2019年5月10日金曜日

オゾン長期暴露と原因別死亡リスク

10年前の研究( Long-Term Ozone Exposure and Mortality , Michael Jerrett , et al.
 N Engl J Med 2009; 360:1085-1095)ではPM2.5を考慮した場合心血管疾患死亡リスク増加は認めず、呼吸器系死亡リスクのみ増加という結果だったが



今回の報告では、代替モデルや共要素補正(微粒子物質や二酸化窒素)補正で、別の知見が得られた



米国成人成人の大規模前向きコホートであるNIH-AARP NIH-AARP Diet and Health Study 17年間追跡調査 1995−2011年

Long-term Exposure to Ozone and Cause-Specific Mortality Risk in the U.S
Chris C Lim , et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201806-1161OC
PubMed: 31051079
AJRCCM Articles in Press. Published on 03-May-2019

コホート, n= 548,780:国勢調査レベルのオゾン推定値
個別-、国勢調査レベル共役要素補正後、寄与共役大気汚染・気温補正後、多変量解析Cox比例ハザードモデル検討

オゾン長期平均年間暴露量は以下原因死亡率と相関(単一汚染物質もでr

  • 心血管疾患 (per 10 ppb, HR=1.03; 95% CI: 1.01-1.06)
  • 虚血性心疾患 (HR=1.06; 95% CI: 1.02-1.09)
  • 呼吸器疾患 (HR=1.04; 95% CI: 1.00-1.09)
  • 慢性閉塞性肺疾患 (HR=1.09; 95% CI: 1.03-1.15)


代替モデルや共汚染物質(微粒子物質や二酸化窒素)補正後でも認められたが、気温による交絡作用が認められた

長時間オゾン暴露と関連する呼吸器疾患死亡リスク有意増加は高温地域居住者で認める(p- interaction < 0.05)


地球温暖化とオゾンによる悪影響が懸念されるのかな?

対策の効果が出ているのは欧州と北米であり、20世紀を通じて増加の一途をたどっていた地表オゾン濃度が、2000年以降、横ばいか減少を示している。反対に東アジアにおいては観測所も少なく、オゾン濃度は依然として上昇傾向にあり、北米西海岸の一部でも長距離大気輸送が原因で濃度の上昇が見られるという。
http://tenbou.nies.go.jp/news/fnews/detail.php?i=25637


ヨーロッパの対応って?
https://www.eea.europa.eu/
Ozone Depleting Substances:成層圏オゾン層破壊物質に関しては記載があるが・・・
対流圏オゾン増加対応に関しては分からない


対流圏オゾンと成層圏オゾンの違いhttps://www.nies.go.jp/pmdep/ctype/result/ox200705/shiryo2.pdf

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note