2020年2月28日金曜日

医療職:COVID-19回復中のRT-PCR陽性所見についての報告

いつ感染リスクがなくなると判断するか?一度、2連続RT-PCR陰性となっても、その後、5−18日?までに陽性となる事例が報告されている。
念入りに検査されているようで、少なくとも偽陽性というわけではないようだ。


PCR検査だけだとウィルスの真のビルレンスを反映しているわけではないのでその判断は難しい。RT-PCR陽性となっても感染リスクがあるのか?情報が欲しいところである

対象が、医療職だけに復職までの期間設定も難しい


Positive RT-PCR Test Results in Patients Recovered From COVID-19
Lan Lan,et al.
JAMA. Published online February 27, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2783

コロナウィルス疾患(COVID-19)に関する今までの研究は主に確認された感染症患者に於ける疫学的、臨床的、レントゲン学的特徴が主眼であった。回復患者のフォローアップに対しては関心は払われてなかった

方法:
2020年1月1日〜2020年2月15日までの、COVID-19の1名の入院患者と3名の自宅検疫患者(全員医療関係者)で中国の武漢大学の中南病院(Zhongnan Hospital of Wuhan University, Wuhan)で治療を受けた対象者で、職場復帰可能か決定するためにCOVID-19核酸へのRT-PCRで評価した。
退院時或いは検疫終了のための全てのフォロー状況クライテリアに一致
(1) normal temperature lasting longer than 3 days:3日を超えて正常体温継続 
(2) resolved respiratory symptoms:呼吸器症状改善 
(3) substantially improved acute exudative lesions on chest computed tomography (CT) images:胸部CT画像での急性滲出病変の持続的改善 
(4) 2 consecutively negative RT-PCR test results separated by at least 1 day:少なくとも1日は空けての、2回連続RT-PCR陰性
RT-PCR検査は咽頭拭液を以前記載された方法で施行。 Chinese Center for Disease Control and Preventionから推奨されたRT-PCR検査キット(BioGerm)。同じ技術者で検査キットブランドを全てのRT-PCR検査に使用;内部対照と陰性対照をルーチンに検査のbatch毎施行
住民統計情報、検査所見、レントゲン特徴を電子カルテから収集。回復後、患者とその家族に直接接触し、患者にRT-PCRのため咽頭拭液採取の為病院受診するよう質問する。
この研究は、Zhongnan Hospital of Wuhan University施設レビューボードから承認され、インフォームドコンセントの必要性は見送られた

結果:

4名全員、医療専門職としての仕事から新型2019コロナウィルス暴露。2名は男性年齢は30−36歳。患者3名の内、発熱、咳嗽、その両方発症時に出現。1名は無症候性で、感染患者のthin-section CTを行った。全ての患者はRT-PCR陽性で、CT画像ですりガラス状陰影(GGO)とmixed GGO、コンソリデーションを呈した。重症度は軽症〜中等
抗ウィルス薬(オセルタミビル75mg 12時間毎)4名とも使用。3名では臨床症状やCT画像異常改善。四番目の患者のCT画像はGGOのdelicateなpatch所見であった。4名全例2回連続陰性RT-PCR検査結果。症状発症から回復までは12−32日間。
退院後あるいは検疫終了後、患者には5日間の自宅検疫継続をするよう依頼。RT-PCR検査を5−13日で繰り返し、全例陽性であった。全ての患者は次の4−5日の間に3回の繰り返しRT-PCR検査、全例陽性異なる製造会社のキットを用いたRT-PCRを追加施行しても陽性であった。
患者は臨床的検討でも無症候継続で、CTは以前の画像から変化はなかった。呼吸器症状のある人との接触報告はない。家族はだれも感染していない。

考察:
中国で退院または検疫終了の基準を満たしたCOVID-19の4人の患者(臨床症状と放射線学的異常の欠如、およびRT-PCR検査結果2件の陰性)で、5〜13日後にRT-PCR検査結果陽性であった。これらの知見から、回復した患者の少なくとも一部がまだウイルスキャリアである可能性を示唆している。
家族での感染はなかったが、報告された患者はすべて医療専門家であり、検疫中は特別な注意が払われていた。退院または検疫の中止および継続的な患者管理の現在の基準を再評価する必要がある。過去の研究で示唆されたように、偽陰性のRT-PCR試験結果が発生した可能性があるが、 2連続陰性RT-PCR試験結果に加え、臨床的特徴および胸部CT所見からの証拠により、4人の患者が退院または検疫中止の資格があると判断された。
この研究は、軽度または中程度の感染症の少数の患者に限定されていた。さらなる研究は、医療専門家ではなく、退院または検疫の中止後により重度の感染症にかかった患者を追跡する必要がある。より大きなコホートに関する縦断的研究は、疾患の予後を理解するのに役立つだろう






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