2020年6月8日月曜日

急性肺塞栓診断のための新しい心電図スコア(nECGs)

心電図が急性肺塞栓症(acPE)の検査前確率の推定に役割を果たすことが示唆されたために新しい心電図スコア(nECGs)を考案

nECG単独または陰性dダイマー検査(DDT)との併用では、以前に発表されたECGスコアや最良の臨床予測ルールよりも急性肺塞栓症をより適切に除外することができた。nECGは、以前に発表された心電図スコアおよび予測規則よりもDDTの偽陽性をよりよく示すことができたというもの


Covid-19関連でもacPE注目されているし、されるべきだと思う
所見そのものは従来の所見だが、組み合わせがめんどくさいので、自動心電図判定に入れて欲しいと思う



Usefulness of a Novel Electrocardiographic Score to Estimate the Pre-Test Probability of Acute Pulmonary Embolism
András Vereckei, et al.
Published:June 07, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2020.05.042
Am J Cardiology
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(20)30553-1

これまでの経験から、12本の心電図は急性肺塞栓症(acPE)の検査前の確率を推定するために使用される可能性がある。この目的のために、我々は急性肺塞栓症の主要な病態を最もよく特徴づける5つの既知の心電図基準からなる新しい心電図スコア(nECGs)を考案した。
nECGの考案と検証には、acPE患者136人を含むレトロスペクティブな派生コホートと、連続した149人の患者を含むプロスペクティブな検証コホートを使用した。
後者のコホートは、acPEを有する76人の患者と、acPEの特徴的な症状を呈する73人の対照者で構成され、検査でacPEは除外された。

nECGの診断値を、別の心電図スコア(Daniel-ECG-score)および最良の予測ルール(3つのWellsスコアおよび2つのGenevaスコアの変種)の診断値と比較

心電図の感度(98.7%),陰性予測値(98%),検査精度(84.4%),陰性尤度比(LR)(0.019)は,他のすべての検査法と比較して優れていた.LRの陽性率には群間差はなかった。

nECGの特異度(69%)はDaniel-ECGスコアおよびWellsスコアに劣り,Genevaスコアの変種に差はなく,また優っていた.
nECGの正の予測値(77.3%)は2つのGENEVAスコアよりも優れており,他の方法との差はなかった.

結論として,nECGsは感度,負の予測値,検査精度,負のLRに優れているため,Daniel-ECGスコアや予測規則よりも試験前のacPEの確率を良好に推定することができた。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。


acPEの診断にはより高い(>4)nECGsの値を設定した。

新規 ECGスコア・シート
  1. S1Q下壁T下壁 or  S1+T波陰転 (V1-3)
      • もし上記所見2つ同時存在するなら     ①
    • もし上記所見の3つが同時存在するなら     ②

2) 下壁誘導 and/or aVR and/or V1-3誘導のST部位上昇  or 下壁誘導 and/or V1-3のT波陰転
    • もし、上記部位のいずれかひとつのST上昇 or T波陰転存在するなら     ①
    • もし、上記部位の2つ以上でST上昇 or T陰転あれば、もしくは、上記部位の1つでも”ST上昇 and T波陰転”あれば     ②
    • もし、2部位以上でST上昇および1部位以上でT陰転あるか、もしくは、2部位以上のT陰転および1部位でのST上昇あれば     ③
    • もし、2部位以上で同時にST上昇及びT波陰転あれば     ④
3)V1誘導での、QR or qR or R/S >1 
    • 上記いずれかの異常が存在すれば     ①
4)  aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6 のS波 、aVR ,V1-3 and or 下壁誘導 のfragmented or slurred QRS複合 
    • もし、 aVR terminal r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6のS波 or fragmented、slurred QRSが存在すれば     ①
    • もし、aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6のS波 + fragmented、slurred QRSが同時存在すれば     ②
5) RV4-6primary ST部位上昇 and/or QS or QR complex
    • 上記存在するなら     ①



RBBBパターンでの新規ECGスコア・シート
  1. Q下壁 primary T下壁
    • もし、Q下壁 or  T下壁 だけなら     ①
    • もし、上記所見Q下壁 と T下壁2つが同時存在するなら     ②

2) 下壁誘導 and/or V1-3誘導のprimary ST上昇   and/or 下壁誘導のT波陰転
    • もし、上記部位のいずれかひとつのST上昇 or T波陰転存在するなら     ①
    • もし、下壁誘導のST上昇 and T波陰転両者あり or 2部位以上でのST上昇あれば  ②
    • もし、2つ以上でST上昇 and T陰転あれば      ③
3)V1誘導での、QR or qR
    • 上記存在すれば      ①
4)  aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6 のS波 、aVR ,V1-3 and or 下壁誘導 のfragmented or slurred QRS複合 
    • もし、新規RBB or fragmented or slurred QRSのいずれか存在すれば     ①
    • もし、新規RBB or fragmented and  slurred QRSのいずれか存在すれば    ②
5) RV4-6primary ST部位上昇 and/or QS or QR complex
    • 存在するなら     ①

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