https://cvdd.rakuno.ac.jp/archives/2554.html
バクテリオファージ(ファージ)は細菌を宿主にするウイルスで、1915年にTwortにより細菌を溶かす現象として偶然発見されたものです。その後、d’Herelleによって細菌感染症に使用する抗菌薬としての利用が考えられたものの、1929年にFlemingの発見したペニシリンを契機に抗生物質にその座を完全に奪われ医学遺産と化したのです。...2016年に公表された「薬剤耐性対策アクションプラン2016-2020」でも、新たな治療法の開発研究を推進することになっています。その一つの候補として最近世界的に注目されているのが、本日のテーマである古くて新しい抗菌薬であるファージ製剤
"ファージ製剤の利点を上げれば、... 一般の感染症のみならず耐性菌感染症にも応用できることや、種特異性が高く常在細菌叢に影響しないこと、少ない回数でファージを投与すると宿主菌が無くなるまで増殖を続けること、製造が比較的容易であることなど"とされ期待が増す。
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/g_lec/field/36_ando.html
以下、関連文献2つ 日本はこの分野でも遅れてるそうで早急に対応が待たれる
薬剤耐性菌の肺炎治療の以前の“新規”章は、前の章の編集されたもので、追加されたもの
特異的薬剤耐性メカニズムに着眼してβラクタマーゼ阻害剤を追加した形、耐性ギリギリの分の治療としてPK/PD最適化した形、組織浸透への副作用に着眼したエアロゾール化など
コリスチンを正確に投与のためには、関連腎毒性を思い出し、以前の章を読みなおす必要がある。リネゾリドが商品化されてからHAP/VAPの抗生剤は導入されていない。この種の薬剤が利用された結果、MRSA HAP/VAPや免疫不全患者のレアなバンコマイシン耐性腸球菌の治療の至適さに関する関心が少なくなっている。
2つの相補的研究が新しいチャプターになるか?
Bacteriophages Improve Outcomes in Experimental Staphylococcus aureus Ventilator-associated Pneumonia
Josef Prazak ,et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201812-2372OC PubMed: 31260638
Received: December 21, 2018 Accepted: June 28, 2019
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.201812-2372OC
序文:多剤耐性細菌原因の感染症は重大な臨床的挑戦的なファージ治療は代替的抗菌治療戦略として有望
目的:ラットに於けるMRSAによるVAP治療の静注ファージ治療の有効性評価
方法:無作為化盲検対照実験研究で、静脈内テイコプラニン(3mg / kg、n = 12)、4つのファージのカクテル(2-3 x 109 PFU/ ml、2003、2002、3AおよびK、n = 12)および両方の組み合わせ(n = 11)を比較、投与は、肺炎 2、12、24時間後及び、それ以降4日間1日1回投与。 プライマリアウトカムは4日目生存。 セカンダリアウトカムは、肺および脾臓の細菌およびファージ密度、肺内の感染の組織病理学的スコアリング、および血液中の炎症性バイオマーカー。
結果:ファージ、テイコプラニンによる治療にて生存率は0%から58%、50%と各々増加。抗生剤とファージ組み合わせでアウトカム上乗せ改善認めず(生存率 45%)
動物の生存率は肺内の細菌burdenと相関(1.2 x 106 CFU/g of tissue for survivors versus 1.2 x 109 CFU/g for non-surviving animals, p<0 .0001="" p="">
ファージの肺内multiplication は治療中に生じ、IL-1βは治療経過中全ての治療群で増加
Bacteriophage Therapy of Ventilator-associated Pneumonia and Empyema Caused by Pseudomonas aeruginosa
Susan Maddocks, et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201904-0839LE PubMed: 31437402
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.201904-0839LE
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バクテリオファージ療法は、1900年代初期に抗菌療法として初めて利用されました。 抗生物質の出現により西社会で関心を失い、バクテリオファージ療法は以前の東社会で使用され続け、その治療の可能性に対する関心は、抗菌薬耐性の世界的な増加の発展とともに新たに出現。 絶対溶菌性バクテリオファージは、特定の細菌細胞を破壊するウイルスであり、ヒトに有害とは見なされていませんが、治療が限られているため、その安全性と有効性に関する臨床情報3です。 肺疾患のマウスモデル4,5,6および気道感染のin vitroまたはex-vivoモデルで抗シュードモナスバクテリオファージ療法がうまく利用されたという報告がありますが、in vivoでの使用に関するデータはほとんどありません。ということで症例報告 77歳女性、胸部術後、多剤抗生剤過敏症既往、重度喫煙者
術後2日目で感染症状と所見で右下葉肺炎浸潤影と無気肺、eGFE 32 mL/min/1.73m2、Moxifloxanとメトロニダゾール:誤嚥性肺炎ターゲット
day 6にて陰影持続、ICC抜去、喀痰培養(day 3サンプル):PIPC-TAZ・ciprofloxacin、meropenem感受性緑膿菌、38度に増加、メロペネム1 tds投与
緑膿菌持続検出、浸潤影広がり、発熱持続、1週間投与後他の感染源明確なもの無く、血液培養も陰性持続。気管支胸膜fistulaからエアリークあり、脳虚血イベント発生・・・その後も改善傾向無く、倫理研究委員会に打診し、AB-PA01のコメントをもらい投与
AB PA01
その後<google翻訳>
投与、AB-PA01は23日目から補助療法として開始されました。気道および胸壁の治療にどちらの経路でも十分であることを保証するデータがない場合、両方とも静脈内(100 mLの生理食塩水100 mL中AB-PA01 1 mL )および噴霧化(4 mL AB-PA01、未希釈)ファージを1日2回投与しました。 3日以内に、患者の酸素化は改善し、鎮静は停止しました。 27日目(ファージ治療の4日目)に、胸膜液からの最近の緑膿菌分離株(ファージ治療開始前に収集)がフルオロキノロン耐性を示しました。シプロフロキサシンは中止され、セフトロザン/タゾバクタム脱感作が28日目に開始されましたが、この時点で患者のメモには、患者が「先週にわたって顕著な進歩」を遂げ、SaO2が2 L / min O2で90%になったことが記録されています鼻プロング。
バクテリオファージ療法は7日後に中止され、患者はICUから高依存症ユニットに降格しました。彼女は、1.5 g tds IVで静脈内セフトロザン/タゾバクタムの6週間を完了しましたが、腎機能の改善に伴って増加することはありませんでした。肺炎で3 g tdsが必要かどうかを判断するための試験が進行中であることに注意してください(Clinicaltrials.gov NCT02387372)。彼女は最初の入院から約11週間後、感染の兆候なしに病院から老人医療施設に退院しました。彼女の最後の陽性の緑膿菌培養物は、バクテリオファージ療法の4日目(セフトロザン/タゾバクタムを開始する1日前)に採取したfromからのわずかな増殖であり、その後AB-PA01療法の完了後6ヶ月を含む、培養陰性のままでした。
広範壊死化肺緑膿菌感染管理で臨床的バクテリオファージ治療の初回報告例となる
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