2018年7月6日金曜日

心筋梗塞心原性ショック:ノルアドレナリン vs アドレナリン投与

ボスミン(アドレナリン)の御用向きは、ACLS、アナフィラキシーショック・喘息など
ノルアドレナリンに冠して、日本のガイドラインでも心原性ショックでノルアドレナリン記載されていると思う。


意外なのは、“エピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の共通点は多いが、心筋梗塞時心原性ショックでは互換性がない”と今更感があるが、実地的立証がなされてなかったよう・・・


57名の患者で2つの昇圧剤を使用し同様の昇圧、CI増加をもたらしたが、エピネフリンは不応性難治性ショック発生増加をもたらす。

意外だが・・・

心原性ショックを伴う心筋梗塞へ、種別毎昇圧剤には特異的作用があるのだろうが、比較トライアルなされて折らず、介入データ無かったとのこと
前向き二重盲検多施設ランダム化研究比較

Epinephrine Versus Norepinephrine for Cardiogenic Shock After Acute Myocardial Infarction
Journal of the American College of Cardiology
Volume 72, Issue 2, July 2018
DOI: 10.1016/j.jacc.2018.04.051
http://www.onlinejacc.org/content/72/2/173

プライマリ有効性アウトカム:cardiac index evolution
プライマリ安全性アウトカム:occurrence of refractory CS
Refractory CS <不応性心原性ショック>定義:低血圧持続、終末臓器還流不全、高乳酸血症、 inotrope や vasopressor 高投与

結果:57名を2つの研究arm(エピネフリン、ノルエピネフリン)にランダム化
プライマリ有効性エンドポイントとして、心拍出量指標効果<ベースライン0時間→72時間>で同様 (p = 0.43)
主要安全性エンドポイントにて、不応性ショック頻度エピネフリン群で多い (10 of 27 [37%] vs. norepinephrine 2 of 30 [7%]; p = 0.008) 、そのため早期このトライアル中止となった
心拍(2時間後→24時間後)は有意にエピネフリン群で高いが、ノルエピネフリンでは変化無し (p < 0.0001)





代謝変化のいくつかはノルエピネフリンに比べ、エピネフリンで好ましくない結果があり、2時間→24時間にて、心臓double product増加  (p = 0.0002)、乳酸アシドーシス増加   (p < 0.0001)



結論:急性心筋梗塞による心原性ショック患者において、エピネフリンは、ノルエピネフリンと同様の動脈圧や心拍出指数増加を示す昇圧効果があるが、治療不応性ショック頻度が多くなる
  (Study Comparing the Efficacy and Tolerability of Epinephrine and Norepinephrine in Cardiogenic Shock [OptimaCC]; NCT01367743)




ACLSでも以下注意書きが書かれている
https://acls-algorithms.com/acls-drugs/acls-and-epinephrine/
Epinephrine should be used with caution in patients suffering from myocardial infarction since epinephrine increases heart rate and raises blood pressure. This increase in HR and BP can increase myocardial oxygen demand and worsen ischemia.

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