2013年9月9日月曜日

電子タバコ:禁煙補助具としての優越性はっきりせず ・・・ 

電子タバコ e-cigaretteに関する話題を見聞きするようになった。米国では、喫煙者5名に1人がこれを使用しているという状況。日本でも、軽薄なマスコミやお笑い吉本タレントが当初禁煙補助としてあおったことがあり、確実にひろがってる印象をもつ。

E-Cigs: Is It Safe to Vape?
http://www.medscape.com/viewarticle/809967
米国FDAのデータから、電子タバコ上記にはpolyethylene glycolが含まれ、これは、発がん性・毒性化学物質であり、すくなくとも2種の電子タバコから検出されている。さらに、Tabacco Cotrol誌上の報告では、通常タバコに比べ9−450倍低レベルだが毒性物質が含まれる。CDCは電子タバコが禁煙補助道具となり得るかは不明としている。
・Goniewicz ML, Knysak J, Gawron M, et al. Levels of selected carcinogens and toxicants in vapour from electronic cigarettes. Tob Control. 2013 Mar 6. [Epub ahead of print]

Lancetの報告でもやはり電子タバコの禁煙補助としての優越性は不明のままであった。

なぜか、Medpageでは、禁煙補助に役立つかもしれないという肯定的コメントになっているが、原文では決して肯定的ではない!

Electronic cigarettes for smoking cessation: a randomised
controlled trial
Published OnlineSeptember 7, 2013
 http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(13)61842-5
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/pdfs/PIIS0140-6736(13)61842-5.pdf
18歳以上、禁煙希望者へのプラグマティック・ランダム対照化優越性トライアル
人種・性別・ニコチン依存レベル層別化
ニコチン 16mg、電子タバコ、ニコチンパッチ 4 : 4 : 1とプラシーボ電子タバコ(ニコチン含有せず)
プライマリアウトカムは、生化学的に6ヶ月間禁煙状態確認(eCO < 10 ppm)
647名をランダム化
・ニコチン入り電子タバコ 289
・ニコチンパッチ 295
・プラシーボ電子タバコ 73
ITT解析にて、禁煙状態確認比率 それぞれ 7.3%(21/289)、 5.8%(17/295)、 4.1%(3/73)
(risk difference for nicotine e-cigarette vs patches 1·51 [95% CI –2·49 to 5·51]; for nicotine e-cigarettes vs placebo e-cigarettes 3·16 [95% CI –2·29 to 8·61])
筋0,
対ニコチンパッチ・プラシーボ電子タバコ比較しての、ニコチン電子タバコの禁煙達成率の優越性、検出パワー必要未満で、十分な優越性を見いだせなかった。
副事象に関する有意差認めず(137 vs 119 vs 36)


結論としては、電子タバコは、ニコチン含有有無関連無く、禁煙補助効果はあるものの限定的。短期的副作用は少ない。たばこコントロール状の電子タバコ使用に関して意義いまだ明確でない。包括的ベネフィットや有害性を個別・集団レベルで検討が必要。



某禁煙学会のなんたら長とよばれるひとが、電子タバコを禁煙補助具としてまぁいいじゃないかという、エビデンスに基づかない主張をしてるのを目にしたことがあるが・・・この「学会」ってホントに・・・

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