2018年10月25日木曜日

エンパグリフロジンの心不全直接効果:拡張期機能改善・心筋フィラメント調節機能への効果

EMPG-REG OUTCOMEトライアルでの心血管アウトカムへの効果は衝撃的で、糖尿病治療へSGLT-2の導入積極的な潮流となっているが、なぜ、心血管イベント、しかもhardなアウトカムを改善させたか、その根拠がはっきりしない。

また、駆出率保存型心不全(HFpEF)への画期的薬物療法が存在しない現状、この薬剤の糖尿病病態未関連直接心筋への効果があるとすれば、この治療へのトライアルの示唆となるのだろう。



Empagliflozin directly improves diastolic function in human heart failure
Stefan Wagner , et. al.
European Journal of Heart Failure (2018) 
ARTICLEdoi:10.1002/ejhf.1328


目的:エンパグリフロジンはSGLT-2阻害剤臨床抗糖尿病薬剤で、心血管安全性評価されている。エンパグリフロジンはプラシーボ比較で心不全死亡率入院を減らすエビデンスあり。しかし、そのメカニズムは道。故に、心筋への直接pleiotropic effectを検討

方法と結果 直接心筋への効果を評価するため、ヒト収縮期終末期心不全心室肉柱のtoto-isolation標本で収縮力実験。
エンパグリフロジンは有意に拡張期圧力を低下するが収縮力は不変
糖尿病・非糖尿病マウス心筋でも確認し、糖尿病状況とはこの効果は独立したものであることを示唆
ヒト心不全心筋細胞において、エンパグリフロジンはカルシウム・トランジェント電圧に影響を与えず、拡張期カルシウム濃度に影響を与えない。
拡張期機能の改善を下支えするメカニズムは拡張期心不全患者・ラット(駆出率保存型心不全, HFpEF)からの心筋線維研究で明確化。エンパグリフロジンは心筋フィラメントの調節蛋白のリン酸化促進により心筋フィラメントpassive stiffnessを改善。HFpEFラットではエンパグリフロジン静注にてエコー評価拡張機能有意改善するが、収縮期機能は変化認めず


結論 エンパグリフロジンは心筋への直接のpleiotropic effectあり、拡張期stiffness改善、拡張機能促進する。この効果は糖尿病病態と独立。拡張期機能障害心不全への薬物療法は確実なものがない現状、この結果は新しいtranslational studyへの根拠となり、EMPG-REG OUTCOMEトライアルの解釈に寄与するかも

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