2018年7月20日金曜日

肺癌検診基準 再考必要:喫煙既往リスクは長年続く

論文序文から ”肺癌検診では肺癌リスクを相対的に20%低下させることができ、禁煙と組み合わせると38%低下効果ありと言われている”。低線量CTの適応に関する議論あり、禁煙期間(YSQ: years since quiting)の基準が問題


研究者等は、現行喫煙、既往喫煙、非喫煙とを多変量補正Cox比例ハザード回帰モデルを利用し肺癌リスクとの関連性を比較。


  • 継続喫煙と比較し、重度既往喫煙では禁煙期間(YSQ)5年間で肺癌リスク低下
  • しかし、非喫煙者に比較して、25YSQでも3倍を超すリスク継続
  • 15 YSQ超の既往喫煙では、肺癌発生の10分の4は15YSQ超過後であり、現行ガイドラインにscreening windowを逸脱している

故に、喫煙既往者のYSQ基準に関して議論が必要

Lifetime Smoking History and Risk of Lung Cancer: Results From the Framingham Heart Study
Hilary A Tindle  Meredith Stevenson Duncan  Robert A Greevy Ramachandran S Vasan  Suman Kundu  Pierre P Massion Matthew S Freiberg
JNCI: Journal of the National Cancer Institute, djy041, https://doi.org/10.1093/jnci/djy041


【研究方法】Framingham Heart Study Original (n=3,905) と Offspring cohort (n=5,002) で、生涯喫煙と肺癌発生データ解析::1954 to 1958 (Exam 4) and 1971 to 1975 (Exam 1), 2013まで


【結果】フォローアップ中(中央値 28.7年間)肺癌284
肺癌推定発生率1000人年対 現行喫煙 1.97 (95% 信頼区間 [CI] = 1.66 to 2.33)、既往喫煙  1.61 (95% CI = 1.34 to 1.93)、非喫煙  0.26 (95% CI = 0.17 to 0.39)

重度禁煙既往者の禁煙期間(YSQ)を非喫煙比較で肺癌リスク比較すると何れも増加
<5: 12.12="" 21.17="" 95="" ci="6.94" p="" to="">5–9: HR = 11.77, 95% CI = 6.78 to 20.45
10–14: HR = 7.81, 95% CI = 3.98 to 15.33
15–24: HR = 5.88, 95% CI = 3.19–10.83
≥ 25: HR = 3.85, 95% CI = 1.80 to 8.26)

重度喫煙既往 (vs 現行喫煙)において5YSQ内に、肺癌リスク 39.1%低下

データでは、全ての喫煙既往者において、肺癌の40.8%が15YSQ以上経過しても発生することも示されている




”武田”先生というテレビによく出る科学者(教授)?風のひとがいますが、横断的観察、即ち、”タバコを吸ってる人が減ってるのに癌が減らない”というのを喫煙無害説の根拠としておりますが、YSQと癌リスクを考えれば、何ほざいてんだか・・・という気になりますわな

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