2020年4月17日金曜日

ATSガイドライン:サルコイドーシス診断と発見

ATSの臨床ガイドラインで、人種的にphenotype異なるので日本とはことなるのだろうが・・・色々示唆されることもある


心臓サルコイドーシス疑う場合は心臓MRI 優先 不能な施設なら、PETという順番(おそらく日本ではこの順番は通常ないのでは)
PHが疑われる場合のみ経胸壁心エコーというのも日本ではどうだろう?



Diagnosis and Detection of Sarcoidosis. An Official American Thoracic Society Clinical Practice GuidelineElliott D. Crouser , et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.202002-0251ST       PubMed: 32293205
 American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine  Volume 201, Issue 8
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202002-0251ST

臨床所見、病理組織学、代替診断の除外についてまとめた。利用可能な証拠に基づいて、専門家委員会はベースライン血清カルシウム検査に対する強力な勧告を1件、条件付き勧告を13件、ベストプラクティス・ステートメントを1件行った。すべてのエビデンスの質は非常に低かった。



Summary of Recommendations
リンパ節生検
1サルコイドーシス (e.g., Löfgren症候群, びまん浸潤型皮膚病変(lupus pernio), or Heerfordt 症候群)を臨床的に強く疑う患者では、リンパ節のサンプリングに関してNOTを示唆 (conditional recommendation, very low- quality evidence). 
Remarks: リンパ節サンプリング施行しない患者では、臨床的に密なフォローアップ必要
2. 無症候性、両側肺門リンパ節症患者において、リンパ節生検に関し for or againt推奨しない 
Remarks:リンパ節サンプリングしない場合、代替手段としての密な臨床的フォローアップは合理的
3. サルコイドーシスが疑われ、縦隔 and/or 肺門リンパ節症が疑われ、組織サンプリングが必要であると判断された患者に対しては、最初の縦隔および/または門部リンパ節のサンプリング手順として、縦隔鏡検査ではなく、endobronchial ultrasound (EBUS)-guided lymph  node samplingを提案(conditional recommendation, very low-quality evidence).

Screening for Extrapulmonary Disease
1. 眼症状を伴わないサルコイドーシス患者には、眼サルコイドーシスのスクリーニングのためのベースライン検査を推奨(conditional recommendation, very low-quality evidence).

2. 腎症状がなく、腎サルコイドーシスが確立していないサルコイドーシス患者に対しては、腎サルコイドーシスのスクリーニングのために、ベースラインの血清クレアチニン検査を行うことを推奨する。  (conditional recommendation, very low- quality evidence). 
3. 肝症状がなく、肝サルコイドーシスが確立していないサルコイドーシス患者に対しては、肝サルコイドーシスをスクリーニングするために、ベースラインの血清アルカリホスファターゼ検査を行うことを推奨する。 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
4. 肝症状がなく、肝サルコイドーシスが確立していないサルコイドーシス患者に対しては、ベースラインの血清トランスアミナーゼ検査の推奨も反対もしていない。
5. 高カルシウム血症の症状や徴候がないサルコイドーシス患者には、カルシウム代謝異常のスクリーニングのために、ベースラインの血清カルシウム検査を推奨します。 (strong recommendation, very low-quality evidence).
6. サルコイドーシス患者において、ビタミンD replacementが必要かどうかを判断するためなど、ビタミンD代謝の評価が必要と考えられる場合には、ビタミンD交換前に25-と1,25-OHの両方のビタミンD濃度を測定することを推奨 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
7. サルコイドーシス患者には、血液学的異常をスクリーニングするために、ベースラインの完全血球数検査を受けることを推奨する(conditional recommendation, very low-quality evidence). 
8. 心臓の症状や徴候がない心外サルコイドーシス患者に対しては、心臓病変の可能性をスクリーニングするためにベースライン心電図を実施することを推奨 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
9. 心臓症状や徴候のない心外サルコイドーシス患者に対し、心臓の異常可能性をスクリーニングするためのルーチンの経胸壁心エコー(TTE)や24時間携帯市電図(Holter)モニタリング施行に対しNOT示唆 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
Remarks:心臓サルコイドーシスのスクリーニングにTTEまたはホルターを使用することに伴う低リスクattendantだと認識している。したがって、これらの検査はケースバイケースで検討されるべきであると委員会は認識

肺外病変示唆の診断評価
1. 心外サルコイドーシスで心臓病変が疑われる患者に対しては、診断と予後の両方の情報を得るために、ポジトロン断層撮影(PET)やTTEではなく、心臓磁気共鳴画像(MRI)を用いることを推奨する。 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
2. 心外サルコイドーシスがあり、心臓MRIが使用できない環境で管理されている心臓病変が疑われる患者に対しては、診断・予後情報を得るためにTTEではなく専用のPETを推奨 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
3. 肺高血圧症(PH)が疑われるサルコイドーシス患者に対しては、TTEによる初期検査を推奨する。 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
Remarks: “PH が疑われる”ということは以下の臨床的所見(労作時胸痛 and/or 失神、prominent P2 あるいは S4の検査所見、6分間歩行距離減少、労作時酸素飽和度、DLCO低下、下行大動脈と比較し肺動脈直径拡大(e.g. CT scan所見)、BNP増加、 and/or 線維化肺病変)を含むこと 
4.PHが疑われるサルコイドーシス患者で経胸腔内心エコー検査でPHが疑われる場合には、PHを確定的に確認または除外するために右心カテーテル検査を行うことを推奨 (conditional recommendation, very low-quality evidence). 
5. PHが疑われるサルコイドーシス患者で経胸腔心エコー図がPHを示唆しない場合、右心カテーテル検査の必要性はケースバイケースで判断されるべきである (best practice statement).

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