2016年7月5日火曜日

糖尿病前症・2型糖尿病(T2DM)患者の非アルコール性脂肪肝炎:ピオグリタゾン効果


武田「ザファテック」の併用薬とHbA1cの推移グラフなのだが・・・



 治験開始時の処方薬で分類されているに過ぎないので、解釈困難
 TZD薬剤がもっともHbA1c低下させる・・・というミスリードにも繋がる危険な表示

 へたすれば「CASE-J」アゲインとなるぞ!



・・・といいつつ、糖尿病前症・2型糖尿病(T2DM)患者の非アルコール性脂肪肝炎について改善効果を示す報告



Long-Term Pioglitazone Treatment for Patients With Nonalcoholic Steatohepatitis and Prediabetes or Type 2 Diabetes Mellitus: A Randomized, Controlled Trial
Kenneth Cusi, at. al.
Ann Intern Med.Published online 21 June 2016 doi:10.7326/M15-1774


ランダム化2重盲検:NASHおよび(prediabetes / T2DM)
セッティング: University hospital.
被検者:患者(n=101) 糖尿病前症・T2DMで、生検確認NASH:一般住民・外来クリニックから登録
介入:
全例hypocaloric diet (500–kcal/d deficit from weight-maintaining caloric intake) → ランダム化
・pioglitazone, 45 mg/d, or placebo for 18 months→18-month open-label phase with pioglitazone treatment.


測定:プライマリアウトカムは、NASH活動性スコアnonalcoholic fatty liver disease activity score (NAS)の2つの組織影後李:2ポイント以上減少で、線維化悪化を示さない状態
セカンダリアウトカムは、他の組織学的アウトカム、肝TG含有値(MR及びプロトンスペクトロスコピー)と代謝パラメータ


結果:
・ピオグリタゾン割り付けのうち、プライマリアウトカム到達 58%(治療差、41%ポイント[95% 信頼区間; CI, 23 - 59% ポイント]、NASH減少 (治療差、 32%ポイント(CI, 13 - 51 %ポイント)) ( p < 0.001)




・個別組織スコア改善にも関連
・ fibrosis score (treatment difference, −0.5 [CI, −0.9 to 0.0]; P = 0.039);
・肝臓内TG含有量 19% → 7% (治療差、 , −7 %ポイント [CI, −10 to −4 %ポイント]; P < 0.001)
・脂肪組織、肝臓・筋肉インスリン感受性改善 (P < 0.001 vs. placebo for all)

18ヶ月の代謝・組織学的改善は治療後36ヶ月持続
副事象包括発生率は群間差認めないが、体重増加はピオグリタゾンで増加 (2.5 kg vs. placebo).

研究の問題点:単一施設研究 



結論:長期ピオグリタゾン治療は安全で、糖尿病前症・T2DMのNASH患者での治療として有効。

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