2018年9月7日金曜日

COPD健康状態に関するMCIDのシステマティック・レビュー/メタアナリシス 治療効果でしか使えない現状

HRQoLや機能評価におけるMCIDについては治療効果検証では意味がある数字が存在するが、自然経過など悪化の方のMCID評価されたツールは存在しないというのは目からうろこであった







序文に、MCIDの解説
臨床的明瞭な変化を意味する閾値、Jaeschkeらの定義:問題ある副作用無く、コスト増大無く、患者管理を変化しうるという条件の下ベネフィットとして患者が知覚しうる、対象ドメインのスコア最小差”で、MCIDは、介入や薬物治療後、対照と比較した上で臨床的明確な変化を患者のパーセンテージで比較したもので、サンプルサイズの決定、臨床的評価に用いられる。MCIDが不当に高ければ治療介入などの過小評価、低すぎれば過大評価を導く。健康状態評価とそのMCIDがCOPDにおいて特に注目されるのは医師にとってはスパイロメトリ指標、血液ガス分析などだが、患者にとってはQOLと無関係。QOLは患者の満足・不満足で個別観点から重要。HRQOL指標、身体機能、メンタル機能の標準化法としてMCIDは重要。
測定方法としては、 anchor-based、distribution-based、opinion-based アプローチがあり、それぞれ賛否ある。anchor-based、distribution-basedの複合が用いられることが推奨されている。COPDにおけるHRQOLおよび健康状態ツールのMCID報告多くし、様々な説明がそれぞれの著者からなされている。

多くの研究で最近updateが乏しく、MCID methodologyの質評価も、triangulationもなされてない。COPD以外ではPROsや機能評価のMCID研究盛んで、システマティック・レビューや要約、質検証などなされている。
そこで、様々なHRQoL指標のMCIDエビデンスをシステマティック・レビューし、方法論としての質評価を行い、メタアナリシスとしてトライアンギュレーション:triangulation(三角測量)検証




Clinically relevant differences in COPD health status: systematic review and triangulation
ERJ Express. Published on August 23, 2018
as doi: 10.1183/13993003.00412-2018

12種類のCOPD HRQoLと健康状態ツール、MCIDmethodology、質、推定値を含む、21研究

例えば、CAT, CCQ, (SF)CRQ, eDiary, EQ-5D, FT, QOLRIQ, SF-6D, SF-36, SGRQ, VSRQ

全般的質やバイアスリスクは、平均的〜良の評価で、1つはexcellent、2つはpoor



トライアンギュレーション: MCIDs:改善指標

  • COPD Assessment Test (CAT) −2.54
  • Clinical COPD Questionnaire (CCQ)  −0.43
  • St. George's Respiratory Questionnaire (SGRQ) −7.43

セッティングの違いand/orフォローアップ期間の構造差を伴わない検証であった


他のツールでは検討数が少なく、種類多すぎて検討できず


悪化に関するMCIDの研究は、すべてのツールにおいて、乏しく、存在しないといえる



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