2019年9月11日水曜日

LATE:アルツハイマー病には別の病型の認知症が紛れ込んでいる

JAMA誌でのLATEの紹介

だれしもが、too lateと突っ込みを入れたくなる


"limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy, or LATE. Aptly named, LATE strikes “the oldest old”—usually those in their 80s and 90s—causing progressive memory loss.":LATE(Limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy、大脳辺縁系優位型老年期TDP-43脳症)



アルツハイマー患者、実は別の種類の認知症か=国際研究
2019年05月1日
https://www.bbc.com/japanese/48116477


今回の研究では、アルツハイマー型と診断された患者の最大で3分の1が、実はLATEである可能性があるとしている。また、アルツハイマー型とLATEは併発することもあるという。

LATEは80歳以上が罹患するもので、この年齢グループでは5人に1人の割合で症状が確認された。

調査チームはこのことから、公衆衛生におけるLATEの影響は大きいと指摘した。

「アルツハイマー型に有効だといわれていた試験薬はLATEには効果がない。これは今後の試験で、被験者に重要な選択をもたらすだろう」



stereotypical TDP-43 proteinopathy

Limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy (LATE): consensus working group report
Peter T Nelson, Dennis W Dickson, John Q Trojanowski, Clifford R Jack, Patricia A Boyle, Konstantinos Arfanakis, Rosa Rademakers, Irina Alafuzoff, Johannes Attems, Carol Brayne ... Show more
Brain, Volume 142, Issue 6, June 2019, Pages 1503–1527, https://doi.org/10.1093/brain/awz099
https://academic.oup.com/brain/article/142/6/1503/5481202

この疾患の症状はアルツハイマー病の症状に類似しているため、レーダーに引っかからなかった。鍵となる違いは剖検所見で、" buildup of misfolded TAR DNA-binding protein 43 (TDP-43) primarily in limbic brain regions"が特徴:辺縁系主体TDP-43 misfoldの形成である。このmisholdされたTDP-43はアルツハイマー病とLATEの違いである。

LATEではアルツハイマー病の脳脊髄液バイオマーカーを持たず、脳画像イメージマーカーを呈しない事の説明にもなる。TDP-43封入体はβアミロイド斑やTau蛋白のtangleと某健常共存し、LATEとアルツハイマー病のhand in hand状態も存在。


アルツハイマー病の治療治験進行がはかばかしくない理由の一つにLATEの存在があるのかもしれない。

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