2016年9月29日木曜日

肥満COPD:臨床経過悪化に量依存的に寄与

米国成人では、COPD6%、肥満35%。COPD注の肥満頻度は不明だが6%〜54%と報告ばらつきあり、逆に言えば、研究者たちの関心がこの方面少なかったと言える。COPD患者での体重と一般性健康アウトカムはU字型影響を示唆する報告有るも、明確でない。

肥満は喘息、FEV1減少速度、睡眠呼吸障害、周術合併症リスクと関連。COPD患者では、肥満は、QOL、呼吸困難度・運動耐容能(6分間歩行距離:6MWD)と関連。だが、COPD患者では肥満が死亡率減少、重度気流制限低下と関連性報告。

合併症やCOPD急性増悪との関連性、死亡率との関連性に関して一定の方向性の報告無かった・・・ということで・・・


Obesity is Associated with Increased Morbidity in Moderate to Severe COPD
Allison A. Lambert, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.08.1432
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2548137

【背景】肥満は米国で多い;しかしCOPD併発症への肥満のインパクトは不明。 COPDアウトカム悪化と肥満が関連するという仮説検証

【研究方法】3631名の多施設コホート研究 COPDGene被検者COPDスパイロメトリ確認症例(拡張剤使用後FEV1 < 80% pred. 、BMI 18.5 kg/m2以上)
ロジスティクス・線形回帰分析:COPDアウトカムと肥満クラス、主な寄与要素補正
肥満クラス標準は、正常/過体重を含む (BMI 18.5-29.9kg/m2)

【結果】  全体として、肥満35%、 BMI 30-34のclass I 21%、 BMI 35-39.9のclass II 9%、BMI 40以上 5%
併発症数は肥満クラス増加ほど増加 (p<0 .001="" p="">

肥満クラス増加は独立して呼吸特異的QOL( (QOL; St. George’s Respiratory Questionnaire score)および一般QOL(Short Form-36 score v2)悪化と相関
さらには、6分間歩行距離(6MWD)減少、呼吸困難度(mMRC 2以上)増加、COPD重症急性増悪オッズ比増加と相関




肥満とアウトカム悪化の相関は、併発症の存在と独立、例外はSF-36と重度急性増悪

【結論】  肥満はCOPDで多く存在し、COPD関連アウトカム、QOL・呼吸困難度から6MWD、重度AECOPDまで影響を与える。これらの相関は量反応分析でより明確
COPDの肥満は、COPD関連臨床経過悪化に寄与する



COPD病態評価は、FEV1低下で評価されることが多いが、肥満そのものはFEV1要素ではアウトカムをマスクする可能性あり、肥満COPDを別枠で評価する必要性?

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