2020年1月21日火曜日

SPRINT:降圧治療強化戦略と耐糖能異常発症の関連性

高血圧と糖尿病は併存することが多い。腎臓ナトリウム再吸収、交感神経系、膜透過イオン輸送の変化、血管抵抗などいくつかのメカニズムが考察される
高血圧のコントロールも糖尿病と複雑な関連を有し、高血圧コントロールが高インスリン血症・インスリン抵抗性へ影響を与える。UK大規模コホートでも高血圧と糖尿病発症の関連性示されていた

 Emdin CA, Anderson SG, Woodward M, Rahimi K. Usual blood pressure and  risk  of  new-onset  diabetes:  evidence  from  4.1  million  adults  and  a  meta-analysis of prospective studies. J Am Coll Cardiol. 2015;66:1552–1562. doi: 10.1016/j.jacc.2015.07.059
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4595710/


SPRINT (Systolic Blood Pressure Intervention Trial) では心血管アウトカム減少が示されたが、強化降圧戦略(SBP<120 mmHg)と標準戦略(<140 mmHg)において糖尿病発症差が提示できるか?

被験者は50歳以上、SBP 130-180 mmHg、高心血管リスク症例
糖尿病、PCK、蛋白尿 1g/d以上、心不全、認知症、卒中症例は除外
ランダム化後除外は 血糖 126 mg/dL以上、低血糖

アウトカム:糖尿病発症 空腹時血糖 126mg/dL以上、糖尿病自己報告、新規血糖降下剤使用
セカンダリアウトカム:正常血糖(100mg/dL未満)症例での IFG(100-125 mg/dL)


Blood Pressure Control and the Association With Diabetes Mellitus Incidence
Results From SPRINT Randomized Trial
Christianne L. Roumie ,  et al. , and for the SPRINT Research Group
Originally published 23  Dec 2019
https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12572
Hypertension. 2020;75:331–338

無作為化された9361名の被験者と除外 981人の除外
割り付け:強化治療 4187名、標準治療戦略 4193名

糖尿病発症 強化治療 299 (年 2.3%)、標準治療 251(年 1.9%) :1000治療人年あたり 22.6(20.2-25.3) vs 19.0(16.8-21.5)イベント;補正ハザード比 1.19 [95% CI, 0.95-1.49]

IFGにおいては100人年あたり 26.4 (24.9-28.0) vs 22.5 (21.1-24.1); 補正ハザード比  1.17 [1.06-1.30]


結論:強化治療戦略は、真性糖尿病の増加とは関連していなかったが、空腹時血糖の障害と関連していた。 集中的な血圧目標のリスクと利点は、個別の患者治療目標に考慮されるべき





インスリン抵抗性→高血圧への関連性はわかるが
高血圧厳格治療→インスリン抵抗性改善は可能なのか?

明快な解説が欲しい



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