全身性炎症は重症患者の疾患進行の重要な原因であり、一般に敗血症症候群と関連。炎症はARDSの発症と進行にも関連し、敗血症はARDSの進行リスクが高いことと関連。
ストレスに対する循環白血球の生理学的免疫応答は、好中球の増加とリンパ球の減少を特徴とすることが多いため、好中球とリンパ球の比(NLR)が固形腫瘍などの様々な疾患における予後マーカーであることが示されている。他、心血管疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)でもNLRが重症患者の予測因子として調査されている。
重症敗血症および敗血症性ショックの研究において、NLRは28日の死亡率と独立して関連していることが報告され、NLRは、重症患者における短期死亡率と長期死亡率の両方の独立した指標であることが示されている。
そういう流れで検討
The Association Between the Neutrophil-to-Lymphocyte Ratio and Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome
A Retrospective Cohort Study
Li, Weijing , et. al.
Shock: February 2019 - Volume 51 - Issue 2 - p 161–167
ARDSの発症に全身性炎症関与しているが、好中球/リンパ球比(NLR)指標がその後の予後に関する炎症性マーカーとなるか?
後顧的検討
224名で、NLR 四分位比較 6.88 (4.61–7.94)、13.06 (11.35–14.89)、 20.99 (19.09–23.19)、 39.39 (32.63–50.15)
28日死亡率: 10.7%、19.6%、 41.4%、 53.6% (P < 0.001)
Cox回帰分析にてNLRは28日死亡率の有意リスク要素
参照値比較補正ハザード比 第2四分位:1.674, 95% 信頼区間 [CI], 0.462–6.063, P = 0.432 第3四分位:HR = 5.075, 95% CI, 1.554–16.576, P = 0.007 第4・四分位:HR = 5.815, 95% CI, 1.824–18.533, P = 0.003
同様傾向がICU死亡率、入院死亡率でも示された
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