2018年8月31日金曜日

【警告】コルチコステロイド10mg/日以上の投与はPD-(L)1阻害剤効果を減弱

ステロイド投与の理由をみるとしかたないのかもしれない。だが、PD-1チェックポイント分子阻害剤のうち、PD-L1抗体(アテゾリズマブ;テセントリク)使用時はその効能低下について配慮必要

PD-1抗体(オプジーボ、キイトルーダなど)については? 可能性今後探る必要あり

MedPageでは、抗PD-1/PD-L1治療とまとめて解説している
https://www.medpagetoday.com/hematologyoncology/lungcancer/74838





Impact of Baseline Steroids on Efficacy of Programmed Cell Death-1 and Programmed Death-Ligand 1 Blockade in Patients With Non–Small-Cell Lung Cancer
J Clin Oncol 2018; DOI:10.1200/JCO.2018.79.0006.
https://doi.org/10.1200/JCO.2018.79.0006

PD-(L)1 blockade治療640名中90名(14%)でプレドニゾロン換算10mg/日以上のコルチコステロイド投与
ステロイドの適応は呼吸困難(33%)、疲労(21%)、脳転移(19%)

独立したコホートとして Memorial Sloan Kettering Cancer Center (n = 455) とGustave Roussy Cancer Center (n = 185)において、ベースライン・コルチコステロイドは全般的奏功率、progression-free survival(PFS)、全般生存率(overall survival:OS)すべてで減少

MSKCCコホートによると、ベースライン・コルチコステロイド 10mg/日以上投与により

  • 奏功率低下(6% vs 19%, p=0.002)
  • progression-free survival(PFS)においては中央値 1.9ヶ月 vs 2.6ヶ月 P=0.001
  • 全般生存率(overall survival:OS) 5.4 vs 12.1ヶ月 p< 0.001


フランスコホードでは、奏功率 8% vs 18% だが、P=0.2であった
PFSに関しては軽度低下だが、有意差有り(1.7 vs 1.8ヶ月 p<0.001)
OSはほぼ3倍低下 (3.3 vs 9.4ヶ月 p<0.001)

喫煙歴、PS、脳転移病歴補正pooled population多変量解析にて、PFS(ハザード比, 1.3; P = .03)、OS減少 (ハザード比, 1.7; P < .001)と相関

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