LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値
2014年10月
日本呼吸器学会肺生理専門委員会
https://www.jrs.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=72
深く考えなければ若年者COPD診断に正常下限参照値を用い管理すべきってはなしになってしまいそうだが・・・
若年・中年FEV/FVC低下は必ずしも外因性気管支炎・肺気腫を意味するわけでは無いと思う。解釈困難な部分があると思う。
除外診断されてないCOPDとして解釈すれば変なことになる
FEV1/FVC 正常下限未満症例、すなわち、今回の報告での「気流制限過少診断」症例の予後として、「早期死亡、心不全、肺炎」が上げられており、COPDでのプライマリエンドポイント指標としてよく用いられる急性増悪に関しての予後影響は認めてない・・・というところが、固定比判断古典的COPDとは異なる病態とも考えられるから慎重な議論が必要と思う。(製薬会社に媚びをうるお偉いさんたちがミスリードしないことを願うばかり)
Young and middle-aged adults with airflow limitation according to lower limit of normal but not fixed ratio have high morbidity and poor survival: a population-based prospective cohort study
Yunus Çolak, et al.
European Respiratory Journal 2018 51: 1702681; DOI: 10.1183/13993003.02681-2017
http://erj.ersjournals.com/content/51/3/1702681
気流制限(airflow limitation:AFL)定義上固定比を用いることで高齢者での過剰診断、若年者での過少診断をもたらすリスクが懸念されている。しかし、若年未診断AFLの予後の報告は少ない。仮説として若年AFLの過少診断部分が不良予後と関連するか?
Copenhagen General Population Study 95288名、20−100歳
AFL無し(FEV1/FVC 0.70以上、LLN(正常下限)以上) n=78779, 83%
AFL過少診断(FEV1/FVC 0.7以上、LLN未満) n=1056, 1%
AFL過剰診断(FEV1/FVC 0.7未満、LLN以上) n=3088, 3%
AFL (FEV1/FVC 0.7未満、LLN未満) n=12365, 13%
急性悪化、肺炎、虚血性心疾患、心不全、全原因死亡評価、フォローアップ期間中央値 6.0年間(range : 2日-11年間)
AFL無し群比較
過少診断群では年齢・性別補正ハザード比 肺炎 HR 2.7 (95% CI: 1.7 - 4.5)、 心不全 2.3 ( 1.2 - 4.5)、全原因死亡率 3.1 (95% CI : 2.1- 4.6)
LLNによるAFL判断により若年・中年では、固定比判断と違い、呼吸・心血管合併症、早期死亡増加を示す
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