2014年3月11日火曜日

胸痛受診:肥満は医療コスト増大、入院期間増加させ、原因不明の胸痛に終わることが多い

胸痛主訴の肥満者は、非肥満に比べ、入院期間が長くなり、医療コストがかなり高くなる。有意差のない部分でも断言、信頼性今ひとつだけど、示唆的内容にはなっている。


冠れん縮性狭心症や安定した陳旧性心筋梗塞を診断してはよろこんでいる循環器系医師も存在する日本に比べ、こういう米国の解析においては、死亡率や合併症に関する診断追求を早い段階で切り捨ててる・・・そういう背景を念頭に置く必要があろう。


Association of Body Mass Index With Increased Cost of Care and Length of Stay for Emergency Department Patients With Chest Pain and Dyspnea
Geoffrey W. Peitz, et. al.
CIRCOUTCOMES.113.000702 Published online before print March 4, 2014, doi: 10.1161/​CIRCOUTCOMES.113.000702


前向き4施設アウトカム研究
呼吸困難・胸痛成人患者で、診断歴無し
90日間主要アウトカム(医療コスト、入院・受診期間(ED・病棟時間を含む)、放射線被爆量)をフォローアップ
BMIを5カテゴリー(低体重、正常体重、過体重、肥満、合併症的(病的)肥満)に分ける
Kruskall–Wallis rank testを用い比較、BMI予測価値を多変量解析で検証。

正常体重患者の医療コストに比較して、コストは
肥満 28%(P=0.020)
病的肥満 41%(P=0.015)
CT無しの病的肥満患者は、正常体重社に比べ、34%も入院期間長い(P=0.073)
CT有りの病的肥満者は44%も入院期間が長い(P=0.83)

BMIは必ずしも放射線被爆量増加の予後因子ではない。

病的肥満は、CT肺血管造影後90日心肺合併症無し比率が87%と高い。
過体重 22% (P = 0.077)

肥満者に於ける原因不明の胸痛という新しい病名の可能性はないのだろうか?
血栓・血管狭窄は否定されても、機能的痙攣などは否定されてないのでは?
まぁ、死亡率・合併症率に関連しない病態なら、医療経済的には意義大きくない病態ではあるだろうが・・・

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