喘息患者ではTLR7遺伝子発現低下、症状コントロール悪い場合はTLR8遺伝子発現低下
性差はあるものの感冒と喘息の病態の関連あり
Toll-like受容体:TLR7及びTLR8遺伝子は染色体X上に局在し、single strand RNAウィルスへの検出・反応をencodeする受容体である、これらの受容体の活性化は抗ウィルスサイトカイン type I interferonを産生を誘導し、抗ウィルス作用に重要
形質細胞様樹状細胞(pDC)はTLR7の高レベル発言をもたらしtype 1 interferonの主たるpruducerである。
これらの抗ウィルス因子喪失すると頻回の気道感染しやすくなると考えられる
ただ、type 1 IFN産生欠如と喘息での機能に合致しない所見が認められ、pDCの変異、性別、年齢の影響が認められた。喘息においてpDC-TLR7-INF-axisの欠如認められた
Risks for cold frequency vary by sex: role of asthma, age, TLR7 and leukocyte subsets
Liisa M. Murray, et al.
European Respiratory Journal 2020 56: 1902453; DOI: 10.1183/13993003.02453-2019
https://erj.ersjournals.com/content/56/4/1902453?rss=1
ウイルス性呼吸器感染症は通常良性であるが、喘息の増悪の引き金となることがある。上気道感染(風邪)の頻度に関連する因子は完全には解明されておらず、また、そのような因子が女性と男性で異なるかどうかも明らかになっていない。
自己申告による呼吸器感染症(風邪)の頻度と関連する免疫学的および臨床的変数を明らかにするために、150人の喘息患者と151人の対照者を募集した。次に、風邪の頻度を説明する可能性のある抗ウイルス免疫応答変数である、toll-like receptor(TLR)7/8遺伝子発現、形質細胞様樹状細胞(pDC)数、インターフェロン-α、腫瘍壊死因子、インターロイキン-12産生、喘息との関連を検討した。
喘息患者は対照群に比べて年間の風邪回数が多く(中央値は3回対2回;p<0.001)、ベースラインのTLR7遺伝子発現が低かった(オッズ比0.12;p=0.02)。
多くの変数と風邪の頻度との関連は、女性と男性で異なっていた。
女性では、血中好中球数の増加(β=0.096、p=0.002)、若年齢(β=0.017、p<0.001)が独立して風邪の頻度の増加と関連し、子供の接触とは関連せず。
男性では、TLR7の低発現(β=0.96、p=0.041)とCLEC4C遺伝子の高度発現(pDCのマーカー、β=0.88、p=0.008)が独立して風邪の頻発と関連していた。
喘息症状のコントロール不良は、TLR8遺伝子発現の低下(β=1.4、p=0.036)およびbody mass index (β=0.041、p=0.004)と独立して関連していた。
喘息、年齢、末梢血中の炎症および抗ウイルス免疫のマーカーは、頻繁な風邪と関連している。興味深いことに、風邪の頻度と関連する変数は、女性と男性で異なっていた。
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