2015年4月17日金曜日

肺機能可逆性の指標改善の試み・・・予測比変化率で評価を!

predicted FEV1のパーセント変化で評価が、生存予測と相関し、性別・体格バイアスを回避できる良い指標とのこと


Improved criterion for assessing lung function reversibility
Helen Ward,  et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2413

 【背景】 気管支拡張剤による可逆性(BDR)を表現するベストな方法に関するコンセンサスは存在しない。BDRクライテリアは性別、サイズバイアス存在をしめすべきでないという帰無仮説に対し、様々なBDRクライテリアを検証。臨床的意義BDRはBDRなしの呼吸器系患者に比べ良好な生存率と関連するだろうという仮説にてBDRを定義する試み

【方法】 生存状態既知の4231名の初回BDR;男性 50.8%、平均年齢 60.9歳、平均生存率 5.2年間、レンジ’0.1−16.5年間
FEV1・BDRは、絶対値の変化量%ベースライン変化FEV1予測値%変化の割合で表現

【結果】 絶対値変化値を定義とするBDRの場合、男性でバイアス(M:F 比 2.70)、ベースラインFEV1大きいほどバイアスあり

ベースラインからの%変化を定義とするBDRでは、ベースライン値低い場合にバイアス偏りやすい。

%予測比による定義のBDRは性別バイアスも、サイズバイアスもない

多変量Cox回帰にて、 FEV1BDR > 8% predicted は、被験者の33%で、それらが、 FEV1BDR ≦ 8% predicted に対して、適切な生存アドバンテージを示した (ハザード比 = 0.56, 95% CI 0.45 to 0.69)

FEV1BDR >8 % predicted の対象者は、 FEV1BDR >14% predicted とは有意に差は認めず、FEV1BDR < 0 より有意に有効


【結論】 %予測でのFEV1BDR表示で、性別・体格バイアスを回避可能。
FEV1BDR>8%は生存率アドバンテージを表示し、臨床意義可逆制定後としての至適クライテリア


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