2019年2月1日金曜日

外来呼吸リハビリテーション:喘息もCOPDと同様効果


呼吸リハビリテーションは運動トレーニング・自己管理教育を主たる構成要素とする集学的・包括的介入で、COPD患者では症状、運動能力、QOL改善をもたらす。軽症喘息の若年者での研究を検討し、肥満・非肥満患者への食事介入が最近検討されている。喘息でも運動によるQOLや運動能力改善効果、さらには一部研究ではFEV1、喘息コントロール、運動誘発性気管支収縮、気道炎症、不安・うつ、体重・脂肪組成などへの効果が期待されている。
一方、重症喘息患者の呼吸リハビリテーションの役割は研究が乏しい。
重症喘息は、COPDと異なり、肺胞ガスtransferは温存され、運動による低酸素血症は比較的生じないはず。COPD患者では運動中酸素飽和度低下とそれに伴う筋肉への酸素運搬の増加と換気効率減少が見られる特徴がある。経口ステロイドのためミオパチーにより呼吸筋および骨格筋の障害など、運動プログラムのデザインなど喘息にあわせたデザインが求められる。


Outpatient pulmonary rehabilitation for severe asthma with fixed airway obstruction: Comparison with COPD
Agnès Bellocq, et al.
Journal of Asthma, 1–9. doi:10.1080/02770903.2018.1541351
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02770903.2018.1541351


後ろ向き研究にて、固定閉塞重症喘息患者を、性別・年齢・BMI・FEV1マッチ化COPDと比較して外来リハビリテーションの効果・耐用性比較

29名、気道閉塞中等度:median FEV1 57% [44–64]


ピーク時VO2はCOPDより喘息で高値  (19.0 [15.7–22.2] vs 16.1 [15.3–19.6] ml.min−1.kg−1, p = 0.05)

リハビリテーション後、喘息とCOPD群は共に有意で同様の定常負荷サイクリング試験耐用時間 ;[114–831] 秒、 377 [246–702] 秒
Hospital Anxiety and Depression Scale (HAD) total score変化量も同様 (–2.5 [–7.0 to 0.0] vs –2.0 [–5.0 to 2.0], p > 0.05)

SGRQのQOLスコアは有意に両群改善 (–14.0 [–17.7 to –2.0], p < 0.005 and –8.3 [–13.0 to –3.6], p < 0.0001)


固定気道閉塞重症喘息患者でも外来呼吸リハビリテーションの適応性や認容性同様





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