
2番目に、臨床実践上の示唆として、表やアルゴリズムを至適管理戦略達成のため準備。
3番目に、ガイドラインを通して、他のガイドラインやposition paperとharmonizationを強め、相互参照を試みた。
4番目に、 “trustable guideline”上の Institute of Medicine’s perspectiveに従い、表現。。

心不全セッションの評価・判断に関する部分では、ACCF/AHA Stageと、NYHA Functional Classificationの比較は役立つだろう。


ACCF/AHA Stages of HF (38)

NYHA Functional Classification (46)

A
At high risk for HF but without structural heart disease or symptoms of HF
None

B
Structural heart disease but without signs or symptoms of HF
I
No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause symptoms of HF.
C
   
Structural heart disease with prior or current symptoms of HF
   
I
No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause symptoms of HF.


II

Slight limitation of physical activity. Comfortable at rest, but ordinary physical activity results in symptoms of HF.



III
   
Marked limitation of physical activity. Comfortable at rest, but less than ordinary activity causes symptoms of HF.


IV
       
Unable to carry on any physical activity without symptoms of HF, or symptoms of HF at rest.





D
Refractory HF requiring specialized interventions






ガイドライン著者らは、多変量的リスクスコアで評価し、その後のリスク推定に役立つよう設計。
これに加え、病歴・理学所見 、volume status評価、心エコーベースライン評価、ルーチン臨床検査・testinの重要性・必要性
特に、ナトリウム利尿ペプチド評価が心不全診断に関する臨床的意思決定をサポートし、慢性的通常診療あるいは急性の非代償性/入院心不全患者においても予後の確立をサポートする。ガイドラインは、ナトリウム利尿ペプチドガイド下が、良好な外来患者心不全疾患管理プログラムで選択的な臨床等容積でのGDMTの至適投与量到達に有効である可能性があるが、一方、BNPあるいはNT-proBNPの連続測定は、心不全患者の入院・死亡率を減少に対する有用性や急性非代償性心不全患者の死亡率を改善するかはまだ確立はされてない。

非薬物的介入に関して、教育の重要性、ケアの変遷が強調。心不全は自己ケアを促進するよう特異的教育を受けるべきで、意思決定を分つべき。例えば、ICDケアでは、潜在リスク、有効性、安全性、合併症可能性などを議論し、希望すれば、終末期ケアの時除細動不作動にすることも可能という項目も含まれるべき。これは不適切な患者選択による、無駄なインターベンション、不用意な合併症、不必要なコスト予防のためのクリティカルなステップである。

ナトリウム制限に関しは、心不全管理における議論の多い分野である。
ナトリウム制限を、カテゴリー化し、 『うっ血症状軽減目的の有症状心不全は合理的』(Class IIa 、 Level of Evidence C)としている。
心不全患者全員にナトリウム制限するよう指導推奨、臨床症状有りの心不全患者には、ナトリウム2-3g/日を推奨していた2010 HFSAガイドラインとは異なる。
 2012 心不全ESCガイダンスでは、ナトリウム制限での死亡率・合併症改善のエビデンス欠くとの理由でナトリウム接触制限は推奨されてない。

ESC、HFSAと同様、運動トレーニング、定期的身体活動は、運動可能な心不全患者で安全で有効であると推奨。

経口薬物利用に関しては、有症状HfrEF患者に対しアルドステロン拮抗剤適応拡大し、軽症・中等症心不全(NYHA 分類 II)患者で、心血管疾患入院、あるいは 血中ナトリウム利尿ペプチド値高値例も含み、重症NYHA 分類 III、IV心不全の既存患者の適応に加え拡大した。
以前のガイドライン同様、男性では Cr 2.5 mg/dL以下、女性では 2.0 mg/dL以下、 カリウム 5.0 mEq/L以下のsafeguardに注目し、注意深いカリウム、腎機能、利尿剤投与量のフォローアップ開始時の指標とすること。
ルーチン併用としての『ACE阻害剤、ARB、アルドステロン拮抗剤併用』は、有害性の可能性が有り、推奨されないとした。
以前のガイドラインと同様、ヒドララジン、isosorbide dinitrateはNYHA III-IV HFrEFのアフリカ系アメリカ人で推奨され、ACE阻害剤、あるいはARB不耐性の場合特に有用と考えられた。
ジゴキシンは、HFrEF患者に対し心不全入院減少ベネフィット可能性とされた   (remains a Class IIa recommendation)


デバイス治療としては、ICDの適応に関し、 Class I 推奨は、LVEF 35%未満かつNYHA 分類 Class II あるいは III症状ありの患者で心突然死予防目的、1年以上の生存意義が見込まれる場合。
CRTの適応のClass I推奨は、『LVEF 35%以下、洞調律、左脚ブロックでQRS間隔150ms以上で明らかなベネフィット有するもの』で、 2012 ACCF/AHA/HRSとharmonizeされたもの。Class I推奨は、『軽症患者(NYHA分類 II心不全)だが、左脚ブロック・QRS150 ms以上』にまで拡大。
『左脚ブロック・QRS120-149msec』や『非左脚ブロック・QRS150msec以上』では、現在、Class IIa推奨。
『非左脚ブロック・QRS 120-149 msec』患者群において、NYHA Class III/ambulatory Class IV患者にまでは適応広がらず。NYHA 分類 II群のこの対象ではCRT推奨せずとなった。NYHA分類I患者にCRT適応を広げるかはClass IIb(考慮しても良いレベル)だが、比較的重症な虚血性心筋症(LVEF30%以下)・左脚ブロック・QRS間隔150msec以上症例に限定。
CRT推奨しないレベルのClass III推奨には、『NYHA 分類I、II症状・非左脚ブロック・QRS150msec未満』、『心臓・非心臓合併症and/or脆弱性にて健康生存限界1年未満症例』。

mechanical circulatory support (MCS)の広汎活用で、class II適応として、心移植計画されている患者のような様々なシナリオで、移植へのブリッジとして、心回復目的で。
経皮・体外心室アシストを含む、nondurable MCSが急性で、かなり重度の血行障害を有する症例で選択的に注意深く適応される 。かなり広汎で、高度の使用が期待される。

急性非代償性心不全入院患者では、ループ利尿剤が第一選択として用いられている。利尿不十分時、ループ利尿剤の高用量静注投与、サイアザイドなどの二次的利尿剤を加えることは合理的とした。
利尿改善目的のループ利尿剤に加え、低用量ドパミン投与は、腎機能温存・腎血流保存し、Class IIb適応として加えられた。低血圧無しで、ニトログリセリン、ニトロプルシド、nesitritideのような静注血管拡張剤は、急性非代償性利尿治療付随として、class II適応



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