2014年1月25日土曜日

実験的ライノウィルス感染:喘息気道上皮炎症と疾患重症度との関連性

ライノウィルスは普通感冒の3-4割の原因(The Lancet, Volume 361, Issue 9351, Pages 51 - 59, 4 January 2003)

片方では、喘息の悪化要因の一つが、風邪引き。

ライノウィルスによる喘息急性増悪における、気道粘膜炎症及び生理学的/炎症の重要性は不明だったため、実験モデルで気道粘膜炎症反応やその役割を研究とのこと


10名の喘息、15名の健常者に、実験的にライノウィルス感染を生じさせ検討。

正常者と比較し、喘息患者において、ライノウィルスは気管支上皮粘膜好中球を誘導し、さらに重度の単球/マクロファージ炎症を生じる。感染中気道好中球、好酸球、T/Bリンパ球は、何れも、ウィルス負荷量、生理学的・臨床的重症度と相関するが、マスト細胞がより肺機能と関連する。

Airway inflammation and illness severity in response to experimental rhinovirus infection in asthma
Jie Zhu ,et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-1567 

喘息患者だけで、ベースラインに比較し、ウィルス感染により有意に上皮・上皮下の好中球増加(P = 0.005、 0.017)

喘息・正常者ともに上皮下CD68+ マクロファージ増加(P = 0.009、 0.018)
しかし、より喘息患者の方がその数が多い(P = 0.021)

感染後4日目のCD45+、CD68+、CD20+細胞数、好中球、好酸球数は、ウィルス負荷量と正相関(r=0.50-0.72, P=0.016-0.03)

喘息患者において、急性感染時、CD4+細胞数は、胸部症状スコアと相関(r = 0.69、 p = 0.029)、 PC10低下は好中球数に相関 (r=-0.89, P=0.029)
さらに、PC10低下は、 CD4+ 、CD8+細胞と逆相関 (r=-0.67, P=0.023、r=-0.65, P=0.03)
PC20 は、CD20+細胞と逆相関 (r=-0.65, P=0.03)

上皮CD8+細胞数 はFEV1最大低下量とかなり有意相関  (r=-0.72, P=0.03)

上皮下マスト細胞多いほど、最大PEF低下比率と相関  (r=0.8, P=0.024)



0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note