2016年10月5日水曜日

敗血症SepNet–Critical Careトライアル:ヒドロコルチゾン使用はショック移行リスク軽減せず

敗血症ショックにない"重症敗血症”状態では、ヒドロコルチゾン使用はプラシーボに比較して、その後14日間敗血症ショックリスク軽減しない

2重盲検ランダム化臨床トライアル;ヒドロコーチゾン200mg×5日間 vs プラシーボ
プライマリアウトカム:敗血症性ショック発症(14日間)
セカンダリアウトカム:敗血症ショック発症まで期間、ICU/院内脂肪、180日までの生存期間、二次感染確認、ウィーニング失敗、筋力低下、高血糖(血糖 >160 mg/dl)


Effect of Hydrocortisone on Development of Shock Among Patients With Severe Sepsis
The HYPRESS Randomized Clinical Trial
Didier Keh, et. al.; for the SepNet–Critical Care Trials Group
JAMA. Published online October 03, 2016. doi:10.1001/jama.2016.14799









ITT対象:353名(男性 64.9%、平均[SD]年齢 65.0 [14.4] 歳)
敗血症性ショック:
介入群:36 / 170 名 (21.2%)
対照群:39 / 170 名 (22.9%)
 (difference, −1.8%; 95% CI, −10.7% to 7.2%; P = .70)

 敗血症性ショック発症までの期間、ICU/院内死亡率、180日死亡率に群間差認めず

 ヒドロコルチゾン vs プラシーボ群 
 二次感染 21.5% vs 16.9%、 ウィーニング不全  8.6% vs 8.5% 、 筋力低下 30.7% vs 23.8%、高血糖 90.9% vs 81.5%



敗血症(ショック)の新定義・・・なにかと話題

「呼吸数22回/分以上、収縮期血圧100mmHg以下、意識変容GCS15未満」の3つだけで診断できるクイック(q)SOFA

これも「敗血症」と解説されている場合があり、却って混乱を生じている。「誤解」を訂正するはずの医師向け商用サイトの解説をみて奇異と感じた。

「敗血症」と「敗血症性ショック」の分かれ目
Septic shock is a subset of sepsis in which underlying circulatory and cellular/metabolic abnormalities are profound enough to substantially increase mortality.
Patients with septic shock can be identified with a clinical construct of sepsis with persisting hypotension requiring vasopressors to maintain MAP ≥65 mm Hg and having a serum lactate level >2 mmol/L (18 mg/dL) despite adequate volume resuscitation. With these criteria, hospital mortality is in excess of 40%.
解説するものは必ず明記してほしい。

上記論文でのサプリメントみればわかるが、

  • 敗血症:滅菌部位以外の菌検出以外の臨床判断がプラスされている敗血症(非ショック)診断された場合、対象
  • 敗血症性ショック:

Septic shock was defined as sepsis-induced hypotension despite adequate volume status for longer than 4 hours (ie, mean arterial pressure

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