2019年6月11日火曜日

睡眠中夜間人工照明暴露は体重増加と関連

以前からある報告だと思う


43,722名のコホート、夜間の睡眠中人工照明artificial light at night (ALAN) が体重増加と肥満とに、特に居宅内照明もしくはテレビを睡眠中使用する女性で特に有意相関。 睡眠時間およびその質により関連性説明できず、同様、睡眠の質の低さと関連する他の要素とも相関せず。


Association of Exposure to Artificial Light at Night While Sleeping With Risk of Obesity in Women
Yong-Moon Mark Park, et al.
JAMA Intern Med. Published online June 10, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.0571
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2735446

ベースラインと前向き分析:登録時35−74歳女性
Sister Study in all 50 US states and Puerto Rico
2003年7月から2009年3月まで登録
フォローアップ2015年8月14日
ベースラインで夜勤労働者でない、昼間睡眠でない、妊娠でない、がん・心血管疾患を有さない、43722名女性

暴露:夜睡眠中間人工照明の登録時報告でカテゴリー化(no、居宅内夜間照明、居宅外照明、居宅内照明あるいはテレビ

主要アウトカム・測定項目 BMI 30以上を全身性肥満、ウェスト径 [WC] 88cm以上、ウェスト/ヒップ比 [WHR] 0.85以上、あるいは ウェスト/身長比[WHtR] 0.5以上を中心性肥満
過体重・肥満評価のため登録時BMIをフォローアップ時自己報告BMIと比較  (平均 [SD] フォローアップ, 5.7 [1.0] 年間)

頑健性のある標準誤差(robust standard error;以下,ロバスト標準誤差)を保つ一般対数線形モデルで推定多変量補正出現率比  (PRs) と相対リスク (RRs) を 95% CIs をもって比率と発生率を表現

結果 43722名の女性 平均[SD]年齢 55.4 [8.9]歳
ALAN暴露ありの場合、睡眠はベースラインでの肥満頻度高率と正の相関

  • BMI (PR, 1.03; 95% CI, 1.02-1.03)
  • WC (PR, 1.12; 95% CI, 1.09-1.16)
  • WHR (PR, 1.04; 95% CI, 1.00-1.08)
  • WHtR (PR, 1.07; 95% CI, 1.04-1.09)

各々の測定値に対し寄与要素補正後傾向検定 p < 0.001

睡眠中すべてのALAN暴露も、肥満出現率と相関 (RR, 1.19; 95% CI, 1.06-1.34)

ALAN無しに比べ、居宅内テレビもしくは照明つきの睡眠は 5kg以上の体重増加と相関 (RR, 1.17; 95% CI, 1.08-1.27; P<.001 for trend) 、10%以上のBMI増加と相関 (RR, 1.13; 95% CI, 1.02-1.26; P = .04 for trend)、過体重発生率と相関 (RR, 1.22; 95% CI,1.06-1.40; P = .03 for trend)、肥満発生率増加と相関 (RR, 1.33; 95% CI, 1.13-1.57; P<.001 for trend)

結果は感度分析と睡眠期間、睡眠の質、食事、身体活動などの寄与要素補正追加多変量解析にて確認

結論と知見:睡眠中人工照明暴露は体重増加、過体重・肥満発生の高リスク要素
さらなる前向き・介入研究でこれらの関連性を明確にする、睡眠中人工照明暴露低下にて肥満予防促進する可能性あるかを明確にする必要がある






考察から

この研究の層別分析は、年齢、食事、および身体活動を含む複数の要因が、睡眠中のALANと5 kg以上の体重増加との関連に関連している可能性があることを示唆しています。
興味深いことに、協会はより高いHEI-2015を持っていた女性とより多くの余暇時間の身体活動を報告した女性の間でより顕著でした。米国の成人における睡眠期間および偶発性肥満の研究では、短い睡眠期間は、より短い時間座った女性の体重増加と有意に関連していた。
同じ研究の身体的に活動的な男性でも同様の所見が観察されました。不健康なライフスタイルのパターンを持つ個人の間では、睡眠の特性が体重増加にあまり寄与しない可能性があります。対照的に、部屋の明かりがない人のうち、低いHEI-2015と不十分な余暇時間の身体活動の両方が体重増加と肥満に関連していました。
ALANへの長期暴露は睡眠を混乱させ、睡眠時間を減少させる可能性があると推測されており、それは次に体重増加と肥満のリスクを増加させるでしょう。
ALANは、SISTER studyにおいてより短い睡眠期間と関連していました
この関連に関わる2つの主要な経路は、エネルギー摂取量の増加とエネルギー消費量の減少の2つであり、どちらもプラスのエネルギー収支に貢献します。
 エネルギー摂取量は、高エネルギー密度食品を求めることに対する行動的および認識的変化、ならびにレプチン、グレリン、およびグルカゴン様ペプチド-1などの食欲調節ホルモンのレベルの変化によって増加する可能性があります。
 睡眠時間が短いと、覚醒状態の時間も長くなります。これにより、食べ物を消費したりエネルギー摂取量を増やすための時間を増やすことができます。慢性的な部分的な睡眠不足は、日中の疲労に続く身体活動を低下させることによってエネルギー消費を減らすかもしれません。
睡眠不足がエネルギー収支に及ぼす影響を評価する介入研究の最近のメタアナリシスは、エネルギー収支よりもエネルギー収支が正のエネルギー収支に大きく寄与していることを裏付けている。




よくわからんが・・・テレビを消そう

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