2017年1月18日水曜日

喘息誤診はかなり多い ・・・ というJAMA誌の報告

 喘息はその病態上症状・所見出現と消失を繰り返すので、安定時、特に、症状jのない昼間の診察室で診断をするのは困難。一方的に「誤診」と騒がれると、困った事態に陥るだろう。そもそも診断基準なるものが存在しないわけで・・・。ただ、気流制限や可逆性のエビデンスを客観的に提示する必要はある。気流制限などメカニクス上正常で、無症状の緩解期継続する症例に対し、継続加療するのは薬剤過剰投与ともなる


 ここでの誤診とは、「 no evidence of acute worsening of asthma symptoms, reversible airflow obstruction, or bronchial hyperresponsiveness after having all asthma medications tapered off and after a study pulmonologist established an alternative diagnosis. 」であり、通常の誤診とはちょっと違う気がする。
 筆者であるAaronは、1回喘息可能性あるとされる症例のうち、少なくとも20%程度はその症状は消失すると述べている。もう一つは、検証期間中に気道閉塞証拠を一度も示せない症例を誤診の範疇となりゅ。さらに、「咳喘息」の存在は薬剤メーカーの啓発活動のせいかかなり普及し、咳嗽継続というだけで喘息と辛酸されている症例に多く遭遇する。ここでは「咳喘息」も誤診と判断されている可能性がある

・・・そういう問題を具有する報告でもある。




Reevaluation of Diagnosis in Adults With Physician-Diagnosed Asthma
Shawn D. Aaron, et. al.; for the Canadian Respiratory Research Network
JAMA. 2017;317(3):269-279. doi:10.1001/jama.2016.19627
http://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2598265
過去5年間医師診断喘息701名をランダム選択、前向き多施設(カナダ10都市)コホート研究(2012年1月から2016年2月)
長期経口ステロイド使用、スパイロメトリ施行不能患者除外
電話スクリーニングにてクライテリア合致1026名患者の内、研究合致701(68.3%) 

プライマリアウトカム:現行喘息診断の除外比率
定義:喘息治療薬物中止後、あるいは他診断呼吸器専門医確定後に、喘息症状急性悪化、気流制限可逆性、気道過敏性エビデンス認めない比率

セカンダリアウトカム:12ヶ月後喘息除外比率、適切な診断workupを受けた比率


結果
701名(平均 [SD] 年齢 51[16]歳、女性 467 [67%])のうち、613名が研究完遂のうえ現行の喘息と診断評価結論づけされた。
現行喘息は、被検者 613名中 203名除外 (33.1% , 95% CI, 29.4%-36.8%)


12名、2.0%は、重度心臓呼吸障害で、地域で喘息の誤診歴あり
12ヶ月フォローアップ後、181名(29.5%; 95% CI, 25.9%-33.1%) 喘息の臨床的・検査的エビデンス認めず
現行喘息除外群は、診断確定群に比べ、初期診断時、地域で、気流制限試験されていない (43.8% vs 55.6%, respectively; absolute difference, 11.8%; 95% CI, 2.1%-21.5%)



モストグラフは誤診を軽減するとは思うが、過剰診断の可能性もあるなぁ・・・と思うこの頃

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