2017年7月13日木曜日

グリチルリチン・甘草:少量でも高血圧、低カリウム血症

以下の報告の冒頭にも書かれているが、「漢方に副作用なし」という誤解が広まっているが、現実には、低カリウム血症など多くの副作用がある。


「医療用漢方製剤148品目のなかで,カンゾウを含有しているものは109処方あります。これらの製剤の基となるカンゾウの1日量は1.0~8.0gで,グリチルリチン酸40~320mgに相当します。特に,カンゾウの量が2.5g(グリチルリチン酸100mg)を超える製剤については,低カリウム血症を発現しやすくなるので注意が必要です。1日量としてカンゾウを2.5g以上含有する製剤は,低カリウム血症のある患者には禁忌となっています」
https://www.jshp.or.jp/banner/oldpdf/p43-9.pdf

グリチルリチン 100mg以上含有治療に関する検討



The association between consistent licorice ingestion, hypertension and hypokalaemia: a systematic review and meta-analysis
R Penninkilampi, et al.
Journal of Human Hypertension , (29 June 2017) | doi:10.1038/jhh.2017.45


慢性利用後で統計学的有意増加なのは

  • 収縮期血圧 (5.45 mm Hg, 95% CI 3.51–7.39) 
  • 拡張期血圧  (3.19 mm Hg, 95% CI 0.10–6.29) 


 以下は有意に減少

  • 血中カリウム (−0.33 mmol l−1, 95% CI −0.42 to 0.23)
  • 血中レニン活性 (−0.82 ngml−1 per hour, 95% CI −1.27 to −0.37) 
  • 血中アルドステロン (−173.24 pmol l−1, 95% CI −231.65 to −114.83) 



グリチルリチンと収縮期血圧 (r2=0.55)、拡張期血圧(r2=0.65)は量依存的にも有意相関
他のアウトカム測定項目では有意相関性認めず



慢性的グリチルリチン服用は血圧増加、血中カリウム低下に、少量でも影響与える
 



肝炎治療に於けるインターフェロン・柴胡剤併用による間質性肺炎の騒ぎは忘れ去られつつあるが生命に関わる副作用が多いのは事実。漢方擁護論客は「誤治 瞑眩など」と反論するが、これらの副事象を予見できない、対応できない医師たちに安易に処方できないようにする制度が必要。
パッケージ化漢方なんて歴史はせいぜい50年程度
漢方数千年の歴史なんて「消防署の方から来た詐欺」と一緒

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