2016年5月3日火曜日

Hピロリ治療中のクラリスロマイシンによる急性精神神経症リスク増加

短期間で精神神経症を誘発する、Hピロリ菌除菌治療

抗生剤投与後の躁症状出現を、"antibiomania"と呼ぶが、クラリスロマイシンだけでなく、除菌治療に含まれるアモキシシリンでも報告がある



Association Between Acute Neuropsychiatric Events and Helicobacter pylori Therapy Containing Clarithromycin
Angel Y. S. Wong, et. al.
JAMA Intern Med.  Published online May 02, 2016.doi:10.1001/jamainternmed.2016.1586



香港のClinical Data Analysis 及び Reporting System database



post hoc nested case-control analysisも施行
年齢補正 incidence rate ratios (IRR) は conditional Poisson regressionにて行う

最低1回CAM処方された患者 66 559 。平均(SD)年齢: 50.8 (14.8 歳);初回暴露時平均年齢 55.4 (14.8) 歳、男性 30 910  (46.4%)。

研究期間中初回複合神経精神イベント 1824名


複合精神神経イベント組み合わせ(72人年あたり35)、 IRR増加 4.12 (95% CI, 2.95 - 5.76)、1暴露前14日間 (72人年あたり14イベント);  IRR, 1.63; 95% CI, 0.96-2.77) vs baseline (16 665人年あたり 1766 イベント)


現行使用中のIRR増加 4.12 (組み合わせ精神神経イベント 72人年あたり 35; 95% CI, 2.94 - 5.76)、直近使用なしでは増加認めず  (9 events during 82 person-years; IRR, 0.95; 95% CI, 0.49-1.83) 、暴露前14日間(72人年中14イベント; IRR, 1.63; 95% CI, 0.96-2.77) vs baseline (16 665 人年中1766)

同様に、精神病イベントと認知機能障害とも、ベースラインに比べた現行使用中ではリスク増加するが、近日使用の場合ベースラインまで次第に減少する

CAM使用中精神神経イベント、精神病イベント、認知障害組み合わせ粗絶対リスクは、1000処方あたりそれぞれ 0.45、0.12、0.12

nested case-control analysis でもself-controlled case series analysisと同様の結果


 

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