2019年5月14日火曜日

アナフィラキシーショック治療エピネフリン過剰投与後心電図異常・・・考えられる病態は?

アナフィラキシーショックを目の当たりにしたら慌てるので常日頃脳内シミュレーションが必要だろう

やや非定型な症候群だが、エピネフリン静注後心電図異常など見た場合は念頭に置く必要があろう


勉強になったなぁ




間歇的胸部絞扼症状評価のためのCT血管造影中、息切れ・喘鳴、紅潮、意識消失あり、脈 50 bpm 血圧 60/45のショックへ エピネフリン静注(1:1000) 1mg ivボーラス
その後II,III,aVFのST上昇、I,aVL, V1-3のST低下





その後CCU入室、電解質・心筋逸脱酵素正常

デキサメサゾン 5mg ivにて症状改善、ST上昇16分間で改善し冠動脈痙攣と診断
ベッドサイド心エコーで LVEF 67%、壁運動異常認めず、CTAで冠動脈有意狭窄無く
troponin I 値 0.091で48時間までに減少



Electrocardiographic Changes After Overdose of Epinephrine in a Patient With Anaphylaxis
Kounis Syndrome or Epinephrine?
Chunyan Jiang, et al.
JAMA Intern Med. Published online May 13, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.1230

Kounis Syndrome (KS)は、薬剤・書物・他のトリガーにより誘発された過敏性冠動脈疾患(1991年, Kounis and Zavrasらの初回記載)
ヒスタミン遊離により誘発された冠動脈痙攣による"アレルギー性狭心症の症状”で、アレルギーもしくはアナフィラキシー障害による状況でマスト細胞活性化に関連する急性冠症候群(ACS: 冠動脈痙攣、プラーク破裂、ステント血栓)と同時発生と定義。ヒスタミン、PAF、各種サイトカイン、ケモカインなど炎症性メディエータ遊離により冠動脈痙攣を生じ(type 1 variant)、心筋酵素逸脱増加の有無ともに存在。


アナフィラキシーの診療中に胸痛などの症状を認めた場合には、本合併症を疑い適切な処置を行う必要
https://www.imic.or.jp/literature/1603/



エピネフリンの副作用で成人では 0.01 mg/kg (1:1000: 1mg/ml)で最大 0.5mgなので副作用の可能性

さらに鑑別としては、たこつぼ症候群(突然発症、一過性の左室壁以上、ACSと共通所見:症状、心電図変化、心筋バイオマーカーなど)だが、三時間後経胸壁心エコーで発症後3時間後壁運動異常認めず、除外

他の過敏性関連冠動脈症候群としては、ATAK(adrenaline ,Takotsubo、anaphylaxix、and KS)

ATAKは挑戦的な現代的な複合施設であることが強調されています。 アナフィラキシー反応は、肥満細胞などの炎症細胞の活性化によってKSを誘発することがあります。 これらの細胞は、カテコールアミンの放出を刺激するヒスタミンなどの炎症メディエーターを放出します。 さらに、アナフィラキシープロセスの間にレニン - アンジオテンシン - アルドステロン系によって放出される代償性カテコールアミン、ならびにアナフィラキシーショックの血行力学的補助のためのエピネフリンの投与もまた、血漿中カテコールアミンのレベルを増加させ、それはTTSを誘発しそしてこの悪循環を永続させ得る。






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