2017年11月15日水曜日

米国高血圧ガイドライン:目標血圧を“140/90→130/80”へ設定変更

米国内ガイドラインで、一般国民の目標血圧を“140/90→130/80”へ設定変更


米国内成人において、JNC 140/90 mmHgでは31.9%だが、今回の基準で 45.6% に 有病率増加(http://circ.ahajournals.org/content/early/recent)


SPRINT研究の影響が大きい(高齢者において転倒や起立性低血圧への悪影響リスク増大エビデンスみとめず、高リスク高齢者への心発作・卒中・死亡リスク軽減が120mmHg未満目標で達成されたとの報告)

一般住民でのtrade-offとして 130/80の目標設定となったと説明
(曖昧さが残る・・・)


さらに、SPRINT研究での血圧測定は、日本で行われている一般的血圧測定とは異なるため日本の日常診療ではそのまま数字を当てはめられないという日本の専門医たちのクレームも有り、今後日本でのローカルな議論がなされるだろう




2017 ACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNA Guideline for the Prevention, Detection, Evaluation, and Management of High Blood Pressure in Adults
A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines
Paul K. Whelton, et al.
Journal of the American College of Cardiology
November 2017 DOI: 10.1016/j.jacc.2017.11.006
http://www.onlinejacc.org/content/early/2017/11/04/j.jacc.2017.11.005







Stage 1高血圧は、130/80 〜 139/89 mmHgのレンジで非薬物的療法を推奨
臨床的心血管疾患の存在症例 と コレステロール治療使用前提でのACC/AHA動脈硬化性心血管疾患リスク(10年間)10%以上の場合は薬物治療考慮

Stage 2高血圧は、ACC/AHA動脈硬化性心血管疾患リスク(10年間)不問で薬物治療推奨、収縮期血圧 120-129 mmHgの場合はライフスタイル主体の非薬物治療を推奨

ライフスタイル修正は、減量、DASH食、減塩、食事性カリウム摂取、身体活動、適度の飲酒(女性1ドリンク、男性2ドリンク内に制限)









SPRINTはAutomated Office Blood Pressure(AOBP)測定法による評価
50歳以上の糖尿病以外対象で、高齢サブグループは75歳以上対象
この場合で強化治療(AOBP測定法目標 収縮期血圧 < 120 mmHg)でのベネフィットあり



「高齢者高血圧診療ガイドライン2017」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/advpub/0/advpub_54.G2/_pdf
SPRINTに言及しているが・・・日本の診療に適応できないと・・・無視の構え


年齢区切りが、エビデンス・ソースと推奨でバラバラなのは情けない
65歳から74歳、75歳以上という区切りが主だが
エビデンスソースにはかなりの比率で60歳、80歳などそれ以外の区切りが用いられている。この日本のガイドラインに矛盾を感じるのは渡しだけだろうか?

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