2020年8月3日月曜日

腸管細菌叢と心血管疾患

糞便 microbial communityの変化は、心血管疾患(CVD)を含む多くの疾患状態と関連しているが、このようなデータは単なる相関性に過ぎない。
CVDにおける腸内細菌叢の因果関係は、より直接的な実験的証拠の多数によってさらに支持されている。実際、gut microbiota transplantation研究、特定のgut microbiota依存性経路、および下流代謝物がすべて、宿主代謝およびCVDに影響を与え、時には特定の同定された宿主受容体を介して、宿主に影響を与えることが示されている。
複数の代謝経路(微生物と宿主の両方が関与する)は、動物モデルでは CVD に影響を与え、ヒトの研究では顕著な臨床的関連性を示しています。例えば、trimethylamine N-oxide や最近ではphenylacetylglutamineは腸内微生物に依存する代謝物であり、大規模臨床試験では血中濃度がCVD発症リスクと関連しています。
重要なことに、これらの代謝物やその他の特定の腸内微生物代謝物/経路のCVDとの因果関係は、多くの機械論的動物モデル研究によって示されています。例えば、phenylacetylglutamineは、心血管系の恒常性を調節する重要な受容体である複数のAR(アドレナリン受容体)との相互作用を介して、宿主における心血管系の有害表現型を促進することが最近明らかになった。
このレビューでは、CVDおよび関連する心血管表現型に関するマイクロバイオーム研究の最近の進歩をまとめ、関連性のある結果から因果関係のある結果へとこの分野を前進させるのに役立っている。
短鎖脂肪酸、二次胆汁酸、トリメチルアミンN-オキシド、フェニルアセチルグルタミンに特別な注意を払って、マイクロバイオームとメタバイオーム化合物/パスウェイに焦点を当てています。また、心血管の転帰を改善するために腸内マイクロバイオームを直接標的とするための新しい治療戦略についても議論してる



Gut Microbiota and Cardiovascular Disease
Marco Witkowski, Taylor L. Weeks, Stanley L. Hazen
Originally published30 Jul 2020
https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.120.316242
Circulation Research. 2020;127:553–570

<img src="https://www.ahajournals.org/cms/asset/0b93da25-ca7d-4066-94f9-5811c9a7b706/circresaha.120.316242.fig01.jpg">

Molecular pathways and host receptors that link gut microbiota–derived products and metabolites with cardiovascular and cardiometabolic disease phenotypes. 
ADRA indicates adrenergic receptor alpha
ADRB, adrenergic receptor beta
FXR, farnesol X receptor; GPR, G-protein–coupled receptor
LPS, lipopolysaccharide;
LXR, liver X receptor
Olfr, olfactory receptor
PAG, phenylacetylglutamine
PERK, protein kinase R-like endoplasmic reticulum kinase
ROS, reactive oxygen species;
SCFA, short-chain fatty acid
TAAR, trace amine-associated receptor
TGR, takeda G-protein–coupled receptor
TLR, toll-like receptor
TMA, trimethylamine;
TMAO, trimethylamine N-oxide


<img src="https://www.ahajournals.org/cms/asset/5494f906-bfc9-4770-be9b-b97f1c243bd6/circresaha.120.316242.fig04.jpg">

<hr>
フェニルアセチルグルタミンは腎排泄なので腎機能低下だと影響がさらに大と予想される
尿素サイクル異常症で記載される物質でもある

食品中に含まれるレシチン(コリン)が腸内細菌によりトリメチルアミン(TMA)に代謝され、さらに肝臓においてFMO酵素によりTMAOへと代謝され、これがマクロファージを変化させアテローム性動脈硬化などの心血管疾患に結びついているとする論文[4]がある。また赤肉などに含まれるカルニチンも同様に腸内細菌-肝臓代謝を経てTMAOとなり、これがアテローム性動脈硬化のリスクを高めているという報告[5][6]もある。


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